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私的ミステリ・ベスト

2008/12/04(木) 13:20:27 未分類 EDIT
うんうん悩んで、やっと決めました。
ていうか、これ以上悩んでもしょうがない。

読了本全リストをぐぐっと全部チェックしてくださったかたならお分かりでしょうが、ほとんどが新本格のジャンルのミステリです。
そして、ミヤベ先生やヒガシノ先生、モリムラ先生といった大御所のは1冊も入ってません。
なので、世間的には何の参考にもなりませんが、まあ興味をひかれるものがあれば是非読んで見てくださいませ。



◆奥付が2007.11.1から2008.10.31までの新刊

『少女ノイズ』三雲岳斗(光文社)
『完全恋愛』牧 薩次(マガジンハウス)
『山魔の如き嗤うもの』三津田信三(原書房)
『ペガサスと一角獣薬局』柄刀 一(光文社)
『ルピナス探偵団の憂愁』津原泰水(東京創元社)

◆奥付がそれ以前の旧刊

『激走 福岡国際マラソン 42.195キロの謎』鳥飼否宇(小学館)
『巴之丞鹿の子 猿若町捕物帳』近藤史恵(幻冬舎文庫)
『アルファベット・パズラーズ』大山誠一郎(東京創元社ミステリ・フロンティア)
『笑ってジグソー、殺してパズル』平石貴樹(創元推理文庫)
※『巴之丞鹿の子』は、今月9日に光文社文庫より新装版が発売されます。幻冬舎文庫の方は入手困難ですので、未読のかたはしばしお待ちをw


◆本格ミステリ、以外であれば……

『空へ向かう花』小路幸也(講談社)
『TOKYO BLACKOUT』福田和代(東京創元社)
『牧逸馬の世界怪奇実話』島田荘司・編(光文社文庫)


感想文にも書いたとおり、『少女ノイズ』と『退出ゲーム』で悩みました。
でもいくら世間の評価は『退出ゲーム』の方が高かろうと、やっぱり好みから言うと『少女ノイズ』に軍配が。
『完全恋愛』は、ミステリの謎解きとしてはかなりオーソドックスですが、その昔風のノスタルジックなミステリと戦中戦後の混乱期を見事に融合させていて、とても印象深いです。ミステリと恋愛ものの絡ませ方も素晴らしかった作品。
『山魔』は、昨年の『首無』ほどの中毒になりそうな快感は感じられなくても、やはり回収されていく伏線の数々がこれぞ本格ミステリ!と思う作品。外せなかった。
『ペガサスと~』は、柄刀先生の作品で初めて読みやすい!と感激した記憶が。
美しく幻想的な風景と、美希風くんの謎解きの冴え、短編でありながら長編のような見事なトリックの数々。
『ルピナス』は、…実は私の中では『ルピナス探偵団の当惑』とセットでチョイスしました。『当惑』がなければ『憂愁』の構成の妙が活きてこないし、その『当惑』にはがっちがちの素晴らしいミステリが詰まってる。そして『憂愁』のラストは、そのタイトルにふさわしい。

旧作の方は、すんなり決まりました。
まずは何と言っても『アルファベット・パズラーズ』!
いやもうこれには、この数年私が読んできた(昨年の『女王国』『首無』『サクリファイス』を除く)ミステリの中でも一、二を争う大どんでん返し!!テーマというか事件の内容は辛くて仕方ないのですが、謎の二重三重の隠し方は驚嘆。何故もっと早くに読まなかったんだーという後悔と、ミステリばかりを読んできた今だからこそその価値が光るというありがたさと。
ほぼ同じ理由で『激走 福岡国際マラソン』。事件の謎解きでさえ、隠された仕掛けの煙幕に使われていたことに、呆気にとられ、それでいて喜ぶんですからもう救いようがありません。
『笑ってジグソー~』は、やはり純粋推理というパズラー好きには外せないミステリ。動機を一切考慮せずに状況と証拠にのみ従って推理していく様が、本格ミステリという特異なジャンルの象徴のようでした。
『巴之丞鹿の子』、シリーズ第一作目ということもあり、登場人物の説明に偏りがちになりそうなのに、ただ淡々と紡がれる構図に、それが解決に向かって加速していく快感がよりパワーアップ。悪意や殺意が、とてもシンプルに表現されているだけにより恐ろしさを感じます。

『空へ向かう花』は、私の今年のベスト。
何故こんなに重いテーマをこんなに優しく表現できるのか、小路さんの作家としての真骨頂だと確信しました。根っからの悪人がいない、いい人ばかりの世界なのに、それだから良いのだという評価は私も全く同感です。
『TOKYO BLACKOUT』は、今年の新人さんの中でも大収穫だと思います。
もし現実に起きたら、こんなものでは済まないでしょうが、それを敢えて端折り、ただのパニック小説にはしなかったことにまず拍手。
膨大な取材を無理なく絡ませて最後まで破綻させなかったリーダビリティ。
そして、電気の無駄遣いはやめましょう!と心底反省させられた私(笑)。
『世界怪奇実話』は、とにかく面白いのひとこと。文庫にしては分厚い上に文字がちっちゃーいので最初は読むのに気後れしそうですが、読みはじめたら止まらない!これはほんまに実話か?フィクションじゃないの?と疑いたくなるほど、よくできてます。

ちなみに有栖川先生の『妃は船を沈める』と『火村英生に捧げる犯罪』『壁抜け男の謎』は、どれも雑誌掲載時にじっくり読んでいたので、1冊に纏まったとはいえ新刊という感じを持てなくて…。2006年の『乱鴉の島』2007年の『女王国の城』という書き下ろし大長編が2年続いただけに(『乱鴉』はその前年に電子図書で一年間の連載でしたが、ダウンロードしても印刷不可、買っても2週間で消えてしまうので手元に残らない。それなら本として刊行されたものが書き下ろしの感覚にずっと近い)、短編集は年間ベストというのとは違うような気がしましたので……ファンとしては哀しいんですけどね。

来年は是非とも有栖川先生の御本をランキングしたいものです。
書き下ろし長編とか、あ、そうだYA!からの新作を早く読みたいですー!先生、延びてしもたものはしゃーおへんけど、来年は絶対に出しておくれやすww(なにゆえ京言葉/笑)
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