こんな本読みました。

読んで感じて書き出して、そして忘れていく。備忘録ブログ。

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『フロム・ミー・トゥ・ユー 東京バンドワゴン』 小路幸也 著 

2013/05/22(水) 08:23:12 小路幸也 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
フロム・ミー・トゥ・ユー (8) (東京バンドワゴン)フロム・ミー・トゥ・ユー (8) (東京バンドワゴン)
(2013/04/26)
小路 幸也

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 たっだいまーー!
 思わずそう言いたくなる、一年ぶりの堀田家です。もう帰省です。里帰りです。
 一年ごとに、堀田家に帰れる、幸せな気持ちがお裾分けでいただける、ファンにとってこんな嬉しい行事はないですよね。
 今からでも遅くないです、知らないなら読みましょうこのシリーズ。きっと、大切なものが、自分の手と心に残るはずです。


ああ幸せ。
本屋さんに飛んで行って買って、どきどきしながら本を開いて、読み終わったとき、みんなきっと気持ちは同じだと思う。
「幸せ」
こんな言葉の似合うシリーズって、そうそうないでしょうね。
それはたぶん、作品の中に生きるキャラクタが皆、幸せだから。
幸せな物語を読んで、ちっとも幸せを感じ取れない人って、なかなかいないと思う。

このシリーズの巧いところは、一年ごとに必ず新刊が出て新しいお話を読めるということ。
続編はいつになるのかなーって、ただ待ってるだけじゃなくて、ファンは一年待てば堀田家と再会できるんです。それもめっちゃ素敵な新エピソードで。
どれだけしんどくても、来年の新刊まではがんばろう、堀田家も自分と再会するのを楽しみにしてくれているはず。それはシリーズのファンになったときからの、大切な約束。がんばれる。そう自分を奮い立たせることができる。

著者である小路さんは、毎年ぜったいに破れない脱稿の〆切が設定されているわけで、ある意味大変だと思いますが(笑)

本当に幸せなシリーズ。幸せな読者。

さてさて、今回は4年に一度の番外編。

前回の番外編『マイ・ブルーヘブン』は、勘一さんとサチさんの出会いを中心にした、珠玉の堀田家昔話でしたが。

今回は、本編シリーズキャラが語り手となって、本編では軽く触れられていただけのエピソードとか、あえて隠されていた過去とか、そんなお話。

注目はやっぱり、本編での本格的なエピソードを熱望されている、我南人さんの奥さん、秋実さん、でしょうか。
一番ページ数は少ないけど、たぶん一番おおっ!て思う。

ええと、細かく書いていくと、(タイトルはちょびっと長いので省略)

一話目の語り手は、紺さん。
以下、すずみちゃん、木島さん、亜美さん、藤島さん、秋実さん(ただし、結婚前)、青ちゃん、研人くん、真奈美さん、コウさん、そしてサチさん。

この並びが絶妙!
さいごはやっぱり、サチさんの語りで締めるのがまた、ファンには慣れた感覚が戻ってきて安心しますよね。

で、トップバッターが紺さんというのも、これは必然的にこうなったんでしょうね。
この一話目のお話の中に、今の堀田家につながるもののほとんどが詰まってる。
青ちゃんが初めて堀田家にやってきたときのこと。サチさんと秋実さんがどんなだったか。自分の出自を知った青ちゃんの揺れ、きょうだいの絆、親子の絆。そして、堀田家の男性陣の個性。
男尊女卑というんじゃなくて、ていうか堀田家は基本的に女性優位ですからね、そうじゃなくて、堀田家の男としての自覚とプライドはこうして磨かれていくんだなあって。
紺さんと研人くん親子がじっくり話すシーンがまた新鮮w
いつもわいわいと賑やかな堀田家で、こうして親子水入らずで語り合うってシーンはあまり無いから。この紺さん研人くん親子って、いいよねえ。

すずみちゃんの気立てのよさが引き立つ二話目。ミステリ好きミステリ読みを唸らせる話。
お願いですから、これは一度、がっつり「本格ミステリ」を書いてください小路さん!
坪内逍遥はたびたび出てきますけど、中島河太郎・島田一男・高木彬光とか!
この作中作の梗概とか!すごいですよ!ミステリ脳がうずうずしてしまいましたよ(苦笑)

