こんな本読みました。

読んで感じて書き出して、そして忘れていく。備忘録ブログ。

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『know』 野崎まど 著

2014/09/11(木) 23:00:46 野崎まど THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
know (ハヤカワ文庫JA)know (ハヤカワ文庫JA)
(2013/07/24)
野崎 まど

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 ……のざきさんの「さき」が変換できませんこのPC……常用漢字じゃないんですね。まあ、アマゾンのこの書影も同じくなんですけどね。ということで、のざきさんの本当の漢字は、本屋さんで現物をご覧ください(←投げた)
 この作品の感想をブログで長文に書くなんて無理!と思ったんですけどね……ほらわたしボキャ足んないから……。
 でも、読み終えて一日経って、次の作品が読めないんです、この『know』が居座ってるというかわたしのなかで終わらなくて。
 なので、ともかく書けるだけ書いてみます。
 生ぬるい小説を感情移入しまくりながら読むよりも、現実を忘れて頭もお腹もいっぱいになるような読書をしたい人に超オススメ!




この野崎まどさんって、ツイッターのSFクラスタさん&ミスクラさんたちの間で結構話題になってまして、気になってたんですけどまだ読んでなくて。
そしたら、友達が「面白かったよー」と言って貸してくれました。

SFですよね、近未来の京都。

世界のすべてに情報が張り巡らされて、人々のすべてが情報を簡単に手に入れられる時代。

現代のネット社会がもっともっと究極に先鋭化して、今わたしたちが個人情報保護云々言ってモタモタしてるのを蹴っ飛ばされるというか地球規模でぐるんと脱皮したみたいな。

それでいて、エリートとそうでない人々との格差があったり、人間の価値観や世界観死生観まで突き抜けていてなんかもういっそ気持ちいいくらいでした。

ていうか、世界のトップ、超VIP、不可侵の人たちの個人情報は厳重に守られて、名もない一般人の個人情報が簡単に流出したり売り買いされたり。
どんな機密情報も手にできるごく少数の人と、そうでない人の格差は今だってありますしね。

ならいっそ、この物語のようにもう世界中がいったん丸裸になって、秘匿するものと公開するものの基準を規定しなおしたほうが清々しいかも、と読みながら思いました。人々の意識がここまで違うなら、個人情報がどうこうというのは議論にもならないのかも。

昔、新井素子さんの作品を貪り読んでた時期がありますけど、その中のとある一作を思い出した。アレもなかなか、人間がナチュラルなのか人工なのかはっきり言えない世界の物語だったなあ……。

いやそれにしても、SFって、本当に哲学なんですね。
すごいわー。
生きること死ぬこと、そしてタイトルにもなっている、知るということ。
SFで禅問答とは。
ストーリーを愉しみつつも、ううむ……と考えさせられっぱなしでした。

現代の科学者の、夢の世界じゃないのかな。こういうの。
倫理的な問題さえなければ、この物語のように、ちょちょいって感じにはいかなくても技術と開発のとっかかりくらいは。そしてそこから飛躍的に人類は新たな段階に入る気がする。
また、その技術に将来性があってこそ、企業や政治が牛耳ろうと蠢動し始めるわけで、その予測はいまのわたしでもできる一番簡単な未来予想。

SF小説って、近未来・遠未来の話で、要は現代にはまだ無い技術、存在しない科学技術を読むわけじゃないですか。
まだ存在しないものを、読者がイメージできるように描写するって、どれだけの文章力が必要なんでしょう。凄いよね。

世界を形作る技術が違えば、とうぜん人間の意識や価値観だって違いますよね。
最初は、えええ何それ!と面食らいながら読み始めるんですが、

その物語の世界のことが一通り分かってきた時点で、もうのめりこんで読んでるんですよね。
たとえば、「情報材」っていうものが出てくるんですが、最初は違和感ありまくりなのに、どんどん馴染んでくる。情報材というもののイメージも浮かんでくる。もっと言うと、自分がその世界でその情報材から情報を引き出す姿までイメージしてる。

その、「ああ、自分はいま、この本に引き込まれてる。ぐいぐい読んでいってる」という自覚がしやすいという点で、SFって本当に面白いなと思うんです。
その世界に夢中になっていく自分を自覚する愉悦。
SFならではだと思います。
ミステリだと反対に、どうやってこの風呂敷畳むんだろう、と推理してみたり作者の意図を読もうとしたり、そんな稚気で、それはそれで楽しいです。
どっちも楽しい。

でも、SF読みの人は「ミステリ読みはなんでそう風呂敷畳まなきゃ気がすまないの?」と言いますし、
ミステリ読みの人は「伏線の回収は?カタルシスは?頼むから広げた風呂敷畳んでくれーッ!」ってイライラするんですよね(笑)


超情報化社会というものがどんな形になるのか、そもそもそんなものがわたしの生きているうちにやって来るのかはさっぱり分かりませんが、できれば死ぬことの平等さだけはそのままであってほしいかな、とも思います。生まれてきた以上は、いつかみんな死ぬこと。VIPだろうが庶民だろうが関係なく、いつかは等しく訪れる終わり。何も持って行けないところ。

近未来とはいえ、京都の町にそれほど変化がなかったので今のわたしでもついていけました(苦笑)
ただでさえ頭を使うストーリーなので、京都の町の描写にまで脳みそ使う必要がなくて助かった……京都人でよかったわー。


三縞女史が最後まで男前でした(笑)

うん、野崎さんのほかの作品も読んでみよう。

楽しくて面白かった!


(2014.5.3 読了)
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