こんな本読みました。

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『あめだま 青蛙モノノケ語り』 田辺青蛙 著

2014/07/19(土) 11:28:04 田辺青蛙 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
あめだま 青蛙モノノケ語りあめだま 青蛙モノノケ語り
(2013/12/19)
田辺青蛙

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 皐月鬼、というか皐月ちゃんシリーズで大好きになった田辺青蛙さんの、お待ちかねの新刊!
 それは嬉しかったんですが、版元が青土社さんという、今まで人文哲学関係の本で知られてたのに突然フィクション系を出すなんて何事?!と思いました。案の定、京都の大型書店ふたつ探したけど無かったのでネットでお取り寄せです。
 皐月ちゃんシリーズは角川ホラー文庫から、また、怪談『幽』とかてのひら怪談などに発表されるのでホラーに強い人ならぜんぜん大丈夫ですが、若干グロいので苦手なひともいるかもしれない。でもグロいだけじゃなくて幻想的なのでわたしは大好きだしオススメです。




感想に入る前に……、
田辺青蛙さんの既刊、『生き屏風』、『魂追い』、『皐月鬼』の皐月シリーズ三部作、一応この三作品で完結、ということだったんですが、ついったで著者の田辺さんが「続きが書ければいいですね」とツイートされていたので、だったらぜひ続編を書いていただきたいので!
版元さんにシリーズ復活希望!という要望を寄せれば寄せるほど、その可能性が大きくなるそうなので、よろしければぜひこの三部作を読んでいただいて、もしわたしと同じように面白い!と思っていただけたら、ご一緒に版元さんにプッシュしてくだされば幸いです☆

では、この新刊について。

ハードカバーの単行本ですが、お話は六十もの掌編を集められたものです。

なんとなく、ゆるーく、いくつかのセクションに分けられてます。
ひとつひとつは、ニページくらい。

そんな、小さな小さなお話の中に、これだけのイマジネーションをかき立てられる世界、人なのかモノノケなのか曖昧な物語が、適度にグロく適度にファンタジーでやりすぎも物足りなくもなくて、気持ちよく浸って読みました。

相変わらず、イントロダクションが素晴らしくて!

お話に入る前のプロローグ、もうここだけでぐいぐい来ますよ♪
なにこの美味しそうな。←鬼の嗜好かもしれない

人のかたちも、人の心も、世界の境界も、この世とあの世も、鬼や宇宙人や虫や花や水の中、なにひとつとしてクッキリと分け隔てられた線が見えない。
この曖昧でゆるゆるとした感じ。
大好き。

繰り返しますが、グロいはグロいです。
でも、ハリウッド映画のような迫力で押してくるのではないし、サスペンスとしての恐怖ではなくて、ああ自分もいずれこうなるんだろうな……という、土に還るものとしての儚い存在が見る悪夢。
たぶん、悪夢なんですけど。
魂というか命をコロコロと舐めて生きて、いつか小さくなって消えるような、そんな甘美さの満ちた悪夢だと思うんです。
人生は、飴を舐めてるようなものかもしれないんですね。

相変わらず、甘いものの描写が秀逸です。
飴に限らず、果物、花の蜜、歌声、女の子…。
味覚の中で、甘味って一番しあわせな味だと思うんですけど、(お菓子嫌いでも、ご飯粒やかぼちゃの甘さは問題ない人もいるでしょう?)、しあわせな味をいつまでも舐めていたいけどいつまでも続かないことも知ってる。
だからこそ、甘い味はできるだけ記憶にとどめておけるように、ゆっくり味わおうとして時間をかけすぎるから、いろんなことを考える。
一瞬でいいのかもしれない。
しあわせが一瞬なら、つらいことも一瞬で過ぎ去るかもしれない。
いつか溶けて形がなくなるまで、その繰り返し。

たとえば森見さんの作品には、狐や狸や天狗が人間と混じって面白おかしく大真面目に走り回ってます。
また、たとえば先日読んだ梨木さんのお話にも、河童やら何やらが人里で静かに暮らしていたりしました。
そしてこの田辺さんは、人の方が溶けて鬼になったり花になったり目鼻口のパーツになったりして、何が異形なのか分からなくなります。
世界は、曖昧でいいのかも。

六十もの掌編、堪能しました。

またいつか、皐月ちゃんシリーズの続き、今度は長編が読みたいです。

(2014.1.10 読了)
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