こんな本読みました。

読んで感じて書き出して、そして忘れていく。備忘録ブログ。

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『コンビニたそがれ堂 空の童話』 村山早紀 著 

2013/02/01(金) 19:05:59 村山早紀 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
コンビニたそがれ堂 空の童話 (ポプラ文庫ピュアフル)コンビニたそがれ堂 空の童話 (ポプラ文庫ピュアフル)
(2013/01/04)
村山 早紀

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 ほっこりwww一気読みして、いま、心があったかいです。
 スケールのでっかい、背筋がしゃんとする物語。俯いてたら星々の輝きが見えない。青空も一面雲に覆われた鈍色の空も雪が舞い落ちる空も、風や稲妻が踊る空も。
 空は繋がっていて、本は人から人へ手渡されていく。そのあたたかさを。しみじみと感じました。
 (このあとの感想文は、なるべく読了後にお付き合いください)
 




〈空の童話〉という一冊の児童文学書が全編を貫く一冊。

漫画家(創作者)、編集者、書店員という、“本”に深く携わり、なくてはならない存在の三者ごとの物語。

本というものが好きで、本に救われたことのあるひとならきっと宝物になるはず。まさにこの作品が読者ひとりひとりにとっての、美しい装丁で函に入った『空の童話』になるでしょうね。

そしてわたしには、シリーズのなかで最も、……実は思ってたほど号泣しなかった物語でした……たぶん、泣くより先に心があたたまってしまって、笑顔にしかならなかったんです。
壮大なSFであり、子どもの心を映し出すそれぞれの夢を見る、境界線のあっちとこっちを繋ぐたそがれ堂の絶対の安心感もあいまって、狐の神様が出てきたときには拍手しようかと思いましたよw

きっと、書店員さんや創作活動をされている読み手さんの方が、泣けるかも。全体を「本」が埋め尽くしているような気になるほど、「本」というものに対する愛情が溢れているんです。それに圧倒されました。

特に印象に残ったことがあって。
本がテーマですから、キャラクタたちはどんな状況であれ本を貪るように読んでます。
その、本を「読むもの」という一節にも満たない表現が、わたしのなかで「(水を)飲むもの」とまったく同じ音に、同じ意味の描写に思えてもうそれが当然のように思えて意識から離れませんでした。
本好きというか早い話が活字中毒者は、(わたしが知ってるあるひとは、電話帳でさえ読み物になるほどだそうです)、生きるために読む。息をするように本を読む。
生きるために欠かせない水を飲み干すように本を読む、そういうことなのかな、と。

わたしが一番好きなのは、一話目の【追いつけない】かなあ。
まず、このタイトルがシリーズとしては珍しいんじゃないでしょうか。「追いつけない」って。
兄弟のコンプレックス、出来すぎのきょうだいを持つことがどれだけ複雑か、これだけは勝てると思い追いつき追い越せたと思い実はなにひとつ敵わないんだと知ったときにやさぐれないだけの心の柔らかさと深みを身につけているか?とシミュレーションしてみる。……ぜったい無理だわたし(苦笑)
懐かしいあのキャラメルの、キャッチコピーがこういう形で使われるとは!

【おやゆび姫】もいいお話。
織子さんがよっぱらってたそがれ堂に迷い込んだエピソード、時系列、わざとぼかしてありますよね、先生?
おやゆび姫のために、ドレスからベッドから豆本から食べ物まですべてを手作りできる織子さんすごい!
合計五匹の仔猫を拾った織子さんと五所川原さん、猫飼いとしてはこれほど応援したくなるキャラはいません(笑)お二人ともありがとうありがとう☆
織子さんと五所川原さんの物々交換というかわらしべ長者の話の先は、またいつかどこかで出てくるんでしょうね。
児童書というものに対する作家さんや編集者さんの、びくとも揺るがない熱意と矜持に圧倒されると同時に、おやゆび姫という存在はマスコットであり読者モニターのような感じなのかな、と思いました。

【空の童話】これはもうSF!新井素子さんばりにSF!ガ/ン/ダ/ム/世界のような感じもする!(←実はよく知らない)
わたしの知らないどこかで日々、世界を守るために戦うヒーローがいて、神様が空を舞う、そんなことが本当にあるかもしれないねえ、と美味しい紅茶やコーヒーを飲みながら平和に笑いあう。
地球の文明を壊さず飲み込まず見守ってくれている異星人が実際にいるかもしれないね、と空を見上げて呟く。
ヒーローの邪魔をしないように、異星人さんの妨げにならないように、わたしにできることは何だろう?未来はもっと明るくあたたかく優しい世界と宇宙であるように☆
地球人だけでなく正義の味方も異星人さんまでもが常連の本屋さん。スミスさんの息子さんが地球にやってくる頃には、宇宙のなかの一惑星の一大ターミナルになってる気がする♪
ここにも、風早の別の物語のキャラクタのことがちらりと出てきますw
というか、たそがれ堂の伝説はもちろん、かもめ亭から海馬亭から竜宮ホテルから花咲家のことまで、みんな出てくるwww
わたし、風早のそれぞれのシリーズは、ホログラムのようなイメージだったんですけどね。それぞれが独立しながら重なり合って〈風早の街〉を構築しているような。あ、違う、わかった!ピタゴラスイッチ!あんな感じでしたけど。
でも陸続き、じゃないか、一続きだった(笑)、てことは魔法の種類かな。

エピローグはさすがに泣きました……老猫やワンコまで桜の枝を……(涙)

後悔って、死んでしまったひとじゃなくて、生きてるひとしかできないと思うんです。まあ、亡くなっても未練や後悔がたっぷりあって成仏できない死者もいるのかもですが…。
大切なひとを見送って、それでも残された側は生き続けないといけない。いつか自分が旅立つ日まで。
ショックは時間が癒してくれるけど、後悔って消えないのよね……。
せめて、赦されたい。直接謝れなくても、夢でいいから赦されたい。
誰に?
喧嘩別れした相手か、素直になれなかった親兄弟か、それとも神様に?
神様って、人間の良心じゃないかと思うんです。
言って後悔することも、言わなくて後悔することも、してあげられなかったという後悔も、なにもかも自分の良心と自分の器量の範囲内のことではないかと。
どのみちを選択しても、自分が後悔しないように。それが自分で責任をもつということ、ですよね?
子どもたちはそれを本から学ぶ。
大人たちは何度も失敗しながら人から学ぶ。

生き続けることは、学び続けること。

頑張るしかないよね。

いつか、宇宙旅行ができる時代には、死の概念も変わっているでしょう。
死、ではなく、旅立ちと。宗教を超えて言えるその日まで。
自分に恥じないように。
がんばろうね。


(2013.1 ポプラ文庫ピュアフル)
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