こんな本読みました。

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『黄金旋律 旅立ちの荒野』 村山早紀 著 

2012/06/27(水) 00:12:10 村山早紀 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 かつくらの村山先生ロングインタビューで、全著作の紹介を読んでて、シェーラひめもルルーもまだ読んでないけどとにかく一番にコレが読みたい!と思った作品です。
 かなりシリアスなんですが、読み終えたいま、わたしの本棚の、村山先生の御本の棚に宝物が一冊増えました♪






無垢 無邪気 綺麗な残酷

アルト 年老いた猫の慈愛

追い詰められる人と追い詰める人 どっちもそれに気付かない

黄金は綺麗なぶん、重い

自殺願望と破壊衝動

過去に生きる
現在を見ない

徹底的な破壊と再生

SFは希望に変わる

ひまわりさんが村山先生のようなw

泣いて笑って食べる生きる

病院も、臨くんも、ひまわりさんもテディも、ホログラムもデータやメモリも、小説も寓話も伝説も、タイムカプセル

アルファ アルトに臨くんを託された

ソウタの優しいつよさは人間のものか人外のものか

黄金旋律 生まれ変わりかメビウスの輪か 


…とまあ、読んでる合間にこういう言葉がぽこぽこ浮かんできたので、書き並べてみたわけですが。

たそがれ堂やかもめ亭や海馬亭通信のようにひたすら柔らかくあたたかい物語の紡ぎ手としての村山先生の作品しか知らなければ、この『黄金旋律』はかなりシリアスで硬質な物語です。
現にわたしも、前半の臨くんの家族についてのところは、読んでてつらかったし痛かった…(涙)
過去の中にしか生きていない人って、なんで作り笑いしかしないんでしょうね…もっと怒っていいのに。
お母さんのカタストロフのシーンは、本当に胸がえぐられるようでした…臨くんと一緒にわたしの手まで切り裂かれたような…。
本当、後悔先に立たず、とはよく言ったもんです。
臨くんの両親は、結局、息子ふたりともを成人するまで育てられなかった後悔の中で、年老いていったんでしょう。想像するだに辛いです。

その分、臨くんの目覚めと旅立ちは、希望に包まれていてずっとどこまでも一緒に旅していたくなる。
見送る側ではなくて、一緒に旅をしたくなる。そんな気持ち。

人は弱くて、本当に心も肉体も弱くて、知恵を絞りモノを作り進化させていくくらいしか、武器がない。
それを科学と呼んでも魔法と呼んでも同じ。
ただ、使い方を間違えたらとんでもないことになる、という、わたし達のこの能力は、神様が気紛れなのか分かってて与えたのか、そんな諸刃の剣。
科学も魔法も、エネルギー源は、人の心。だから、人間が存在する限り、尽きることは無い。

生まれるのは単純でも、その生命を維持し続けることがどれだけ複雑なシステムの上にあるのか。
それなのに、人は、人を求めていないと精神が死んでしまう、面倒な生き物。
宇宙創成の神様(便宜上の呼び方ですよもちろん)って、よっぽどヒマだったんだろうか…。

でも、地球が、自然災害も天変地異もない、ひたすら安穏な星であれば、人間は必要ないんでしょうね。
どれだけ世界が破壊されても、文明が退化したとしても、それでも地球が生命のゆりかごであるのなら、どん底から這い上がる存在がなければ星そのものが死んでしまう。

わたし達人間の本質は、救いがたいまでに楽観的で、諦めが悪くて、試練に強いんですねきっと。
そして、そんな人間を知るわずかな動物達だけが、人間とともに生命の旅をしてくれる。猫や山羊や、きっと頼めば犬も牛も馬もロバもラクダも。
それから、ウサギも。
優くんは、臨くんの分も合わせて二人分の人生を生き切るほどに強かった。
それは、きっと無理をしない心と美しいものを見る力。

今度は臨くんが、荒野で、優くんの分まで二人分、無理をしない柔らかい心と美しいものを見つめる眼を大事にして、自由な人生を。

無知で弱い人間は、不安を共有できる人達と群れて強くなった気でいるけど、弱い群れはどうしたって弱い。
賢くてつよいひとは、群れなくてもただそこにいるだけで、友達ができる。

もうひとつ、子どもは大人より逞しい。わたし達が大人ぶっているのは、経験と知識をまとっているだけで、心をむき出しにしてみたらきっと、わたし達は子どもには勝てない。

絶望まで、見渡す限りの荒野にまで世界を破壊しなくても、子どものようにシンプルに、見ようと思えば綺麗なものを見られるし、知ろうとすれば強いものや美しいものと一緒に生きていける。

はるか昔、優くんが臨くんに読ませたかったファンタジー小説《黄金旋律》は、臨くんの旅立ちと同じように、新たな旅の始まりでエンドマークがついていたのだと思います。

ひまわりさんが、市民病院のコンピュータを「鉄筋コンクリート造りなだけに、ちょっとその四角四面というか、頭がかたいというか…」に笑いました。いくらひまわりさんが人間くさいといってもさー、市民病院さんもひまわりさんに言われたくはないよねえ(苦笑)

あと、アルファが、気が狂いそうなほどに人間のあたたかさと優しい手を求め、名前を呼んでもらうことを渇望していたか、のくだりで涙腺決壊しました…あれはあかん……(滂沱)
旅の道中、ソウタくんと、臨くんの取り合いをして喧嘩友達になっていくんでしょうね☆そしてたぶん、純度100%人間の臨くんより、ソウタくんの事の方が、本質的なところを理解できるんだと思う。
で、喧嘩しつつもなんだかんだで仲の良いアルファとソウタくんのことを見て、臨くんはずっとタイムトラベラーというか異邦人な自分を思い知らされながら、優くんの面影とともに生きていくんでしょうね。

この物語の続きを読みたいような、そっと本を置いて心の中で応援するに留めたいような、とにかく良い物語でした。


(2008 角川書店)
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