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『神様の御用人 (3)』 浅葉なつ 著

2014/11/30(日) 20:23:52 浅葉なつ THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
神様の御用人 (3) (メディアワークス文庫)神様の御用人 (3) (メディアワークス文庫)
(2014/11/21)
浅葉 なつ

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 シリーズも三作目ともなると、キャラは安定してるしストーリーも安心して読めるし、相変わらず黄金様のモフっぷりがたまりませんwww
 出てくる神様も、現代社会をそれなりに楽しんでいるようにも思える、んですが、やっぱり根底には「神様でも時間には完全に勝てない」という悲しみがあるようで、そりゃ人間なんて一瞬の命、楽しく生きなきゃ損ですよね。
 神がいるのかいないのか、その議論はさておいて、とにかくこの妙に人間クサイ神様たちと、そもそも神様をあんまり特別視してないニュートラルな人間のあたたかい物語を楽しんで読むのがよろしいのです。



今回、第三弾もやっぱり、超個性的な神様や精霊がどんどこ登場。

二重神格でいろいろこじらせてるデザイナー女神。
お約束の勝負事に倦んで無表情になった稲の精霊。
神々の中でも特に神格が高くていかにも神様らしい水龍。
元々は人間で、一途すぎるお菓子の神様。

そんな神様たちの願いを叶えるのに登場するキーパーソンは、ちっぽけな人間です。
でも、神様はそんな人間をちっぽけとは思ってません。
神の願いは、人間のなかに流れるもの。
厳然というか、どこかヒヤリとした神様にとって、短慮で自分勝手でご都合主義でも魂に熱を持って生き抜く人間は鮮烈でしょう。
神様は、儚い人間の中に、自らに通じる何かを見つめているのかもしれません。悠久の時を見ている中の、まるで未来の姿のようなパラドックスっぽくて。
で。
そんな神様とほぼ同じ目、同じ心を、良彦くんも持ってるんですよね。
どんなに面倒くさい神様でも、お近づきにはなりたくないような人間でも、本能的に美点を見出す。
わたしだったら、神様はともかく、敵意剥き出しで睨みつけてくる人間なんてぜったいにかかわりたくありませんもん。その人の美点を探そうともしないで。
良彦くんを御用人代理として紐付けした大神様、やっぱりすごい神様よねえ(笑)

黄金様と良彦くんとのコンビネーションも絶好調、というかどんどん理解度が深まってる。
穂乃香ちゃんの表情も柔らかくなって、心の動きも少しずつ。
孝太郎くんは今回あんまり出番がなかったけど、良彦くんの良き理解者で。
黄金様のスイーツ沼は、ますます深くなってる気がしました(笑)

で、神様が勝てないもの。
さっきも書いたけど、時間。
時間ってたぶん、宇宙と同じものだと思うんですよね。宇宙物理学とかぜんぜん分からんけど。
この宇宙が無ければ、物質が無ければ、非物質というか目に見えない「神」という概念もまた生まれないわけで。
神様から見ればまるで「時計の針」のように時々刻々としか生きられない人間は、だから神様にとってはあまりにドラマチックな生き物なんではないかと思う。

神の子、人間。
自然は移ろいゆくけれども、人間の存在がある限り、時間の方向性は変わらないんですよね。常に未来に向かってる。
神の裁きは、世界の終焉じゃないと思う。リ・スタートってことでもないと思う。
人間の意識を変えること。
そしてそれは、思い通りに振舞えなくなる人間にとってはかなりつらい試練であること。
そうして「神」はときどき理不尽になる。
神様は常に一定だと思うんですけどね。“苦しい時の神頼み”を遺伝子に組み込んでるような人間にとっては、神も悪魔も自分達の味方でないと許せない。んだと思います。

だからこそ。
良彦くんや穂乃香ちゃん、また今回初登場した彼のような「神様を味方にしない人間」というのは、黄金様はじめ神様にとって安らげるんじゃないかな。

このシリーズは、神様の擬人化が楽しみのひとつ。
今度はどんなキャラの立った神様が登場するんやろう♪とわくわくします。
そして読み進めるにつれて、どんどんと厳粛な気持ちになります。まるで神社に御参りしたかのようです。
ニューエイジというものじゃなく、ただ昔は良かったというだけでもない、毎日の生活の中で少し肩の力を抜くための、幸せになるためのヒントがあると思うんです。
良彦くんのように生きるのはさすがに大変そうですけど(苦笑)、考えすぎてこじらせて腐ってしまう前に行動してみるフットワークの軽さやひたむきさ、目の前の人をよく見て思いやる心、最初は真似でもいいからそのうち自分の本物になるように、見習っていきたいなと。

毎年お米が食べられることに感謝して、大事な人を大切にして。
自分の人生なんやから自分のために生きるのはもちろん大事、でも、誰かのために何かを頑張って、笑顔になってもらうそんな奇跡も人生にあると幸せじゃないですかw


この3巻は、さいごの〈夜話〉で、黄金様に少し翳りが見られます。本文中でも黄金様から見た良彦くんの描写が多くなっていて、これは何かのフラグっぽい。良彦くんのこれからのエピソードはどうやら、今までのように真っ直ぐに前に進まないのかもしれない。
ミステリ読みなのでちょこっとミステリ脳を稼動させてみるに、青年……なんとなく良彦くんの身近な誰か(わたしの予想ではあの人)(←これで分かったら貴方はエスパー)が御用人(代理)の前に立ちはだかって良彦くんの脚を止めてしまうような気が……。
そんなドキドキを抱きつつ、続巻を待ってます!

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