こんな本読みました。

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『イノセント・ゲリラの祝祭』 海堂 尊 著

2008/11/09(日) 16:17:01 海堂 尊 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 バチスタシリーズもしくは田口・白鳥コンビシリーズの第四作目。
 一番最初の『栄光』こそ、【このミス大賞】受賞作ということでミステリとして成立してましたが、前作の『凱旋』からはもう、ほぼ完全にエンタメ小説にシフトした気がします。
 結局深夜1時半頃から読み始めて、読了したのが明け方の5時ちょうどでした。
 一言だけ先に。
 漢字が多い~~~!(涙)…まあしょうがないんですけど…目がちかちかしたよ…。


東城大で不定愁訴外来、通称<愚痴外来>の責任者である田口公平“万年講師”と、<厚生労働省 医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長>の白鳥圭輔。
『栄光』の時は、なんて特異なキャラクタだと驚いたものですが、四作目ともなると慣れたのか、それとも、わっさわさ人間の姿をしたエイリアンが登場する所為か、この田口・白鳥コンビが普通に思えてきたという恐ろしさ(笑)
もし本当に、現実に、こんなのばっかりが大学病院や厚労省にいたら、面白くてしょうがないか憤死するか、どちらかでしょうねえ。

海堂先生も、子どもの頃からミステリはじめ本の虫で読みあさったそうですけど、一体このキャラ設定のヒントはどこから湧いてきてるんでしょう(笑)

この『祝祭』のメインは、白鳥さんの同期で“ミスター厚生労働省”の八神さん。官僚の存在の結晶化のような人。
そして、白鳥さんとウマが合う時点で既におかしな人ですがもう超合金ばりの合理主義者である<ひねくれ彦根>こと病理医の彦根新吾。<システム・クラッシャー>でもある、国と官僚からは蛇蝎のごとくに忌み嫌われる人なんですけど……。

八神さんの理想の官僚の具現化もすごいですが、やっぱりシステム・クラッシャーの彦根くんの方がとてつもないインパクト。多分、グッチー先生はダシで、この人が主役。
言ってることの半分も分からん!とか思ってたのに、グッチー先生にレクチャーしながら実はしっかり操ってたシーン(22章【遠来の旧友】)と、【31章 破壊神降臨】からのクライマックス、あれ、見事なロジックの一分の隙もない正論。グッチー先生になったつもりで読んでると(聞いてると?)、かなり分かるんです、彦根くんの言ってること。

エーアイ、という存在が、司法と医療を完全に分離できるのか、それとも司法に取り込まれるのか。
現場のことなど一切考えない官僚や司法関係者と対峙する為に、医学従事者ができることは何か。
医療ミスによる遺族の人たちの立場は。

海堂先生なりの、未来へのビジョンの表明ですね。

医療庁。

実現できたら、日本という国が変わる。

こんなにわくわくすることは、そうそうないですよね。

でも、膿が溜まり過ぎて壊死寸前の患部を切り落とさなければ、再生できない。
その劇薬が、彦根くんとミラージュ・シオン。そして忘れちゃいけない、田口先生。
白鳥さんや彦根くんが、ジェネラル速水に島津さんや高階病院長や藤原さん兵藤くん達がその本質を賞賛し、そして今回の西郷教授や八神さんまでもが恐れる田口先生は、場の天秤を司る人。そして単純という名の誠実で正直な人。
「うう、ヘタこいた」と気付きつつも言わずにいられない、考えるひとではなく感じる人。

裏で糸をひいてるのが白鳥さんや彦根くんだと分かっていても、田口先生は自分なりに空気を読んで客観的に整理する天才。ただの傀儡じゃないので、嫌悪感が生まれないんですよね。
それに白鳥さんや彦根くんも、操ることを宣言しても田口先生の自由意志を尊重してるし、雑談や思い出話には人間らしさが前面に出てくるから、澄み切った内面の人、という印象があります。あまりに合理時すぎるのと、裏での暗躍が化け物じみてるから極端なだけで、どこまでも透明ででも絶対に凍らない湖のようなイメージでした。
ああ、加納警視正もそうですね、ご同類です(嫌がるでしょうけど)。

この『祝祭』は、明らかに次の作品に出てくるだろう人たちがちらりちらりと顔を出します。
白鳥さんの仲間と言っていいのか同類なのか、同期<確研カルテット>という面々の存在(プリンス高嶺さん。かっこいいなあw)。
不気味過ぎて怖い警察庁刑事局新領域捜査創生室の斑鳩さん。

そして、ラストの、彦根くんとミラージュ・シオンの、向かう先に立ちはだかるもの。
田口先生は、どんな形で関わることになるのかなあ。
今からもう楽しみですww

白鳥さんと繋がってる、厚労省医政局長の坂田さんの関西弁は、ちょっと…いやかなりいただけないです★
あんな喋り方する関西人、いないって(笑)
海堂先生が前に大阪の番組に出演しはった時の印象が強かったのかな。
でも関西に馴染みのない人が聞いたら、関西弁ってこんな風に聞こえるんやろなあ…。
でも、関西人なりの単純さというか実直さというか、そういう官僚としての欠点=人間としての美点、という意味で存在してるので、腹は立ちません。頑張って事務次官になってねーって、応援したくなる。…はっ!これが白鳥さんの心理か!なんか複雑…。

とにかく、グッチー先生と一緒に、官僚のぐだぐだに巻き込まれてください。で、日本を動かしてると思いこんでいい気になってる官僚の本音に激怒して、彦根くんの独壇場に、八神さんや二体の菩薩がすっころぶさまを心から喜び拍手しましょう!

これ、厚労省の官僚はじめ関係各省の人たちは絶対読むべきなんですけど、おそらく霞ヶ関ではタブーどころか発禁処分になってるかもしれない(大笑)
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