こんな本読みました。

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『田舎の刑事の趣味とお仕事』 滝田務雄 著

2008/12/22(月) 08:26:45 滝田務雄 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 07年に出た作品で、実は昨年からずーーっと悩んでたですよね。読もうかどうしようか。
 ベストも出し終えて一区切りついた所為か、ようやく読んでみようという気になりました。 
 うん、帯の文句に偽りなし。本当に脱力系警察ミステリ!
 笑いながら読んでました、が、実はしっかり本格テイストの推理物です。
 重いものを読んだ後、ちょっと気分転換したい時にオススメ。
 ネタバレNGのかたは、これより先にはお進みになりませんよう。



これは立派なコージーかと思ったけど、コージーでは探偵役に警察官を配置しないという前提があるので、じゃあやっぱり脱力系としか表現できません。
デスクワーク向きなのによく動く鬼刑事、黒川鈴木。これがフルネーム。
部下には、脳みそ空っぽで自分では何一つ考えない白石、2話目からは白石と対照的に真面目な赤木も赴任してきますが…、とにかく事件らしい事件のない平和すぎるほどのどかな田舎なので、上司も部下も全く緊張感がない。

そして忘れちゃいけないのが黒川の奥さん。
言葉遣いがやたら上品なのに、お腹の中はめっちゃブラック!多分、この作品の中で、犯人よりも邪悪なのはこの奥さんだと思う(大笑)
ダンナの嫌いなメニューをわざとこしらえたり自分は刺身パックなのにダンナには××を知らん顔して出したり、警察官から見れば身の破滅なほど非合法スレスレの金儲けに走ったり。
無能でいっそ殺してやりたいほどの白石にはいくらでも鬼になれるくせに、奥さんの繰り出す邪悪オーラの数々にはマジ泣きするほどのダメージをくらう黒川。
キャラが立っててとにかく笑いっぱなしですよwww

それなのに。
謎解きはかなりしっかりしたロジックやトリックなんですから油断できません。
1話目のワサビ泥棒の容疑者を絞り込む過程は、手がかりが全部読者に明らかにされるのでめっちゃフェアだし思うし。トリックそのものはどこかで何回も見たようなものなんですが、だからサプライズとかいうものは無いんですが、まるで犯人当てのドラマのように本物や偽物の手がかりを見分けてごらん、って感じですね。
いやそれよりも、ネットでの倒錯っぷりがオカシくてしょうがないので、気が散ってしまうような。白石のイタさも見ものですがそれにのたうち回る黒川の描写がなにより愉快♪

2話目の魚と拳銃。
いやーこれから奥さんの邪悪オーラが少しずつ分かってきます。それがもうなんというか……身につまされるって言ったら怒られるか私。でもこんなに大ゴトじゃないけど気持ちは分かるんやもん!
事件の真相の方は、えーと、パズルみたい。いや思考ゲームかな。
これは私もアレ?と思ったからねえ、国内と海外の規格の違いって絶対あるもん。
硝煙反応が一箇所しかないのに、打ち込まれた弾丸の数が5発。
このテストで、実際は箱の中に、自動的に頭部に命中するようにセットできるもんかなあと思ったけど、私の頭が弱いだけ?
黒川さん、××もそれと知らされないで食べるのであれば美味しいらしいから。そんなに落ち込まないの(笑)

3話目のリベンジ。
いやもう奥さん、すご過ぎる!(爆笑)
平和ボケしてる警察と奥さんの、漫才よりも噛み合わない会話がおかしすぎるww
黒川さん、奥さんに幻想を抱くのはもうやめた方がいいと思うよ?奥さんの中では、ダンナは裸電球や糠床よりも下なんやから★★はっはっはー(薄笑い)
このコンビニ強盗犯の一味がどうやって鉄壁の包囲網をくぐり抜け脱出したか?
これは上手い!!
出入り口が一つしかないコンビニのどこかが外部と繋がってるとして、こうきたかー!
これは盲点だったわ★
マスコミの中に紛れ込んだのかなあと思ったけど、結局は警察に接触してしまうリスクが高くなるだけやしなあと…。
計画を練り過ぎた、やり過ぎたのが逮捕に繋がるというのは皮肉やけど、一番皮肉なのは黒川さんが奥さんの仕打ちに泣き崩れて1人考える時間を確保できたからとも言うんじゃ?誰1人アテにはできないと悟ったというか。あーあ…。

4話目の赤と黒。
奥さーーん!アナタ、警察官の妻ってことを逆手にとって、ダンナさんの立場が危うくなるように自覚して動いてるでしょう(大笑)
丸田夫人が誰を本当に憎んでいたとか、そういうのがさらりと理解できる人なんやから。
そして赤木クン、そりゃ誤解するよねえ(笑)
傍から見たら、黒川さんと白石は天然の素でボケとツッコミしてるくらいにある意味相性がいいもんだから、黒川さんの常識力を疑う気持ちもよく分かる!
でも、黒川さんもかなりの策士で、ネットキャラ専用の携帯を上手に活用して白石クンに痛い目を見せた上に丸田氏を引っ張り出すんやからさ、奥さんとは別の意味で怖い人。
カラスって何のコトか、という疑問よりも、山吹氏のアリバイを崩したアレのロジック、信号機みたいってのがヒントなんだかトラップなんだか微妙なとこですが、まあちゃんと南東とか西から東に向かってとか歩道橋の位置とか書いてあるから、いいのかな。

そして最終話。ウサギが怖いーーー(爆笑)
とうとう奥さんの邪悪オーラが実体を持って現れましたー!
なんて怖いブラックな奥さんなんだ!わははははwwww
毒塗れの米を白石に食べさせたいと大真面目に呟く黒川さんなんて可愛いもんよ!
奥さんの毒の方が、事件の青酸カリよりも猛毒だと思うのは私だけじゃないはず。
おかげで、事件の方がどうにも印象が薄くなってしまった気がする。
オーガニックなものに囲まれる生活の中で、確実にターゲットを殺せるように罠を張ったストーカーの怖さとかも、イマイチそんなに怖くないなあと思ってしまう。
それが惜しいかな。

これ、シリーズ化されるとかで、もうすぐ続編も出るみたいです。
絶対買う!
奥さんと黒川さんの、ヘビに睨まれたカエル関係というかハブとマングースみたいなというか、このブラック具合がたまりませんww
そして白石が、黒川さんのネットキャラに気が付く日は来るのか?
どれだけ鬼のような仕打ちをされても、結局生き延びるのは白石のようなスッカラカンのタイプだと思う。
黒川さんの推理の冴えも綺麗だし、これはいい意味での脱力系ミステリですwww
ミステリ・フロンティアには珍しい毛色の作品ですね、こういうのも出すんだーと思った。
続編、期待してますよーん♪

(東京創元社ミステリ・フロンティア 2007年)
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