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『火星の人』アンディ・ウィアー 著

2015/03/22(日) 19:50:37 海外ミステリ THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
火星の人 (ハヤカワ文庫SF)火星の人 (ハヤカワ文庫SF)
(2014/08/22)
アンディ・ウィアー

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 あっはははははは!!面白かったわーーー!新年一冊目で初笑い読書でしたw
 リーダビリティがあるとかキャラ造形とかいろいろ要因はありますが、とにかく底抜けに明るい火星の人wwwwwユーモアという意味で文字通りに面白かったです。
 まさかSFで笑うとはねえ……もっとこう悲愴感とか大昔の地球の文明が何故この星にとか(あの不朽の名作です)エイリアンとの遭遇でサスペンスとか惑星が突然暴走しておいおいおいとか、とにかく手に汗握るタイプのSFは珍しくもないですが。
 ユーモアで乗り切ったSFとゆーものを初めて読みましたね、うん。
 SFが苦手でも、読んでみる価値はあると思いますよ~。





これはアメリカSFのラノベですか?

というくらい、主人公ワトニーさんの一人称(ログ)が口語調でまるで日本のラノベ!音声を聴いてるような文章で、つまりこれは原文はもちろんですがこのユーモア感を最大限に活かした翻訳者のかたの勝利でしょうね♪とにかく翻訳がすばらしい!ちゃんとストーリーの人間フルスロットル感が出てます。本当にすごい。

これ、翻訳されたの日本だけですか?ほかの国ではどんな感じで訳されたのか、日本語と母国語のバイリンガルさんに聴いてみたいです。

解説によると、もともとは自分のウェブサイトでの無償公開、それからアマゾン・キンドルで最低価格での販売、そして版元がついて書籍化。ついでにハリウッドまで出てきて映画化権の発生。作家志望だったアンディ・ウィアーさんは間違いなくシンデレラボーイのひとりですね。すごい才能。

でもこれハリウッドが実際に映画化したとして……、ハリウッドお得意の悪との戦いだの派手なアクションシーンだの、まったく出てこないよどうすんの?
ついでに言うと、仮にあの中盤のハブどかんのシーン、どれだけ派手に演出したくてもそもそも宇宙空間では炎上しないし。

ま、そんな仮定の話はともかく。

よくこんなに火星の上でいろんなものを転がしたなあ!(笑)
でもって地球はやっぱり面倒くさいのう★

植物学者でもありエンジニアでもあるワトニーさんの、すんばらしく切れる頭の良さといったら!日本語がおかしくなっちまいますよ☆
それでいてこの人柄とユーモア精神に富んだこのバランス感覚。

もちろん絶望感を前面に押し出して暗-く展開させることもできたはずですが、ワトニーさんのキャラクタとしてそれは無かった。
ワトニーさんの腕を離してしまった他のクルー達や地球のNASAを中心にした人々は、(一部のヲタクを除き 笑)みんな絶望しかけたりヒステリックになったりするんですが、当のワトニーさんだけが一切の自棄を見せずに目の前のことからひとつひとつ問題に対処していって、なんとか生き延びようと計算に計算を重ねてあきらめない姿。
わたしが予想したよりも早い段階で、地球側ではワトニーさんの生存を確認しコンタクトがとれるまでになったので、ワトニーさんの一挙手一投足まで把握できるものはすべてNASAに捕捉されてて当然ワトニーさんもそれを分かってて、その上で結構暴走したり黒い人になったりもしますが、月よりも遠い惑星にたった一人しかいないんですもん、大目に見ましょうよ(笑)

もちろんファンタジーで、実際の宇宙空間でこんなキャラクタの宇宙飛行士さんがいるのかどうかはスペースシャトルの搭乗経験者とISSにインタビューするしかないですが、これだけ話題になったということはもう既にそのインタビューはなされていることと思います(笑)

