こんな本読みました。

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『札幌アンダーソング』 小路幸也 著

2014/07/19(土) 11:40:42 小路幸也 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
札幌アンダーソング (単行本)札幌アンダーソング (単行本)
(2014/01/28)
小路 幸也

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 2014年最初の小路さんの新刊でーす!
 はー面白かった!一気読みでした。
 探偵モノです。かなりしっかりミステリです。そして変態です(笑)。
 冬に読むのに最適の一冊だと思うなあ。ぜひぜひ!
 (以下、わたしの感想がだらだらと始まりますが、微妙にネタばらし気味なので読了後にお付き合いくださいね)



えーとね、この新刊の情報と書影が出た時にきゃあきゃあとリプライしたら、小路さんから、こんなお返事いただいてました。
「例によって軽くサラッと書いておりますが中身は18禁並に相当変ですヽ( ´ー`)ノ」

プロローグが今までにない「引用」という形でちょっと面食らいましたけど、これのどこが18禁?と思って読んでみたら。
はい、事件は相当変でした♪
ていうか、こんなけったいな死因、初めて読みました!(苦笑)
初っ端にいきなり「変態」の雨霰!イイ男と超美女と超美少年が、そんな変態ヘンタイ連呼しないでゲシュタルト崩壊しそう……!www
という序盤(笑)

しかーしっ。
事件の展開というかお話そのものは、かなりハードだと思います。
小路さんの探偵モノって、ミステリプロパーの先生方が書かれる本格ミステリよりたぶんキツくてダークです。ミステリプロパーの方々は、本格ミステリをパズルとかテクニカルとかサプライズとか、「(謎解きの装置としての)探偵が」「謎を解いていく」ことに特化してるので読者も遊戯のつもりで読んでると思うんですけど。わたしはそうです。
ところが、小路さんは怖いことに、「人として大切なもの」を事件に絡めて描かれるので、わたしは遊ぶというより心をぎゅっと絞られるような気がすることがあります。物語を愉しみながら、そこここに「自分ならどうするか考えてしまう行間」を見る。初期の『ホームタウン』やザンテさんシリーズという分かりやすい「探偵キャラ」の物語でもそうでした。そんなふうに、ミステリとハードボイルドな感じが絶妙にブレンドされていて、小路さんの作品の味になってます。
名探偵の心の襞。探偵や警察の、人間としての弱み。チームで捜査する高揚とジレンマ。

康平さんのセリフの、「人間の心なんか、精神なんかその気になれば~(中略)~簡単に操れるんだ。」「何度も言うが、人間の心なんか簡単に砕ける。~」のくだり。怖いことです。でもそうなんですよね。
人間として生きていくうえで、ぜったいに忘れてはいけないことです。
肝に銘じて。

わたしはこの『札幌アンダーソング』というタイトルの意味が、読むまで分かりませんでした。北海道のかたなら普通に知ってることでも、疎いわたしには日本の近代史でさらりと流された部分だけしか知らなかったの。
アンダーソング。
なるほどねえ。
これは、京都でいえば、古典の時間に読む古文とか。時代がちょいと下るけど『徒然草』とか『方丈記』とか、都の闇の部分を書いたものに相当するのかな。間違っても源氏物語や枕草子みたいな綺羅綺羅しいものじゃないわ。
そして。
春くんと、キュウちゃん康平さんの刑事コンビが対峙する「犯人」がなんとまあ邪悪なこと。
咄嗟に、『蜂蜜秘密』を思い出しました。世界のリンクはまったく無いのに、わたしにはこの『札幌アンダーソング』は『蜂蜜秘密』の〈アンサーソング〉なんじゃないかと思った。『蜂蜜秘密』が無垢の世界に落とされた一点の闇の色、だったのとは真逆の、闇の大地に差し込む光、この二作品を足してちょうど世界が完成するような光と闇の質量、という感じを『札幌~』に受けました。

この物語の探偵役、春くんのキャラ設定が素晴らしいんですよ、志村家を含めて。
本格ミステリでは触れられない、名探偵の思考の動きを、春くんという存在が具現化してくれたような。
春くんは極端に見えすぎるけれども、名探偵が人間を見るとき、こういうものの見方をしてるんだろうなあ、と。
でも、春くんに「ド変態」って一刀両断されたシャーロック・ホームズっていったい(苦笑)

ミッシングリンクかと思いきや前半に出てきたキーワードときっちり繋がってるし、キュウちゃんと康平さんの趣味まで伏線だったなんてびっくりですよ終盤にそれとプロローグを絡めてあるところなんてミステリ好きとしても痺れましたよwww

事件はどんどん闇が濃くなって、真相がすっぱり解明されたとは言えないままなんですが、それが余計に物語の深度を増しているので心にいつまでも引っかかるんです。キュウちゃんと康平さんがこの闇のしっぽを掴んで離さないと決めたように。
それはきっと、人間のして一番大事な、心の部分、魂の部分を揺さぶられるからだと思う。春くんが追い求めるように、「人間というものは、何か」という、生きてる間には正解にたどり着けない問いかけ。
光と闇を両方持つのが人間なので、この首魁(というのかなあ、ちょっと違うかな……)は人間というよりは化け物なんですよね。でも人間の一面もある(洋服のセンスとかね)。ただバランスが悪すぎるだけで。
春くんと首魁との会見で、敵さんは志村春という存在と、志村家という特異な家を正々堂々とターゲットにできるようになったわけですよ、これはもう続編超希望してもいいですよね?ねっ!
ラストでとりあえず敵さんの動きを止めた春くんたちですが、敵さんがやられっぱなしなんて考えられないし、次に動くときにはまた春くんたちを挑発してくるでしょう。
どんな続きでも読みたいです小路さん!ファンレターか、ファンレターを出せばいいのか。(←ものごっつ今更感が……)

フィクションのはずなのに、どこかリアルを感じるのも小路作品の魅力のひとつ。
北海道の某国立大学(ちっとも某じゃない!笑)に行く機会があるとしたら、古ぼけた建物とか秘密の入り口とか、キョロキョロと探してしまいそうな自分を自覚してるので、京都が北海道から遠くてよかったとちょっとだけ思いました(苦笑)
いつもは、北海道の隣がなんで京都じゃないんだー!(それも陸続きでお願いします。海越えるの大変)と、小路さんのサイン会とかイベントの情報みるたびに思うんです。

読了後すぐにツイッターで叫んだときに蛇足でツイートしましたけど。
この『札幌アンダーソング』は、有栖川先生の作家アリスシリーズファンが読むとまた、妙なツボにはまると思いますwww
春ちゃんから見た康平さんとキュウちゃんの関係が、まんま火村先生とアリスさんのような気がちらりとしましてね♪
そういや火村センセって、アリスさん曰く、「変態性欲の権威」でしたよねー(笑)
変態つながりで、ぜひwww


(追記。小路さんからリプライいただきました。続編準備中だそうです♪さらに変態度が増す感じだそうですwww変態度パワーアップ!いったいどうなるのか!)

(2014.1.29 読了)
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