こんな本読みました。

読んで感じて書き出して、そして忘れていく。備忘録ブログ。

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『じつは、わたくしこういうものです』 クラフト・エヴィング商會

2014/03/11(火) 02:28:34 その他一般 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
じつは、わたくしこういうものです (文春文庫)じつは、わたくしこういうものです (文春文庫)
(2013/10/10)r />クラフトエヴィング商會、坂本 真典 他

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 これ、2000年に連載されて2002年に単行本になってた本だったんですね。文庫オリジナルだと思ってたわ。ていうか、2000年とか2002年て何してたっけ?……………あ。あーはいはいそりゃ知らないようんもう過ぎたことですよねあはははは。
 …………当時、この本を読んでたら、わたしのなかの何かがもう少し柔らかくなってたかもしれない。そんな気がします。





架空の、職業なんですよね。架空のインタビューなんですけど。

こういうご職業、こういう人が日本のどこかに居たらいいなあ、と心底思いました。

和む。
気づかされる。
癒される。
元気を届けてくれそう。
わたしも、何かやってみたくなる。

そんな、しみじみと優しい作品。

文庫にしてはちょいと高額、と思ったのは、実物を手にして納得しました。
これ、写真集でもあるのよね。紙もこだわりぬかれてるし。
モノクロの写真にうつる皆さん、いい笑顔で、いい味わいのある表情です。

巻末の説明がなかったら、本当にそんな職業の人かと思ってしまうかも。いや、ひとりふたり「あれこの人いつ転職したの?」と首をかしげると思うので、まあ趣向はなんとなく分かるでしょうけどね。
撮影してるとき、楽しかったでしょうねえ。

ショートショートくらいの文字数に、過不足なく、架空だけれども現実的な世界が詰まってて、ハッとしたりホッとしたりします。
ブラックじゃない、エグくない、読後感の爽やかな、筒/井/康/隆/先生のショートショートみたい(笑)

ひとりひとりが、ひとつひとつの視線が、神様ではなくて、…んー、妖精さんのような感じ、かな。

日ごろ、わたし達が気にも留めなかったり忘れてしまいがちな感情や気持ちを、落ち穂拾いじゃないけど後ろからササッと拾って届けてくれたような。昔書いてた日記や、どこかに埋もれてるアルバムを、誰にも知られずにこっそり手渡してくれたような。
過去があって、未来に繋がってる、現在のわたしの、心と世界を解してくれたみたい。

わたしが特にいいなあ、と思ったのはやっぱり、〈シチュー当番〉!これはすばらしいわ!日本のどこかにこんな図書館つくってほしい。
〈秒針音楽師〉もいいなあ。〈沈黙先生〉になら聴こえるんじゃない?(笑)
〈チョッキ食堂〉とか〈バリトン・カフェ〉とかも個性強すぎで忘れられないし。
あ、そうそう〈冷水塔守〉ってこれ、小路さんの『キサトア』を思い出すんですけど!

ひとつひとつの変わった職業、これどれももっと長く書けるネタですよね。ものによっては長編でも。ドラマにだってできるような気がしますけど。
それを、こんなに短いページ数の中で完結させてしまう、潔さ。惜しみなさ。これがいいんだと思います。

電車の中で一編を読んで、自分だったらどうするかなあ、とかいろいろ妄想してるうちに、目的の駅に着いていそうですねえ。
空想の世界で遊ばせてくれる。愉しめる。そんな文庫です。
強い自己主張をする本ではないので、本棚の片隅に挿しておいて、「このごろちょっと疲れてるのかもしれない」という自覚すらない変わり映えしない平凡な日々のどこかで、時折この本を開いてみるといいかもしれませんねえ。


(2013.10.19 読了)
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