こんな本読みました。

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『少年探偵』 小路幸也 著

2015/03/22(日) 20:09:13 小路幸也 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
少年探偵 (一般書)少年探偵 (一般書)
(2015/01/15)
小路 幸也

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 ブラボー!!!
 これはすごいです素晴らしいです!!
 子供の頃、学校の図書室で明智小五郎と怪人二十面相の対決の数々、あの〈少年探偵団シリーズ〉を夢中になって片っ端から読破していったあの興奮を思い出しました。あのシリーズへの、江戸川乱歩へのオマージュ作品なんですが、現代作家である小路さんが書かれているだけに、わたしは大乱歩より読みやすくて好きです。
 こういう解釈の仕方もあるのか!とびっくりしました。
 とにかく、あの少年探偵団シリーズ、明智小五郎の探偵小説を読んだことのある人は読まなきゃ損です!




江戸川乱歩生誕120年記念オマージュ企画の第三弾だそうです。第一弾と第二弾は読んでませんすみません。わたしは小路作品が第一なのでして。

いやそれにしても、もう一回叫んでいいですか。

すんばらしい!ブラボーブラボー!(スタンディングオベーション)

明智小五郎、小林少年、怪人二十面相。

もう日本の就業年齢以上のほとんどの人口に膾炙された、というか探偵小説を読まなくても名前くらいは知らない人はいないだろうこの三人について、こういう設定もアリなのか!と目からボロボロといろんなものが落ちました。

で、まだ発売前、書影だけ先にリリースされたとき、何ですかこの美少年!と萌え萌えしてたら、ツイッターで小路さんから思わせぶりなリプライをいただいてました。
「12月26日
小路幸也 @shojiyukiya
@mige_kae_ouji とびきりの美少年です。しかも…………ヽ( ´ー`)ノ。お楽しみに!」

こういうことでしたかあぁぁぁぁ!!

これは思いつかなかったわ……ふえぇぇぇぇ☆

怪人二十面相についても、うまーくミスリードされてます。「正体は…、」のあたり、思わずマジで声が出ました(笑)
こうして翻弄されたのには、そこまでの流れでいくと、このひとか……このひとなのか……?とたぶん読んだ人は一度は考えてしまうはずのキャラクタがいましてね……やられたわー♪♪(←喜んでる)

※ネタばらしになってしまうので、未読のかたは次の()内はなるべくスルーしてくださいね、お願いします。反転もあんまり意味ないけどしとこうかな…。


(この怪人二十面相の正体って、つまり明智さんと怪人二十面相が光と影の表裏一体の存在であることがモチーフなんですよね。明智さんの中の光と影が、“怪人二十面相”の光と影に分かれて発現したというか、明智さんの過去が光と影に分かれたというか。)



明智小五郎も、小林少年も、怪人二十面相も、すべて大乱歩が生み出した架空のキャラクタですが、あまりにも当たり前の存在になってしまっていてまるで実在しているかのような錯覚ってありません?違うんですよね、フィクションなんですよね。
ですがここに、小路さんが新たに生み出された(そして乱歩の世界にまったく違和感なく溶け込む)キャラクタが絡んで、……「フィクションの中のフィクション」という一種のメタなんですよねこれって。まあ、オマージュ作品というのはだいたいそうなんですが、こんなにブラボーな乱歩作品の新解釈ってそうそうないのでは。

小路さんがどれだけこの少年探偵団シリーズ、大乱歩の世界をリスペクトされているか、気合いというか入れ込みようがものすごいです!

江戸川乱歩が探偵小説を書いたのなら、今回小路さんも堂々たる探偵小説を書き上げられたんです!
ミステリ読みで小路さんファンとして、こんなに嬉しいことがあるだろうか。いやない。反語。

明智小五郎と怪人二十面相の、キリキリするような対決。天才対天才の頭脳戦。
ほんの少しパラレルというか時代の混ざった戦後日本における、階級社会、文化風俗。
最後まで意表つきまくりの怪人二十面相の正体と、明智小五郎や小林少年との関係。
あの女性のことも、小路さんの世界では、自分の意思を強く持って生きる存在として、小路さんらしく。
最初から最後まで、本当に本当に愉しかった!
一気読みの勢いで、
でもあの学校の図書室の頃に戻ったようなたどたどしさと、タイムスリップを愉しむ勿体無さが交じり合って、
なんとなく深呼吸しながら読んでました(笑)


江戸川乱歩がなぜあれほど無邪気に、明智小五郎と小林少年の関係を揺るぎないものにしたのか、実は子供心に疑問だったわたし。
小林君がどうして明智先生に絶対の信頼を置いたのか、ほんの少しも疑わずに心酔したのか、正直それが胡散臭いというか、夢中になって読んでいてもふっと心が現実に戻ってしまうところだったんですが……、
小路さんのこの解釈なら納得できます。

いやー、年明けから凄いもの読みましたw
ポプラ社のあの往年のシリーズとほぼ同じ構図の装丁は伊達じゃありません♪

それでですね、小林君を預かった紳士でスピンオフとかどうですか小路さん!ポプラ社さん!
いや、この紳士のことは読者にとっては謎のままにしたほうが粋といいますかエレガントといいますか乱歩っぽいといいますか(苦笑)、
でもでも、こんな謎めいたキャラだからこそ、明智小五郎のアナザーストーリーが何本でもいけそうじゃないですか♪

本当にがっつりミステリなので、熱く語れば語るほどネタばらしになりそうでwww
表面をさわっと撫でたような感想しか書けませんが(文才もボキャも足りないのでどうしようもない)、わたしの小路作品オールタイムベスト10が変わりましたよこれは♪というのを代わりに書き添えておきますね。

(2015.1.17 読了)
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