こんな本読みました。

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『日本ミステリーの一世紀 上巻』長谷部史親・縄田一男/編 

2012/09/26(水) 14:47:21 アンソロジー THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 ……書いてもいいよね、これはブクオフでたまたま見つけて買いました。それもセールで、定価2500円のところ、450円(苦笑)
 平成7年初版なんですが、もう絶版っぽくて、アマゾンだと中古でしかないみたい。
 掌編から短編までを集めたものですが、メンバーがすごい。ていうか濃い(笑)
 好きなかたにしかオススメできない本です(おい)





黒岩涙香に始まり、総勢23人の作品集。
もう一作ごとの感想とか、字数の関係でもわたしのボキャ&キャパ的な意味でも、書けない(笑)
第一、新刊書店でもたぶん見かけない本、興味を持っていただけたとしても、図書館にあればラッキーな感じなのでなんともかんとも…。

とりあえず、作家名だけ。ラインナップをあげておきます。

黒岩涙香、岡本綺堂、松本 泰、谷 譲次、小酒井不木、平林初之輔、江戸川乱歩、夢野久作、妹尾アキ夫、渡辺啓助、水谷 準、渡辺 温、小栗虫太郎、海野十三、木々高太郎、横溝正史、蘭郁二郎、久生十蘭、日影丈吉、高木彬光、山田風太郎、香山 滋、城 昌幸

…………凄いですよね、このメンバー。渡辺温なんて名前まであって、びっくりしたよわたし。
ブクオフでこれ見つけて、目次見て即購入決定したですよ。

ミステリ好きの常識として名前だけは知ってるもののまだ読んだことない、という人たちがワンサカ(苦笑)
木々高太郎作品も初めてで、収録作『網膜脈視症』はかなり面白かったというかこういうのは好きですねえw

んで、高木彬光だ横溝正史だ小栗虫太郎だ夢野久作だ、たいていの本好きなら知ってる作家の作品より、わたしは平林初之輔の『予審調書』が一番好き!もっともこの作品は論創社の傑作選で読んでたので今回再読です。
うん、なんていうか、現代のミステリに一番近い感じ。田舎の情景や狭い範囲でうごめく人間関係や戦争の影やなんかが一切なくて、ただ取り調べのシーンのみ。その中で登場人物と一緒に巧く読み手も追い詰められて、ヒンヤリ冷たい空気がいたたまれない。でもたぶん、この本の中では唯一明るいラストシーンです。傑作選で読んだときから好きだったわコレ。

パーシヴァル・ワイルドの『検死審問』『検死審問ふたたび』が大好きな人ならコレはオススメ。←わたしがそうなんです、はい。

あ、山風の『赤い靴』も、つい最近『ミステリ・ジョッキー3』で読みましたね!これも傑作☆

にしても。
この分厚い短編集、作家先生方が自分達で作品を持ち寄ったわけじゃないので(当たり前だ)、編者の意向というか、意識的なのか無意識だったのか……とにかく、やたらと出てくるんです。

「義眼」

明治・大正生まれの人には、義眼って審美眼にかなうものだったのか、戦前のトレンドだったのかなあ。
今じゃオーベルシュタインとか(おいおい)
義眼が出てくる作品を意図的に集めたのかと一瞬勘ぐった☆
海野作品は例外ですけどもね(苦笑)

で、その海野作品の帆村探偵以外、横溝作品に金田一さんが出てくることも高木作品に神津恭介さんが出てくることもなく山風作品の茨木歓喜さんも出てこない、とにかくシリーズ探偵が出てこないので、ロジックやトリックによる推理小説ではなくて、むしろ推理小説の範疇には入らない(だろう)作品が多いんですけど。
トップバッターの黒岩涙香の『無惨』、やっぱり、涙香が日本のミステリーの歴史の最初に登場するのもうなずけますねえ、うん。涙香の熱心な読者だったという江戸川乱歩の『二銭銅貨』とはまた違った意味で。ポーがミステリー小説の始祖で、エミール・ガボリオの『ルルージュ事件』が「世界最初のミステリ」と言われているように。

あと、医学とミステリーの親和性。両方とも、命を見ているからかな。

古い文体や、古い言い回し、読みにくい人もいるでしょうけど(特に黒岩涙香のなんて、すごいよーw)、現代の本格ミステリ、新本格、その前の本格冬の時代、社会派推理小説に駆逐されたミステリー小説……時代を遡った先には、こういう作品がミステリーとして読まれていたんだなあ、と感慨深かったです。

さてさて。
ここで問題です。
コレの『下巻』はどこに売ってますか…………?
たまたまブクオフで見つけただけの巡り合せでしかも絶版らしいので、上下巻のコンプがたいへん難しいというお約束。とほほ。
いつか巡り合えますようにーーー☆☆☆

追記。
ふと気が付いて図書館で蔵書検索してみたら、ありました。『中巻』と『下巻』……中巻て!全三巻だったかあ!
とりあえず、予約しました。(最寄の図書館には無かったので、有るところから持ってきてもらいます)


(廣済堂)
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