日本のJAXAは現在、無人飛行のロケットならほぼ確実に打ち上げを成功させてるし、宇宙への開発技術も相当なレベルにあると思ってるんですが、たぶん有人飛行になったときこんなキャラクタの日本人宇宙飛行士はまずいないんじゃないかなあ。
ロケット始め物理的な技術は世界のトップクラスでも、人間の資質として日本人は宇宙に向いてるのか不安になってきた……。
それくらい、宇宙で予想外のことが起こってパニックになりそうな状況に陥ったとき、前向きなユーモア精神てどんな技術よりも大事なのかもしれん。

一年以上も地球を離れて、火星に置き去りにされて、生き延びるために頑張る。
想像を絶する過酷さなんですが、……ワトニーさんのログは地球に帰還後、そのまま本にしたら聖書を凌ぐベストセラーになるんじゃないの?www
というくらい、実は人間性を剥き出しにした上でのサバイバー必読の書になりそうで。
もちろん、科学技術や宇宙物理、いやもっと初歩の小学校で習う理科の実験レベル、それすら理解できるようには出来ていないわたしの脳みそは、難しいところについていわゆる“ふわっとした理解”程度です。ストーリーを追いかけてるうちに加速してるその勢いだけで読みました(あかんやん)
ただ、時間だけはあるような、正確には時間もそんなに残っていないけど食料の問題があっても考え抜く時間をケチらなくていい中、ひたすら考えて考えて、学者としてもエンジニアとしてもぐにゃぐにゃなほどに柔軟性をもって、じゃがいもに賭けてただ生き延びる可能性を高めていくことにのみ集中するワトニーさんは、

……可愛いですwww(えっ)

頭が良すぎてそんなもの嫌味にも感じない。むしろサバイバルの神。
ただ、悪態ついたり愚痴ったりはするけど、宇宙飛行士なんてたぶん基本はサバイバーなので泣き言垂れ流すヒマがない。
一年以上も火星の上にひとり、あらゆるものを改造しながら食料や酸素などを切り詰めながら、いったい彼はどれだけ痩せ細ってしまったのか……地球に帰還してもリハビリに一年以上かかるよね?
女の人にモテるのはそれからだワトニーさん。

宇宙に出るということは、命がけというより運任せな部分が大きい気がします。

そして近未来は、頭脳明晰、コミュニケーション能力も水準以上、ヲタク並みの突き抜けた趣味嗜好がないと人生楽しくないのかもしれない(苦笑)

あ、それと、可愛いも大事。ここ重要w

何かあったときに、見捨てられないような人間でないとね、うん……。


ずんずん読み進めていくうちに、わたしまで「火星時間」になってたみたいで、「ソル(数字)」に意外に馴染んでたことに気がついた570ページ(ほぼエンディング)

それと、ストーリーというか計画が二転三転してるうちに日本のお隣の赤い国が出てくるんですが、さすがに調子に乗らせませんよね(苦笑)こんな出鼻の挫き方もあるのか~…と思いましたわ。ぜーんぶアメリカに取り込んだしwww
で、日本(JAXA)がちらりとも登場しないのも、無人飛行と有人飛行の違いはあるにしてもそれだけじゃなくて、現実に「面倒くさい国」だからでしょうね。技術は持ってたとしても、見切り発車というかテストもしないで運用なんてありえない国で、ついでにユーモアもあからさまな貪欲さも見せない。お隣のでかい国の方がまだ要求がスケスケな分だけ取り込みやすいということかも。
EUの宇宙科学技術の方がどうなってるのかは、極東の島国にはいまひとつピンとこないですが、既にNASAと連動してるの?ていうか、いくらフィクションとはいえろしあの存在がややこしいとか。

とにかく、しがらみはできるだけシンプルに、ただ火星で一年以上をどう生き延びるか、それだけに焦点を絞ってあるのでそれが楽しい。

悲愴感をあまり感じさせない、ひたすら楽しいSFでした♪


(2015.1.5 読了)
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