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『裏返しの男』フレッド・ヴァルガス 著

2012/03/14(水) 18:27:27 フレッド・ヴァルガス THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
『青チョークの男』に続く、アダムスベルグシリーズの第二弾!待ってましたーー!そのわりに読むのが遅くてごめんなさーい!(苦笑)
 いや実はこれにはわけが…。
 またしても著者名省きやがったアマゾン…!自分で入れましたよ。アマゾンの翻訳ものの基準はどーなってんだ。
 (※ババーン!とネタばらしすることはないですが、ところどころになんとなく真相に触れているようないないような感じの部分があります。先入観をもちたくないというかたは、ここで回れ右して、この作品を読了後に改めてお付き合いくださいませ)
 




ええとですね、何度も言いますが(書きますが)、わたしはミステリに恋愛要素が盛り込まれるととたんに読む気がなくなります。
それも、探偵役のキャラに絡んできたらもう集中できません。
つまり、ええそういうことです。
アダムスベルグ署長とね、むにゃむにゃ…。

ただ、それを我慢して読み進めたらまあアナタ!
この恋愛要素が真相解明に見事にいかされているじゃあーりませんか☆
さすが、フレンチミステリは一味違う。

狼の恐怖が拡散されていく過程で、だんだん嘘くさくなっていくのも、たぶん著者のヴァルガス女王様は隠してないよね。
入れ替わりにクローズアップされてくるのが、信仰心。
神様にしろ、家族にしろ、女性への憧れにしろ。
何かを信じ、その気持ちにのっとって行動することはブレないんですけど、アダムスベルグがそれを踏まえて「ブレ」を感知しようとして考えを巡らせるのは、そうと知らなければじれったいでしょうねえ。
ただでさえ、掴みどころの無い人なんですもんアダムスベルグさん。
きっとサブリナちゃんも、だんだん分からなくなってきてたんでしょうね…。
サブリナちゃんとの対峙のシーン、なんか心があたたかくなってきたのはわたしだけかな。仇敵のはずのアダムスベルグ署長に、自分を思い遣る何かを感じ取ってたような気がする。めっちゃ怖い娘さんやけどね(苦笑)

『青チョークの男』でもそうでしたけど、この『裏返しの男』にも、アダムスベルグ署長とは別に、物語の核になるキャラクタがいます。
今回は、ハリバン爺ちゃんだったw
いいわーこの爺ちゃんwww中世の騎士かと(笑)
カミーユへの気遣いとシュザンヌへの忠誠心。まだ若くて世間知らずなソリマンに対する導き。
そしてアダムスベルグさんへの洞察。連帯感。フッと心の手綱を緩めてお酒飲みながら語りあう、渋い署長と仙人みたいな爺ちゃんとwええシーンやったわー♪

真犯人の正体と動機と、準備段階のことが明るみになってからのことになるけど。
この真犯人の過去からのアレソレが、現在の社会情勢や関係者の現状を無視した時間の止まり方とかが、なんとなくジャック・カーリイのシリーズを連想したんですよね…。

被害者の繋がりを探すうちに浮上した過去の事件のデータが出揃った時点で、真犯人の名前は予想できるし、たぶんコイツが犯人だろうとも思うんですけど、なんとなく唐突感は否めないかな、わたしだけかな。
アダムスベルグ署長は主人公格なのでいいとしても、登場人物の名前とおおまかな年恰好しか書き込まれていないというのがキモだったのね。
過去の事件との時系列が把握しづらくて、ちょっと考えましたね…。

真犯人の条件というか、事件を、カミーユやアダムスベルグさんたち警察を、動かすきっかけになったひとつひとつを挙げていくラストの詰めは、前作同様に迫力あった。
カミーユのことになると理性も立場も吹っ飛ぶ署長がいじらしいw(チンピラ風情に絡まれたとき、ハリバン爺さんの騎士道とは逆に感情むき出しだったよ)
そして、ソリマンうざい…(爆)じゃなくて青い。黒人なんだけど。若くて世間ズレしてないってのは、真っ直ぐすぎてちょっと重い、でもアダムスベルグさんは彼をちゃんと認めてたという優しいラストでした。

前半で、ローレンスの女性観をカミーユがモロノーグしてたけど、これには笑ったなあ。付箋貼りましたよ(笑)
「ローレンスは女性を過大評価している。~(中略)~女性はほとんど物質を超えた崇高非凡な存在でなければならず、実際的なものであってはならない。」(54ページ)…ってアンタ女性だって人間ですよ欲も煩悩もプライドだってあるんだよ!
こういう一面からして、アダムスベルグさんとは正反対ですねえ。ソルの青臭さとも違う、ヘビー級の重さ。わたしゃヤですよこんな頭がお花畑な男。ぶつぶつ。

目の覚めるようなどんでん返しではないものの、破綻なく綺麗にまとまっていて、置き去りにされた伏線もなくて、アダムスベルグさんは変わらずに超感覚の人で、ヴァルガスミステリのファンはもちろん、ちょっと変わった、それでいてかっちりした本格ミステリを読みたいなーというとき、このシリーズは何度読んでも楽しめると思います。たまに再読すると楽しいよーwww


(2012. 創元推理文庫)
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