こんな本読みました。

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『東京ホタル』 小路幸也/原田マハ ほか

2013/06/09(日) 18:15:08 アンソロジー THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
東京ホタル (一般書)東京ホタル (一般書)
(2013/05/08)
小路幸也、原田マハ 他

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 んーと、コンセプトアルバムならぬ、コンセプトアンソロジーです。実際に開催される「東京ホタル」をテーマにして、五人の作家さんがそれぞれのホタルを持ち寄られました。
 わたしゃもちろん小路さん目当てで購入。ですが、アンソロの利点として今まで読んだことのない作家さんのプロフィールや著作をインプットしたのでした(笑)



収録順に、
「はぐれホタル」 中村 航
「蛍の光り」 小路幸也
「夏のはじまりの満月」 穂高 明
「宙色三景」 小松エメル
「ながれぼし」 原田マハ

小路さんを除くと、とりあえず何がしかの作品を読んだことのあるのは原田さんだけという(苦笑)
その原田さんのにしたって、絶賛されてる『楽園のカンヴァス』は未読で、かろうじて有栖川先生が編纂されたアンソロジー『小説乃湯 ~』で短編を読んだていど。てへ。

で、ですね。

やっぱりわたしは小路さんのお話が一番好きです。これはもう、肌に合うとか心に染み込むとかいうレベルで、難しいこと抜き。とにかく好きなものは好き。

いろんなホタルが登場しました。
時間という名の蛍、人間というホタル、魂の光り。

そして、なぜこのイベントが東京の隅田川で開催されることになったのか、東京にまったく縁のない地方者のわたしが感じたことは、やっぱり第二次大戦での東京大空襲が、東京という土地に浸み込んで染み付いてしまったからなのかも。
たくさんの人の命と魂が浸み込んだ街。
それで言えば、穂高さんのは東京を宮城にスライドさせて、震災の記憶を乗せたお話。同じですよね。

川。そして蛍。
蛍を人間だと見なせば、川と、人間の光。

せつなくて、かなしくてやりきれなくて、それでも時間と川の流れとともに生きてきた人たち。

悲劇とか、奇跡とか、生命とか、いろいろな蛍が舞い飛ぶ五編ですが、わたしはやっぱり小路さんのこの大切な大切な〈視線〉をたくさんの人に読んでほしいと心から願います。
かなしいホタルが舞う光景よりも、うつくしいホタルを見たい。そのために、今のわたしたちができること。

あ、それと原田さんですが。
さっきも書いたように、原田さんの作品を読んだのはこれで二作目です。
なので他の短編や長編のことをまったく知らないので、的外れなのかもしれないんですが…。
原田さんって、〈母親〉と〈娘〉を書かれることの多い作家さんなんですか?
『小説乃湯』で読んだ、「旅をあきらめた友と、その母への手紙」も、このタイトルどおりに、母と娘をえがいたものでした。
あと、旅先、というのも共通してる。
旅先で出会う人たち、旅館やホテルでくつろぐ女性の姿、くどくなくてスタイリッシュでクールに過ごす女性の描写がうまいなあ、と。かなり理想像ではあるので、こういう旅がしてみたいな!と思わせる、かっこいい旅行。
…実際はもうちょっとくらいは、日常の延長だと思うんですけどね(←台無し)
それにしても。
原田さんのはバランスがいいというか、うまいなあ。展開が予想つくんやけど、それも含めてきゅきゅっと綺麗にまとまってると思う。ちょっと綺麗過ぎるくらい。少しだけ現実感を薄くしてあるようにわたしは思うけど、等身大の女性の姿を読み取る人もいるだろうし、多角的に読める作風なんだと思います。絵画のように。


ひとつだけ、ちょっと戸惑ったのは、小松さん。
やりたいことはすぐに分かったんですが、脚のことと色のこと以外の書き分けが少なくて、同名なこともあって、ちょいと混乱した…頭悪いからさ……。
目印になる何かがあれば。たぶんそれが極端に巧いのが、伊坂幸太郎さんだと思う。複数の視点を書き分けても時間軸がズレてても、ぜんぜん混乱しないので。

東京が、江戸の頃からきらびやかに発展して、でも大空襲(大正時代には大震災もあったしね…)で跡形も無くなって、またスカイツリーが建てられるまでに繁栄してきた記憶、その時間。ときに色が変わろうとも流れが絶えることはなかった川。
人々が、川に何を見て生きてきたのか。
一日一日を、がんばろうと奮い立たせてきたのか。
川は知っていて、その記憶を可視化したくて、このイベントが企画されたのかな……そんな気がします。

東京にお住まいのかた、大切な人と一緒に、青いホタルを見に行かれてはいかがでしょう。


ちなみに京都でこんなことやったら、魑魅魍魎を叩き起こしそうです(笑)
ていうか、お盆の五山の送り火、が、たぶんコレに相当すると思う。

蛍。久しぶりに見たくなりました。
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