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『満願』 米澤穂信 著

2014/07/19(土) 19:29:39 米澤穂信 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
満願満願
(2014/03/20)
米澤 穂信

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 ツイッターで各方面から絶賛されている米澤さんの新刊。
 文芸誌に掲載されていたのを追っかけてたわけではないので、加筆があったところとかは知らないんですが、より深みを増したのでしょうか……。
 米澤さんの作品をぜんぶ読んではいないので比較はできないんですけど、米澤作品を読んでるなあ……と思いながら読んでました(けったいな文章だ)
 自分にとって命より大切なもの、何ものにも変えがたいものって、何だろう。




〈夜警〉
〈死人宿〉
〈石榴〉
〈万灯〉
〈関守〉
〈満願〉
の六篇。
それぞれにつながりはなく、まったくの独立した短編集です。最近、こういう「リンクしていない短編集」って少なくなってる気がする。
確かに、連作短編集の方がリンクしてるところや前の短編の流れを受けたその後のことまで書いてあると読者はうれしくなるというかスッキリするし、終盤のクライマックス盛り上がるし、長編のような読み応えがあるから評判にもなるでしょうね。

でも、ミステリ作家さんの多くが、「ミステリは短編が良い」って言われるんですよね。有栖川先生も確か。
緊張感を持ったままラストまで一気に読めて、ミステリのエッセンスが凝縮されていることを読者も実感しますしね。
それでも、長編の方が好きなミステリ好きが多いのもまた。
だからこそ、連作短編集、という形になるのかな。

そんな昨今、こうしてまったく独立した短編集はなんだか新鮮でした。

そして、どんどん心が冷えていくような、泣きたくなるような一冊でした。

面白いんです。ミステリとして。伏線とか。隠された動機とか。

ただ、トリックやロジックの稚気というよりも、追い詰めて追い詰められて逃げ続ける人間の弱さと強さ、開き直る豪胆さと未来への暗さや怖さを読みました。

簡単に言えば、救いがない。

読みながら同情もするし、反発も覚えるし、関わり合いになりたくないし、羽交い絞めにしてでも行くなと言いたくなるし、警察か運命かに捕まらないでくれればいいとおもう。でも。

ひとつの過ちが、引くに引けなくなってどんどんと災禍のツケが溜まっていく。自分のことじゃないのに、小説の中のことなのに、それでもつらい。

読後、あたたかくて柔らかいものを触りたくなりました。猫ズをぎゅーってしましたよ。
冷えた心をあたためたかった。

運命は繰り返す。
その連鎖を断ち切る人、みずから飛び込む人、いろんなキャラクタが出てきました。
誰一人として、好きになれませんでした(苦笑)
でも、やり直せるなら今度こそは。助かるのなら助かってほしい。自分が招いた運命を受け入れられるだけの強い人であってほしい。自分のことじゃなくても好きになれない人のことでも、命の危険に晒されて立ち尽くす人に傍観者が持つ感情は、リアルでも小説でも一緒なんだなあ、とそんなことを思ったりしましたよ。

わたしの好みは〈夜警〉かな。トリックと心理的な揺れが綺麗に編み込まれてるなと。

ミステリの好みとしては謎解き、フーダニット、名探偵が何より大好物のわたしには、正直キツイ短編集でしたが、淡々とした流れのなかに謎と動機が美しく乗せられていて印象深い一冊でした。

(2014.4.1 読了)
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