こんな本読みました。

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『香彩七色 ~香りの秘密に耳を澄まして~』 浅葉なつ 著

2014/12/30(火) 19:42:51 浅葉なつ THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
香彩七色 ~香りの秘密に耳を澄まして~ (メディアワークス文庫)香彩七色 ~香りの秘密に耳を澄まして~ (メディアワークス文庫)
(2013/06/25)
浅葉なつ

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 はい、『神様の御用人』シリーズで初めて浅葉なつさんのお名前を知ったくせに早くもサイン会まで行ってそしたらあまりの美女で度肝抜かれてますますファンになった読者が一気に既刊も読み始めましたよ(笑)
 ということで、御用人シリーズ以外の作品読了一冊目。
 わたしもどちらかというと「匂い」には神経質なほうだと思うんですが、さすがに犬並みの嗅覚はないし、それって聴覚の絶対音感に近いくらい日常生活が結構大変だと思います。
 そんな能力の持ち主の女子大生が等身大でキュートでキラキラしてます。優しい物語を読みたいときにぴったり♪ついでにお腹すいてくるのもご愛嬌w


ええと、確認しますけど、メディアワークス文庫ってラノベレーベルなんですよね?
なので、この作品もラノベでいいんですよね?

いやー、小娘時代に夢中で読んでたコバルト文庫って、今のラノベの走りだったらしいのでわたしたぶんラノベ属性というか馴染みはあるってことになるのかな。
でも最近はミステリとかSFとかたまに時代小説とかノンフィクとかそういうものがメインなので、ラノベという言葉自体まだ存在してなかった頃の読者にとって、どういうものがラノベなのかよく分かってなくて(汗)
挿画(イラスト)があるとかキャラクタが立ってるとか、ラノベの定義みたいなものを聞くんですが、ミステリだってキャラ立っててもしっかりミステリ(一般文芸)だし挿画のある一般文芸もあるし。じゃあもうレーベルがラノベだということくらいしか。
そんなわけで、最初に戻る(笑)

主人公の結月ちゃんも彼女に懐かれる千尋くんも彼女に懐く隆平くんも、それぞれキャラ立ってます。そして読みやすい。
食い意地張ってるけど心根は真っ直ぐで透明感のある結月ちゃんが可愛いです。

……初っ端はね、ちょびっと不安になったんですけどもね……(苦笑)
ホラわたしはええと、グイグイ押せ押せタイプの積極的すぎる女の子は苦手ですし。いや男の子もか。
特に、自分だけの場所や時間を大事にしてる探偵役のようなキャラに無遠慮に踏み込んでいつの間にか横に居るようなちゃっかりしたのが大嫌いなので。(この作品も実はそういうタイプ)
もしこの結月ちゃんがそんなんだったら、本をそっと閉じよう……と思いつつ読み始めましたが、
大丈夫でしたw
ていうか可愛かった!
で、結月ちゃんをクリアしたら今度は隆平くんですよ(苦笑)。彼も押しの強いタイプっぼいし……とちょっとgkbrしかけたんですけど。
大丈夫でしたwww
ていうか良い少年だった!
浅葉さんの文体が良いのと(わたしは、サイン会に行くまで男性なのか女性なのかも分からなかったくらい。文体がドライで作者とキャラとの距離感が良いんだと思う)、結月ちゃんと千尋くんと隆平くんとの関係に恋愛感情が無いからドロドロしないんです。

ということで、キャラの心配はなくなった。そしてストーリーは透明感があってふんわりキラキラで、たぶん女子が読むのにお薦め☆

犬並みの嗅覚の持ち主という結月ちゃん、この能力をしっかり自分の個性として認識してるから、いちいち「こんな嗅覚がなければ…!」みたいな疑問もったりしない。
嗅覚良すぎるのも、ほかに聴覚が地獄耳以上だったり味覚が飛びぬけてたりするのも、それを自分の武器にして人生愉しめれば。
コーヒーの香りにつられて、コーヒー飲めるかもどころかもう一杯目二杯目のシミュレーションまでやってた結月ちゃんのくだりを読んでると、そんなことを思いましたね(笑)

