こんな本読みました。

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『旅者の歌 中途の王』 小路幸也 著

2014/12/30(火) 19:48:34 小路幸也 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
旅者の歌 中途の王旅者の歌 中途の王
(2014/12/16)
小路 幸也

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 前作『始まりの地』からちょうど一年。はい、シリーズ第二弾です!
 電子書籍、SONYのReaderではもう完結巻である第三弾も連載されてますね。わたしはじっと我慢の紙の本待ち。
 ですが。
 今からでもReader買っちまおうかと思ってしまうくらい、続きが読みたくて読みたくて震えております……!プルプル
 ハイ・ファンタジーだからこそ向き合える、深遠な問い。衒いもなく読める世界。
 小路さんが生み出す世界は、明るく優しく大らかで、そして厳しい世界です。でも、不安になったり読むのがつらくなったりしないのが小路マジック。
 それにしても、いったいどれだけの引き出しをお持ちなのでしょうか、小路幸也という作家さんは……。




あのね、前作『始まりの地』を紙の本でお持ちのかた、よかったらこの新刊と並べてみてくれませんか?

わたしの本棚のせい、本棚がある部屋の環境のせいなのかもしれないんですけど、でも。

たった一年で、本の経年劣化って目に見えて進みますか?

わたしのもってるこの二冊、『始まりの地』が、この『中途の王』に比べると、紙が黄ばんできてるんです明らかに。
紙の材質のせいなのかなあ……。
でもこれって、もしかしたらわざとそういう材質を選ばれたのかな?と深読みしてしまいました。

読んでるかたにはお分かりでしょうけど、リョシャたちの物語を、とある〈語り手〉がわたし達に話して聞かせてるんです。もうたぶん「伝説」として語り継がれてるリョシャたちの壮大な旅の物語を。

伝説を記した絵巻物、書物って、黄ばんでカサカサになってるイメージですよね。
第二弾である『中途の王』を手にとって読んだ今日、ふと昨年の『始まりの地』を本棚から抜き出すと、それはもう少し古びた書物のような雰囲気を醸し出しているんです。
おそらく来年、第三弾が出たら、今日読み終えたこの第二作目は少し黄ばんで、そして第一作目の『始まりの地』はもっと古びて乾燥が進んでいるんじゃないかな……、と、そんな風に予想してみました。冒険譚、伝記物をリアルに古く感じられるような。

(12/20追記。小路さんからリプライをいただきました。この紙質の件、わたしが書いたようなことで合ってるそうです!狙いました、とのこと。わーい当たったー!というか、根拠もなく書き殴ったけど間違ってなくてよかった……とホッとしました☆)

さてさて。

リョシャたち一行に、仲間が増えてます。家族のようです。
そう考えると、ハイ・ファンタジーではあるけれども、やっぱり小路作品のベースともいえる「家族の物語」なんですよね。

同じくハイ・ファンタジーの三部作、パトリシア・A・マキリップの『イルスの竪琴』シリーズがわりと近いタイプなんですけど、あちらは基本的に主人公は一人旅です。道連れとかはいますけど、各所に出会いはありますけど、竪琴を抱えて目的の地までひたすら一人で行って帰って。
どちらがいいとかそういう話じゃなくて、仲間っていいなあって思いますよ。
誰かに不信感を抱いたりしない強い心、仲間を思いやるだけの余裕を持てること、厳しい旅に笑顔がどれだけ大切かということ。
リョシャたちはそういう、仲間との旅でのびやかに成長していってます。
まだ14歳とはいいながら、彼とジェイラはもうシィフルの精神的支柱で、訊きたいことを自己満足のために訊くことは決してしない分別。
シィフルという土地柄、善良な両親と兄姉の存在、〈話者〉としての訓練の賜物、リョシャ自身の資質、そんないろんな要素が積み重なってこそでしょうが、じゃあもしリョシャがジェイラのように換身してしまったとしたらどうなってたかなあ。シィフルの民に〈試しの日〉という宿命を課した神のような存在は、リョシャの魂をどこまで試したかなあ……と、それが第三作目につながるのかしら。

前回の『始まりの地』の感想で、名前は書きませんでしたがもういいかな、スィールとルーラについてぼやかしました。
リョシャを「崇拝」する彼らは、それまでリョシャやジェイラたちが知らなかった熱く豊かな感情を見せてきて、どうるのかなあと。
それが今回、スィールとルーラの魂の出自が明らかにされて、仲間たちは一気にレベルアップしたんですねたぶん。それまで知らなかった、「王・王族」という存在が身近にいることで、リョシャとジェイラの魂も〈話者〉の長、ひいてはシィフルの長としての自覚を促しているのかな。

それにしても、国の名前とか人名とか、よくこんな固有名詞を思いつきますよね小路さん!
〈語り手〉によると、わたし達に分かる言葉に換えて話しているらしいのに、それでも発音しにくい、しづらい、中には舌を噛みそうなものも。
今回登場した、「ドュランドセットルン」って。「デュ」じゃないんですよ、「ドュ」ですよ奥さん!どう発音すればよろしいの奥さん!(←誰)
あの“はりぽた”でさえ、主人公の名前ってリアルでもよくある名前じゃないですかー。
リョシャの本名、「ニィマール」って、少なくともメジャーな名前じゃないですよね。

馴染みのない名前、読みづらい名前、それから、よく分からない生き物、国の様子……。
そんなわたし達の世界とはまったく違う世界で、求めるものは同じもの。
命、魂はどこから誰から、宿命の謎、そして神の意味、創世神話の意味。
絶対的な正解はない問題。
人それぞれに答えを持つ問題。
人々や国をまとめる力を持ちながら、常に争いの原因にもなる問題。
正義の意味をわからなくするもの。

いま、現実の世界を覆うそんな根本的な問いを、リョシャたちは見つけられるのか。
物語だからこそ、正解に近い答えはあるのだろうか。
であるのなら、生身の人間の心に、揺るぎない物語を宿すことができれば。

そしてその揺るぎなさは、とてもシンプルに、家族や仲間を大切にすることから始まるんだよって、そう言われたような気がします。

〈中途の王〉がラスボスかと思ったらなんか違って、今度こそラスボスが出てきたのかと思った終盤、たぶん三作目に登場するのは精霊や妖精のさらに上の神様みたいなもので、でももしかしたら一周回ってリョシャ自身が大変なことになるのかもしれない……。ううう早く続きが読みたいようようよう!やっぱり今からでもReader買うべきか……。

単行本としては、厚みのあるほうですよねこのシリーズ。
それでもまったく冗長にならず、ぐいぐい読ませるこのパワー。凄いです。
三部作が完成したら、その壮大な世界は本からはみ出すんじゃないのかなあ!(←ほらほら、アニメ化とかメディアミックスにぴったりのファンタジーがここにありますよ♪♪の意)

リョシャたちの旅、楽しく読みました。
続きを楽しみに楽しみにお待ちしております!
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