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『中村雅楽探偵全集1 團十郎切腹事件』 戸板康二 著 

2012/06/27(水) 08:46:05 戸板康二 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 ヒャッハー!面白かったー!
 『名探偵ベスト101』でぱらりと見た記憶があっただけで、実は予備知識も何もなく、たまたま目にとまったので買った文庫だったんですけど。アタリだったよ嬉しいよ♪
 オススメ☆


名探偵です、中村雅楽さん。
推理することを楽しんでる、趣味人としての名探偵。
梨園の老優で、人格者でもあって。
で、ワトソン役にあたる、記者の竹野さんとも深い信頼関係があるし、とにかく安心して読めます。探偵が犯人かー?とかワトソン役が手のひら返しするのかー?とか、そんな捻くれた読み方する必要一切なし。
古典にふさわしい、抜群の安定感。

ということは、現代の最先端の、最新鋭機器のような鋭さや破壊力をミステリに望む人には、じれったいかもね。

でも、本当にいいのよー、こういう古風なミステリって。品が良くて。

全集なので分厚いですが、短編集だから一編一編はそれほど気負わなくても大丈夫。わたしの読みペースで一編30分でした(お風呂読書にしてたから。30分湯船に浸かって一編を読んでたから間違いないです)。

歌舞伎の世界のこと、その裏側のこと、雅楽さんの人徳と好奇心で楽しめる、綺麗な謎解き。
これまでの版のすべての解説が所収させていて、同業の作家さんや書評家さんからどれだけ愛されたシリーズなのか、よく伝わってきます。作者自身による、一編ずつの創作ノートがまた面白い♪どこでこのネタを思いついた、とか。
直木賞と推協賞を受賞しているというのも、ミステリと小説が綺麗に融合している「読ませる探偵小説」の証拠ですよね。

わたしは「車引殺人事件」と「立女形失踪事件」、「盲女殺人事件」が好きかな。表題作も良かったけど、好みとしては(←つくづくN木賞とは合わないタイプ)。

こういう、いぶし銀というか、こっくりと丁寧な文章と展開で読ませてくれるミステリは、好きなんです。
解説の言葉を借りれば、「噛みしめるとおいしい味のにじみ出すような文章」。

(余談ですが、講談社文庫版解説の小泉喜美子さん、著作『弁護側の証人』では漢字から平仮名にひらかれた文章に四苦八苦したんですが、この解説は普通。いったい…)

鮎川作品や、江戸川乱歩や横溝正史、ああいう戦前~戦後の探偵小説・推理小説って、キャラクタに時間制限設定があったとしても、作者の筆が焦らないんですよ。
現代のスピーディな展開なのももちろんよろしいんですけど、こういう「じっくり焦らないで推理する」ミステリって、いまの若い作家さんには逆に難しいんではないのかな。
欧米のミステリにも歴史があるように、日本の探偵小説にもしっかりとした歴史があるんですから。
タイムサスペンスのスリル感を持って読ませるのではなく、腰を据えた推理でじっくり、こっくり、みっちり詰まった時間と情の狭間で読み進めるミステリ。
特殊能力設定やら異世界設定、バトルロワイヤルの刺激に頼らない、古風なミステリを書ける若いミステリ作家さんって、どなたでしょう?


(創元推理文庫)
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