こんな本読みました。

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『0番目の事件簿』メフィスト編集部

2013/02/01(金) 19:22:21 アンソロジー THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
0番目の事件簿0番目の事件簿
(2012/11/29)
メフィスト編集部

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 やっと読了……遅いッ!すいませんでしたッ!
 メフィスト賞作家じゃない(というか新本格第一世代と言われ、メフィストはそのムーブメントから生まれたもので時系列が滅茶苦茶ですが)有栖川先生が巻頭、綾辻先生が殿というのがなんというか、未来のミステリ作家カモーン!な感じ100%ですよね(笑)
 で、わたしのことだから、有栖川先生と綾辻先生のくらいしか読まないでまた途中でほったらかしになるんだろうなあ、と思ってたんですが、あら意外、全部読んでました。いぇいv



とはいうものの。
わたしはやっぱり、有栖川先生と綾辻先生、それと法月先生のが読みやすかった。新本格第一世代バンザイですよ。

収録順だけでも書いておきますね。敬称略。

有栖川有栖
法月綸太郎
霧舎 巧
我孫子武丸
霞 流一
高田祟史
西澤保彦
初野 晴
村崎 友
汀こるもの
綾辻行人

いろんな世代の、いろんな作風の、すごいメンバーですよね。

で、一応、このすべての作家さんの作品を最低でも一作品は読んでます。一作品しか読んでない、という人もいますが…(モゴモゴ)

いやー、アマチュア時代、デビュー前の習作、とはいいますが、もうそれぞれに今の作風と変わらないなあ、と思いましたさ(笑)

ロジカルな有栖川先生と法月先生、バカミス炸裂してるあの先生やこの先生、SF設定あり、サイコサスペンスあり、綾辻先生のは後の館シリーズ『人形館』の原型ですよ。ほとんどそのまま商業作品にできるレベルのものを書ける大学生っていったい……(汗)

中には、苦手なタイプの作品もあったし、プロの作家としてデビューされてるのにわたしは一冊しか読んでないというのはやっぱり元々の作風がわたしの好みとはちょっと違うかってんな…と再確認したり。

さっき、いろんな世代の、と書きましたけど、そうなんですよ。
有栖川先生や法月先生は、エラリー・クイーンの影響をモロに受けたのがよくわかる、EQをお手本にしました!って感じで。
綾辻先生はいまとまったく遜色なくトリッキーに。
なんですけど。
有栖川先生が『蒼ざめた星』を書かれたのが1980年、法月先生が『殺人パントマイム』を書かれたのが1985年、綾辻先生の『遠すぎる風景』は1984年頃、西澤先生や霧舎先生、我孫子先生も80年代の執筆作品なのに対して。
初野さん、こるものさん、村崎さんの作品は90年代の執筆なんですよね。村崎さんが94年頃、初野さんは98年頃、こるものさんはもう99年、2000年代が目の前ですよ。
このお三方のはさすがに、先の先生方のとはぜんぜん違いますね、ミステリの裾野が広がっていろんなスタイルのものが受け入れられていった当時のミステリシーンの中から誕生したミステリ作家さん。
村崎さんのなんて、凝りに凝りまくってますしね!これを習作として書いてたのか!って。楽しかったでしょうねえ。

異色作は高田先生のですが。これはねえ、…なんとも言いようがなかったです(苦笑)。パロディなのはその通りなんですが、……いいのかこれシャーロッキアンが読んで怒らない…?はっはっはー。

欧米本格の黄金時代、EQやカーやクリスティとか、日本での新本格ブームの初期の頃にもあまり見られなかっただろうスタイルの作品が、今の時代なら「これも本格ミステリだよね」と普通に読んでる。
それだけ、日本のミステリ界はいろんな波を乗り越え、成熟して、読者のニーズもさまざまなら作家さんの作風もさまざまで好みに合ったものをいくらでも選べる時代になったんだなあと。

2010年を過ぎた現在も、いろんなミステリの文学賞で、期待の新人作家さんがデビューしてますが。
アマチュア時代にはたぶん、この本に収録されているものよりも、商業作品に近いくらいには洗練されたミステリを書いてきたんじゃないかと思います。
それくらい、現在の日本の本格ミステリ界は成熟、というか多種多様なミステリが読める。

そのブームを牽引し、護り育て、本が売れない時代と言われても火を絶やさないように書き続けてこられた綾辻先生や有栖川先生たち、新本格第一世代の先生方のご努力とご助力が、こうして今の百花繚乱を支えていることを、改めて凄いなと思いました。
ミステリを読まない人でも名前は知ってるという超メジャーな作家さんばかり注目されるそのすぐ横で、こうして、ガチガチのミステリ好きをほくほくと喜ばせてくれるコアな本格ミステリの書き手さんが誕生していることは、日本のミステリ界の幸いですね。

それぞれの作品に添えられた先生方のエッセイも楽しいし、このかなり変わった企画本は大当たりだと思います。
羞恥プレイに悶えた先生方には申し訳ないんですが、企画としても面白かったですよ。



(2012.11 講談社)
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