ガチガチごりごりの本格ミステリでも同じことですが、謎を解く探偵役は博識でないといけないのね、って改めて思いました。
千尋くんの知識量ハンパない。
彼の場合は環境のせいでもあるし、環境に反発して自発的に取り込んでいった知識も蓄積されてるし、結月ちゃんが超高性能嗅覚センサーの一本で本能で生きてきたのとは対照的。
結月ちゃんは無自覚ですが、千尋くんはその違いをしっかり認識して結月ちゃんを見てるので、仕方ないという態を装いながら巻き込まれていってる気がする。
裏表紙のあらすじにあるような「人嫌い」という印象はあんまり感じなかったです。

結月ちゃんが千尋くんのテリトリーに近づくとき、自分がファンタジーの世界に入っていくような感覚になってるみたいで、女子大生(18歳?19歳かな?)というよりは少女のような感じ。
香りの謎を解き明かしていく千尋くんから感じ取る「森のにおい」というのは、彼をファンタジックな王子様のように思ってる暗喩ではないのかな。でも実際の彼はクールすぎるという現実が、結月ちゃんに夢を抱かせない(ファンタジーを自覚させない)。
一方の千尋くんには、香りをヴィジュアルとして認識する結月ちゃんの才能って、香りを言葉で組み立てる香りのプロにすればある意味羨ましいんじゃないかとも思った。

結月ちゃんがその微かな匂いに気がついたからこそ解けた謎、大好きなおばあちゃんの遺した大切な言葉。
ひとの想いが目に見える形をしていないのは、素敵なことだと思います。
匂いって、記憶に直結してますよね。視覚よりも記憶に残りやすいし、反対に記憶がよみがえりやすい。
美味しそうな匂いに、自分の中の何かを思い出します。
その記憶が楽しいものならいいんですが。
悲しい記憶だと、そのにおいを否定して頑張って違う香りで上書きしようとしたりする。
香り、匂いが呼び覚ますものが、物質化されるものというか実体を持って現れたら生きるのめっちゃ大変でしょうねえ(ナイナイ)
愛情や友情といった「目には見えないけど確かにあるもので大切なもの」に繋がってるから、香りは大事にされて香道にまで昇華していったんでしょうねきっと。

香水もアロマなんかも、わたしには一切ご縁のないものなんですが(わたし自身が香水関係に興味がないのもあるしその香りが逆にストレスになるのでつけないし、匂いでご飯食べるためのチェックする猫ズにとっては迷惑なんじゃないかと思うのでますますつけない)、
たとえば憧れてる大人の誰かが吸ってるタバコの香りだったら移り香欲しい!なんて、乙女心のひとつじゃないですかw
香水にしてもタバコの移り香にしても、香りを纏うって、自分の背筋を伸ばして前を向いて自分の足で歩くような、そんなイメージです。

千尋くん隆平くんのお家との関わりにクローズアップしたお話もできそうなんですけどねえ、続編ないのかな。
結月ちゃんと千尋くんか隆平くんがどうにかなるとかそんな少女マンガみたいな展開にならなかったのは実はポイント高いです♪
でも、結月ちゃんの超高性能な嗅覚が千尋くんの家の目に留まって当の三人は嫌がってるのにすったもんだしたりとか、そういう巻き込まれ展開なのは楽しいかもw

吹き渡る風のようなキラキラした、透き通った物語。
思い出をそっと磨くような優しい物語。
作者の浅葉なつさんをナマで拝見してきたから余計に、あの浅葉さんだからこそ、このふんわり優しいキラキラ感なんやなあ、って思いました。

ただし、読んでるとお腹すきますよやっぱりwww
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