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『優しい死神の飼い方』 知念実希人 著

2014/07/19(土) 11:32:56 知念実希人 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
優しい死神の飼い方優しい死神の飼い方
(2013/11/16)
知念 実希人

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 ツイッターで相互フォローさせていただいているというのに、初めて読みました知念さんの小説。すみませんすみません。
 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞してデビューされた知念さんです。ミステリ読みとしてはとうぜんこのニュースも知念さんの作品のことも存じてましたけど、ようやく読めたー!って感じです。
 現役のお医者さんだけあって、病院や病気の描写もありますけど、めっちゃめちゃ読みやすくて分かりやすくて、そしてシビアです。
 わんこが大好きな人には特にオススメ!




デビュー作『誰がための刃~』や『ブラッドライン』とは違うタッチだということで、この死神さんを読み終えたんですが、これは逆に前二作品も読まねばいかん!と思いましたですよ。

お医者さんで作家さんというと、わたしにとっては海堂たけるセンセがお馴染みなんですが、うん、ぜんぜん違う。
たけるセンセは、Aiを導入したいというワンイシューを桜宮サーガの根幹に据えて、そこから東城医大の面々や桜宮一族やモルフェやマドンナさんたちを生み出してあの世界を構築しているので、その世界が好きな人はするする読めても、中には読みづらく感じる人もいるでしょう。
官僚や医師会上層部の怠慢や驕りをチクチクぷすぷすと刺しまくるストーリーですしね(笑)
また、病名や病気の症状や治療についてのくだりもどちらかというと最先端医療の領域に片足突っ込んでる感じなので、ほー医療の進歩ってすごいのねえ……という気持ちで読みますわたしなんかは。

一方、この知念センセは。
内科医だからなのかもしれないし、ミステリーに対する姿勢そのものも違うからでしょうけど、死というものに対して柔軟な感じを受けました。
患者が亡くなることについて、さいごまで個人個人の人生として考え、八つ当たりしない。できるかぎり考え、諦めない。残された時間を幸せに生きて欲しい。笑顔で、旅立ってほしい。
そんなラストシーンを読んで、ああ優しいお医者さんなんやなあ、って。
……あれ、こういうお医者さん、どっかで見たな…………、確か愚痴外来の責任者で桜宮サーガの中心人物にこんな人がいたな………、ん?わたしの中でいまなんか混ざったね?←

人間に興味を持たず、ただ粛々と仕事をこなしていくだけの、死神さんが成績が振るわない言い訳に余計なこと言ったばっかりに(笑)、「ごおるでんれとりばあ」という犬の中に封じられ、犬の姿で末期患者の〈未練〉を断ち切り魂を救え、という〈左遷〉から始まりますが。
わたしこれ、もっと独立色の強い連作短編集だと思ってました。
書き下ろしなので、連作なんですけどかっちりした短編集じゃなくて読み口としては一本の長編だったんですね…失礼しました(汗)
ストーリー上、タイトルが振られているだけで。
で、前半と後半で、スピード感が違います。後半はレオ(死神さん)始め仲間達危機一髪が続くので、かなり「はあどぼいるど」。
前半での布石を次々に回収していって、ついでに同僚や上司まで人間界に出張って高次元の世界の一端も垣間見せて、楽しかったです。

ミステリ的には、いろいろ分かりやすいので(炭のことや銃弾の跡の矛盾、不気味な親子の真実と絵のこと、ダイヤのありかなど)、読みどころはそのポイントポイントをどう繋げて纏め上げるか、ではないのかな、と思います。
あと、美意識の高い死神さんが見る、語る、世界のこと、愛のこと、人生のこと。
生きるうえで、自分の魂をより高めてくれる、頑張るエネルギーになる、そんな美しいものを、後悔や未練で見られないのはもったいないよ、と。
優しく微笑んで、囁かれたような気がします。

末期患者向けポスピスなので、どれだけ仲良く打ち解けても、死神さんがかかわった患者さんはその運命を全うします。
死神さんや上司や「我が主様」の神通力で、病気が消えてなくなったりしません。
その寿命が尽きるまでに、何かできることは?って聞かれたら、……わたしならどう思うかなあ。と。
病気を受け止め、咀嚼するだけでタイムオーバーになってしまうかも。

いろんな患者さんを診てきたお医者さんだからこそ、患者の感情の揺れかたの描写は痛ましいし、エピローグは心に染み入ります。難しい言葉じゃなくても、生と死と運命と人生について、世界について、いま一度、考えさせられます。
ミステリーとしてのきな臭さと、ハートフルな優しさや的確なツッコミと、矛盾や不合理をこそ人間なんだと思う苦笑いを込めた、読みやすくてバランスのいいお話でした。


いやそれにしても。

わんこが超ラブリーwww

レオとしての仕草と、死神さんとしての誇りのギャップが凄まじく可愛いいいいい♪♪

わんこのしっぽも萌えるわー(笑)

そして、ああ食べたいわ「しゅうくりいむ」wwwww
そーかそーかそんなにお気に召したのかしゅうくりいむが♪
たはー、これはもしウチにごおるでんれとりばあが居たら間違いなくしゅうくりいむを鼻先に近づけてどうするか実験したくなるレベルだわ☆

この作品がヒットしたら、次は、知念先生のお宅のお猫様が登場するミステリを書く約束を、そのお猫様と交わしたそうです(笑)
これは楽しみ!
ぜひぜひ、実現してください☆

(2014.1.19 読了)
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