こんな本読みました。

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『聖なる怠け者の冒険』 森見登美彦 著

2013/07/29(月) 08:00:48 森見登美彦 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
聖なる怠け者の冒険聖なる怠け者の冒険
(2013/05/21)
森見 登美彦

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 ……………。
 読んで笑って感じたことはあるんだが、言葉にならぬ。狸め。ちがった、地蔵め。怠け者め。
 ええと、日常に疲れてヘトヘトになって助けてほしくてとにかく休みたくてお疲れ様の人に、祇園祭の宵山の夜までに読んでみるのをお勧めすればいいのか、な?いや逆に余計疲れるのかな。とにかくよくわからんのです。でも面白い!



まず、この小説の一番の特徴。

著者であり、登場人物にとっては神である、森見さんの存在がでかいというか作品内でこんなに自己主張してる作者も珍しいんじゃなかろうか。
三人称で進む物語の、モノローグの部分は確かに著者の視点なんですがね、著者が読者の目の前に立って誘導し、登場人物に語りかけ、怠けることも迷うことも待つことも眠ることもすべてを肯定する。ていうか、主人公だから怠けてはいけないなんて誰が決めた?といわれるとそりゃ読者なんでしょう、そして作者はそれを振り払ったわけです。

すると、世界一怠け者の主人公になるのですよ。
主人公は、昏々と眠って眠って、まわりがどれだけ大騒ぎしていようがまったく知ることもなく、で、起きてみたら自分が物語の中心に立っていてなかなかに活躍するわけですよ。
オイシイところをみんな持っていく、これが主人公!自分の出番まではひたすら惰眠を貪っててもいいんですなあもうどうにでもして(笑)

でも、ふと考えたりしましたよわたし。

「ぽんぽこ仮面」を巡る、いろんな人が入り混じり覆い被さり薙ぎ倒していく物語です。
仮面。
誰も、仮面の下の本当の顔を知らない。
なんてミステリちっく!
いわゆる、顔の無い死体ですよw

で、ミステリの主人公はホームズかワトソン君か、倒叙ミステリだったら犯人の方が主役な場合もあったりします。

ぽんぽこ仮面の正体は?誰も知らないわけで、彼が事件の「動機」。彼の存在が、この大騒動を引き起こしたんですよね。
で、浦本探偵と、玉川さん。彼と彼女は間違いなく、「名探偵」。直感によるものであっても、神様でも救えない方向音痴だとしても、真実を感知する能力に長け、流れを読む力に長け、全体を俯瞰する。
恩田先輩と桃木さんと津田さん。ほか、たくさんの、うごうごしてる人たち。彼らもまた、事態を動かす流れの中にいて。

一方。

自分のまわりでは嵐の如くに事態が風雲急を告げているというのに暢気に寝てばかりいる小和田君は、主人公のはず。
退屈という結界に守られているかのような彼は、
そして彼が動き出した一連のやりかたは、まさしく「仮面の下の顔は、正真正銘のぽんぽこ仮面ではない」という見事なトリックというわけで、
もしかしたら「被害者役」なのかもしれませんよ?

被害者が主人公のミステリ!なんと斬新な!

……などと、小和田君ばりの妄想の中で、ぷつぷつとミステリ脳がつぶやくのでありました。

閑話休題。

それにしても、祇園祭の宵山がこんなことになってたらなんと楽しそうなこと!人ごみ掻き分けてでも行くよーわたし。
過去の森見作品、とくに『宵山万華鏡』と、……『有頂天家族』にもリンクしてるのかな?狸つながり。
『宵山万華鏡』も合わせて読むとちょっとゾクゾクしますよー♪
しかし狸め。それと、赤い金魚こわいwww

そしてまた、京都の町がえらいことになっとります(苦笑)
いやもういっそこれは、ネオンまたたくテーマパークということにしてさ、太秦の映画村に、この中に出てきた無茶苦茶な京都を再現してみたらどうだろう。脱出ゲームでみんな楽しいよきっと!←もうヤケクソの京都人☆

京都ファンタジーで。
怠け者のファンタジーで。
大冒険のファンタジー。

ほんの小さな親切を、善意を、京都の町全体にばら撒くやり方が、捻りすぎというか天の邪鬼というか「ぽんぽこ仮面一人に甘えてんじゃねえ!」という喝ととるべきか、これは結構、普遍的なテーマではないですか?
そして、退屈も怠け者も流れを見定めることもそんなに変わりがないということ。ちょびっと哲学的。

現実を忘れて頭からっぽにして、がっくり脱力するくらいに退屈を愉しむがいいのです。

それにしてもさー、物語の中心点は祇園祭なんで四条烏丸「大」交差点あたりなんですけどね。
知ってる地名、ビル、通がじゃんじゃん出てくるので、京都人が読むと妙ーーーにリアリティがありすぎるんですが。
わたしの超が百個くらいつく地元が出てきたときにはさすがに驚いたのなんの。
モリミー、これを書く前に、こんな近くにロケハンに来てたのね!いえ、来て見てなかったら書けないですよあれ。
『夜は短し~』でも、わたしの出没圏内の空を妙なモノがふわふわ飛んでおりましたけどね。

これを読んで祇園祭の宵山に繰り出すのはオススメなんですが、この本自体をガイドブックにしてもぜんぜん問題ないかもしれない……。
みんなでぐるぐる迷うといいよw

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