木島さんも情に厚くていい人なんですよね。堀田家や藤島さんからもちゃんと信頼されてるくらい。
人を見る目が備わってるのは職業柄だけじゃなくて、生来のものですよ。
この、お酒のむシーン、いいなあ。
そして何気に電話の向こうでしか登場しない藤島さんの存在感がでかい(笑)

亜美さん。紺さんとの出会い。
いいわーこの二人。このエピソード、大好きです!
紺さんより先に亜美さんが、紺さんに、堀田家に惚れたんだなあって分かるw
きっと、サチさんは大歓迎したでしょうね。自分と勘一さんの出会いに近い感じで。
そりゃあ、堀田家のみんなは長いこと、亜美さんの実家の脇坂家と断絶してたことをずっと気にしてたし、サチさんは生きてる間に脇坂家と和解できなかったことを残念に思ってたと思う。たぶん、サチさんが今も堀田家にとどまってたことの原因のひとつはそれだったんじゃないかな。

藤島さん。
ええとね、「脇キャラ選手権」でダントツに一位に輝いたふじしまんですが(笑)、「東亰バンドワゴン」と堀田家に魅了されたあの感覚は、わたし達読者とまったく同じだと思う。その意味で、一番わたし達に近い。
根がものすごい善人で、社長としても有能で、イケメンで、その上この古本を見る審美眼まで揃ってりゃねえ、勘一さんも認めないわけにはいかないというか。
一冊売って、感想文書いて持って来い、そしたらまた次の一冊売ってやるっていうのは、きっと勘一さんが藤島くんに会いたいからです。
古本業界のドンで知る人ぞ知る堀田家と、IT企業の若き社長でスケールのでっかい仕事をする人が組んだら、きっと日本を変えられる。

秋実さん。野良猫さんかあ(笑)
この人のエピソードは、きっといつか読めるはず。そのとき、我南人さんとのこの出会いを読者は感謝するんでしょうね。
彼女は、堀田家の太陽。
もしかしたらそれは、レギュラーシリーズのような連作短編というのじゃなくて、一冊分の長編になるのかも。そんな気がします。

青ちゃん。
一話目の紺さんのときに出てきた、幼い青ちゃん、やさぐれた青ちゃんが、こうして人との間に一線を引きつつも笑顔を大切にしているのは、この七話目までの間に流れてる時間、読者も感じ取れる時間の賜物。
堀田家のまわりには、本当にいい人が集まります。

研人くん、このニブチンめw
大ばあちゃんが視えるのに、なんで隣に居るメリーちゃんの好き好きオーラが見えないんだ!
この短編が「小説すばる」に掲載された当時、実はこのシリーズのファンであり、かつ有栖川ファンはおかしな盛り上がり方をしたんですよ。
校長先生の名前が、有栖川先生の火村シリーズ長編『乱鴉の島』に出てくるとあるキャラクタと同じ名前でして。
わたしら、校長先生を「ハッシー」と呼んでしまいました(笑)ごめんなさいごめんなさい。

真奈美ちゃんが漢前でw
啖呵がまた素敵♪
槙野さんの対するイメージとかそういうものに固執しないで、ただ藍子さんのためだけに。花陽ちゃんのことを思って。

コウさんも、よかった。本当に。
真奈美さんに惹かれていくのがよくわかりますよね。
コウさんの作った料理、食べてみたいなあ。

そして、安定のサチさん。
やっぱりこの語り口を聞くと(読むと、なんでしょうけど、なんとなく「聞く」の方がしっくりくる)ああ堀田家に帰ってきたなあ、と思う。
来年また、本編で、サチさんの語りで読めるのを楽しみにしていますね。

うわーん、長くなったー!

結論。

我南人さんは、千里眼。LOVEという千里眼で、みんなを幸せにする。
ありがとう。
堀田家と愉快な仲間たち、ありがとう。
また来年、帰ってきます。
約束します。
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