こんな本読みました。

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『短篇ベストコレクション: 現代の小説2014』

2014/09/11(木) 23:39:25 アンソロジー THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
短篇ベストコレクション: 現代の小説2014 (徳間文庫)短篇ベストコレクション: 現代の小説2014 (徳間文庫)
(2014/06/06)
日本文藝家協会

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 まったくノーマークで、ツイッターでRTされてきて知ったアンソロジー。有栖川先生のお名前がっ!
 ということで急いで購入、お初の作家さんが半数ほどですが、抵抗なく読めました。それにしても14名って結構読み応えあるよね。
 ジャンル取り混ぜてバラエティに富んでます。いいアンソロだと思う。




と言っても、有栖川先生のお名前に反応するわたしとしては、2008年から毎年編まれてたことすら知りませんでしたごめんなさい。

その有栖川先生の作品は、〈線路の国のアリス〉。既読ですよもちろん。何度読んでも楽しいなあ♪

わたしの興味が有栖川先生と、あとこの中では西崎憲さんしか向かなかったのでぜんぜん期待してなかったというか、全作ちゃんと読み通すかどうかも怪しいと自分でも思ってたんですが。

トップバッターの、浅田次郎先生の〈獅子吼〉でいきなり涙腺決壊した……。戦時中のこと、というのも読んでてつらい要因だったんですけど、それ以上に、ライオンの孤高さがなんというかもう……これはいかん。

それから、ミステリ読みとしてたぶん失格なんでしょうけど、大沢在昌先生のも一作も読んだことなくて、初めてでしたすみません。面白かった、というか読みやすくてびっくりした!そうかー、こういう作風だったら読みたいかも。ということで、数多くの大沢作品を前に途方にくれております(苦笑)。こういうのがアンソロジーのいいとこですな。

東日本大震災を材に取った作品あり、冒頭の浅田先生と同じく第二次大戦を書いたものあり、SFあり、一般文芸あり。

そんな中、異彩を放つ西崎先生の〈廃園の昼餐〉。本当に独特の世界観。時間のループというか意識のループ?あえていえばSFファンタジーってことなのかな、現実感が薄くて夢の中?絵の中?一切の説明を受け付けない、そんな曖昧なところが読者の心に余韻として残るので、わたしは大好きです。
西崎先生の既刊を三作品読んで思ってたことですが、「雨」の情景がひときわ素敵だと思います。

それと、原田マハさん。全作品を読んだわけじゃないし、積極的に追いかけてるわけでもなく、こうしてアンソロジーに収録されたものをぽつぽつ読んでる程度ですが。
わたし、この〈無用の人〉ってかなり好きかもしれない。
わたしなりの原田マハさん評って、母と娘とか女性同士とかの結びつきが強くて、男性の影が薄いなあって。
でもこれ、相変わらず母親のインパクトに押されながらも父親の印象がじわじわくるというか、この静謐さや優しい強さといった男性像がすごくいいです。逆に父親と娘の絆が滲み出ていて、この母親でも切れないだろうと思わせてくれる。理想の父親像ではないのかもしれないけども、こういう人こそが「父親」なんですよね。

……どなたとは言いませんが、苦手なタイプの小説もありました。

でもそれもひっくるめて、トップバッターと殿の作品がピシィッと決まってるので、いろんなジャンルの作家さんをぱぱぱっと読みたい人にはかなりお得です。


ところで。
わたし、このアンソロジーの感想を書くかどうしようか迷ってたんですよ。
というのも、収録されてる短篇のそれぞれは文句ないんです。
わたしにとっての話なんですが、

解説が問題。
この解説の冒頭部分が、吐き気した。ここだけ破ってしまいたいくらい。

ノンフィクションの文庫化とかで添える解説ならわかります。これでもいいと思う。
でもさー、いくらタイトルに2014って入ってるから時事問題入れないといけないとしても、解説者の主観というか色付けなんて要るかい?

社会問題について、ある人にとっては悪玉でも、違う見方をする人もいるものだし、それを解説者がどういう考え方をしてるのかが読者に伝わってしまうようなものを、フィクションの短編集に添えることをなんで躊躇わなかったんでしょう。「これくらいなら大丈夫」とでも思ったのかな、でも現にこうしてわたしは不愉快極まりないんですもん。たくさんのひとが手に取る文庫で、わたし一人がおかしいってことはないと思う。
後年読み返してこの2014年を俯瞰するときに役立つキーワード、ということなんでしょうけど、せっかくの良質な短篇集なのにこの解説の冒頭部分がぶち壊しにしてる気がする。作品紹介だけにしとけばよかったのに。
現実社会でこういう問題があって憤りがあって不満を募らせているんですよ、というなら余計に、解説に右も左も持ち込んじゃいかんよ。

作品のチョイスが良いだけに、残念なオチだったなあ、と思ってしまったのでした……。

(2014.7.1 読了)
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