こんな本読みました。

読んで感じて書き出して、そして忘れていく。備忘録ブログ。

スポンサー広告 > 『夏服少女からの伝言 午前0時のラジオ局』 村山仁志 著
その他一般 > 『夏服少女からの伝言 午前0時のラジオ局』 村山仁志 著

スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--:-- スポンサー広告 EDIT
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Comment (-)

『夏服少女からの伝言 午前0時のラジオ局』 村山仁志 著

2015/06/18(木) 14:37:29 その他一般 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
夏服少女からの伝言 午前0時のラジオ局 (PHP文芸文庫)
村山 仁志
PHP研究所


 ……あ、あれ?前作というか一作目の感想、書いてない……?あらら(汗)読んだのに!……うううもう今から、この続編を読んだ後では、一作目の感想書けないですわたし……すみませんすみません。
 著者は長崎放送の現役のアナウンサーさんです。そして、村山早紀先生の弟さんでもあります。「三井雷太」名義で小説も出されている兼業作家さんなのですがわたしはそちらのお名前ではまったくご縁がなくて、ご本名でようやく村山先生の弟さんだとツイッターで知った次第で……。本読みっても、本格ミステリに偏ってたらこんなもんですよね……ですよね?(自信も根拠もない)
 ラジオアナウンサーとしての描写と、ファンタジーっぽい(やたら明るい)幽霊さんたちの生き生きとして(幽霊さんに生き生きっていうのも変ですが、まさか死に死にってわけにもいかず)優しい想いに、読後感の良いシリーズになってます。



とはいうものの。

この続編、思い切ってホラー方向に舵きりましたね!それがすごく良かったです!
優さんと佳澄ちゃんの霊感体質、本領発揮♪

前作の肝は陽一さんと弓子さんでしたが、今回はまたいかにもな人達でぞくぞくしましたwww
ついでに貞子っぽくてもうジャパニーズホラー♪映像では怖くて見られないわたしですが、文字なら大丈夫。ふふふふふふwwww

優さんと佳澄ちゃんが、生身の人間も幽霊さんもあんまり対応に変化がないので、このラジオ局では誰が生きてて誰が幽霊さんなのかイマイチよく分からないんですが(笑)
いや、ゲストキャラのこの人は生きてるの?死んでるの?って一旦疑ってしまうんですよう楽しいったらw

一話目から四話目までは普通の幽霊さんなんですけど(いや幽霊さんがうようよしてる時点であんまり普通じゃないけど)、ラスト二話がね、強烈というか一気にホラーで緊張感すごい。

まあ、一話目の幽霊さんもなかなかコワイんですけどね。
でもこの一話目の幽霊さんが、優さんにとっての伏線みたいになってて、この出来事がなかったらクライマックスのあのシーンは腰抜けてたんじゃないかと。

二話目の佳澄ちゃん視点でのお話も。ここで佳澄ちゃんが幽霊さんに対してどういう対応を見せるかというのが、後々のアリッサちゃんに効いてくる。

四話目の小さい侍さんが斬ったのも、ラジオ局についての説明になってるし。

それにしても動かないはずの画像が動いたら怖すぎますおしっこちびります(泣)

ということで、ホラー好きなかたには楽しい五話六話w

うーん、人間って、生きてるうちにいろいろ溜め込んだものは生きてる間に発散しないとやっぱり死んでも死にきれないってあるのかなあ、やっぱり……。
死んでからなお欲求というか欲望を育てるタイプの幽霊さんには敵いませんが。
せめて、死ぬときには自分が死ぬことを受け止められるくらいの時間が欲しいなあ。いやしかし、なまじ時間があったためにアリッサちゃんは気の毒なことに……うーんんん。

相手の気持ちに寄り添うことに生者も死者もない優さんと佳澄ちゃんです。幽霊さんも寄ってくるよそりゃ、無念を聞いてくれる人やもん。
ただ、生きてる人間に必要なのは、否定しないこと以上に、幽霊さんの無念を利用しないことなのかな。死んでまで裏切られるってことですしね。
一方で、陽一さんや貞子ばりにコワイあの怨霊さんたちは生者の理はもう通じないし必要ない次元にいて、でも永遠の虚無にとらわれるか成仏するかはやっぱり生前の人格に大きく左右されていて、死ぬのも大変ですが生きるのもやっぱり大変。

あゆみさんや桂さんや赤い女の子(ネタばらしになるので端折るw)やロックスターさんたちのように、生者の輝きに包まれる人の感情の鮮やかさと、
陽一さんを始め幽霊の皆さんの、影の薄さをしっかり書き分けられていて上手いなあと思います。

影が薄い、のは、スカウトされるまでの佳澄ちゃんにも当てはまるし、優さんだってPTSDに苦しむ姿はやっぱり生気が抜け落ちてる。
それでも彼らは生きてる。
生きてる限り、人生は前に進む。死に向かって進むということでもあるけど、それまでに自分にできることを考えて世界を変えながら生きていく。
死んでしまったら終わり、というのは、世界の終わりなんですよね。極端に言えば、生きてきた人生だけが自分の世界だから。

そんなはかない人生をどれだけ彩れるか。楽しめるか。
幽霊とは思えないほどに明るい幽霊さんたちの、影の薄さは、未完成の絵のようなんだなと感じました。もうちょっと時間があれば、運命が違っていたら、もっと鮮やかな世界の絵が完成していたでしょうに。

ま、陽一さんみたいに亡くなってからも絵を描いてる幽霊さんもいるけど(笑)
でも紐付きというか期限付きなんですね……できる限り、描き続けられるといいな☆でも弓子さんと一緒に居させてもあげたい……。

優さんと佳澄ちゃんの午前0時の「ミッドナイト☆レディオステーション」は、誰かの人生の絵を完成させることはできなくても、未完成のまま額に入れてネームを入れる、幽霊さんにとってはそういう番組なんじゃないかな。いいよねそういうの。

絵に額がつけられてネームが入れば、未完成の人生にも、命にも、意味と重みが生まれるから。
幽霊さんにとって、意味と重みはイコールに近いように思うんですよね。遺伝子を残すこと、作品を後世に残すことが生きてる人間にできることなら、幽霊さんにできることは、断ち切られた想いを伝えることしかないかも。
未完成の絵でも誰かの目に留まって立ち止まってもらえたら。それはきっと生きてる人でも同じことで、誰かと人生が交わって重みと奥行きと深みが増すことが叶えば。
大きな幸せだと思います。

幸せを感じることに生者も死者も関係ないなら、死者の名誉や尊厳も生者と同じように尊重しないと。

そんな境界線の曖昧な午前0時は、もしかしたら一番世界が広がる時間なのかもしれないですね。

次回作、どうなるのかなあ。特に陽一さん。
続きを楽しみに待ってます!

(2015.4.2 読了)
スポンサーサイト
Comment (-)

ページの最初に戻る

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。