こんな本読みました。

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『小説乃湯 お風呂小説アンソロジー』 有栖川有栖/編 

2013/05/08(水) 16:39:56 アンソロジー THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
小説乃湯  お風呂小説アンソロジー (角川文庫)小説乃湯 お風呂小説アンソロジー (角川文庫)
(2013/03/23)
有栖川 有栖

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 やっぱり有栖川先生はアンソロジストとしてもすばらしいと思います。きっと、古今東西の幅広いジャンルの本をたくさんたくさん読んでこられて、それを記憶してらっしゃるからでしょうね。
 12編が収められたアンソロジー。少し長いのから、エッセイ風の短いものまで。江戸時代から現代まで。バラエティ豊かで楽しかった!
 初読の作家さんも多く、比較対象もほとんど知らないので、まあ印象深かったことだけ書くことにします。


いやーそれにしてものっけからというか、初っ端が江戸時代の戯作とはびっくりしましたよう!
学校の古文の授業で習ってたのは平安・鎌倉時代あたりのが多いから、逆に江戸時代に書かれたものって耳で聴くことはあっても文章を読むってあまりなかったような気がする。
奈良平安朝や鎌倉時代なんかの古典に比べれば、江戸時代は現代に近いからまあ、文法で四苦八苦することもなくなんとか読めますけどね、心の準備が…(苦笑)
でもまあ、今と違って自分ちにお風呂なんてなくて、サウナもなくて、大衆浴場が庶民にとっては娯楽に近かったような、そんな印象ですね。

で、その次に谷崎潤一郎の『柳湯の事件』が続きます、が。

江戸時代後期から明治にかけて、日本全体がぺろんと変わったのは分かってるんですけど、日本文学においてはいったい何がどうなったらここまで変わるんでしょうかっ。

巻末の「初出・所収一覧」を見ると、このふたつの作品の間はほぼ100年という……、日本の歴史の中ではたかだか100年ですよ明治から昭和の100年も経ってない頃でもこんなに差がないよ!ってくらい、はじめの二作品のギャップは凄まじい。
そりゃ明治維新だ文明開化だで日本社会そのものがひっくり返ったこと、その時流に見事に乗れた人と乗れなかった人がいても、誰も悪くない。近代化への日本人の淘汰みたいな感じだったでしょう。
そしてその新しい潮流の先端に居たのは、いま「文豪」と言われている人たちなんだなあ、と。
谷崎潤一郎、その次の梶井基次郎、~太宰治までの収録作を読んで、そんな風に感じました。

海野十三のSFミステリはやっぱり楽しいなあ♪まだ読めてないのもいっぱいあるので、こうしたアンソロジーに収録していただけると大変助かりますw

で、後半は一気に現代作家さんになるんですが。

わたし、読んだことない作家さんがひーふーみー…あうあう。

北村薫先生のはさすが。水底にたゆたうイメージとサラリーマンやOLの日常がほどよい距離感。

殿の原田マハさん、わたしまだ『楽園の~』すら読んでないという不束者なんですが、だからこのかたの作品はたぶん一作かそこらしか読んだ記憶がない、ような……でも人気があるのがわかるなあ、と思ったよ。感情移入しやすいというか、それでいて溺れるほどにはのめりこませないというか。
色彩豊かな文章って、それだけで武器になるなあ。

後半で一番好きなのは、清水義範さんの「秘湯中の秘湯」ですね。よくこんなネタ考え付くなあ!

作品の感想とは別に、有栖川先生が、梶井基次郎のこの作品をお風呂小説としてチョイスされたことに、なんというか有栖川先生らしいというかびっくりするというか……(苦笑)
あとがきに代えて、のところで有栖川先生が書かれていたのを読んで、梶井基次郎がどうかというより有栖川先生の読書量と幅広さを改めて思い知らされたような気がしましたよう☆

アンソロなので短編ばかりなのは当たり前ですが、「お風呂小説」という括りで言うなら長編でもいいですよね、わたしは以前ご紹介した黒川創さんの『明るい夜』を推します。
銭湯の、ゆるくまろやかな湯気と音、京言葉、肌の描写、……わたしにとっては、普通の京都のお風呂小説です。



わたしはこの文庫をお風呂で読みました。
おかげで本がシワシワのふよふよです。もう一冊買った方がいいなこりゃ。
でもやっぱり、湯船に浸かって読むことでその作品の醍醐味を体感できるものもあったし、お風呂読書がお勧めです、はい。
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