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『くらのかみ』 小野不由美 著

2012/02/07(火) 17:30:15 小野不由美 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 今頃読みました面目ない…。
 評判は知ってたし、いつか読もうと思ってたんですけどついつい後回しに…(汗)
 はー面白かったあ♪
 子ども向けなんですが、大人でも十分に愉しめる、素晴らしい本格ミステリでした!



子ども向け、ということを意識してか、血生臭い殺人事件はおこりませんが、一つ間違えば命取りだったよーという危険なシーンは出てきます。
また、子どもが好きそうな真偽の分からない怪談や迷信・言い伝えなどが軸になってて、その不気味さというか不安になるレベルもいい感じで。
ほどほどに怖い、見えるものと見えないもの。
見えるはずのないものが見えていて、よく知っていると思ってた人間のことがよく分からない…。

その中から、子ども達は自分が本当に大切に思うもの、家族のことを子どもなりに考え守りある結論に達します。

居るはずの無い子どもは誰か?という謎と、
毒草を御膳にのせたり危険な場所に導いたりした悪意の持ち主は誰か?という謎。
ふたつのフーダニット(いや一方は座敷童子なんで「フーダニット」という言葉はちと語弊があるかもですが)を絡ませて、それをひとつに収束させていくまで。
想定読者である子ども達を置いてけぼりにしたり急かしたりしないよう、ところどころに屋敷の見取り図や時系列を添えて、丁寧に物語は進みます。
それでいて、大人もちゃんと楽しめる。
子ども達と一緒になって、考えてみたりハラハラしたり。

梨花ちゃんの、大人の呼び方のセンスは最初おいおいと突っ込むんですけど、読みすすめていくにつれて、慣れたというかそれでいいというか、確かにこの方が分かりやすいわ!と子どもらしい知恵と無邪気さを表現してあるのかーと感心してたら。
いやーそれが真相が分かってみると見事に利いててびっくりした!
ここまで計算して書かれたのか小野さん!と思いましたよ。

大人に対する子ども達の視線が、イマドキで痛い痛いなんですけど…。
やっぱり、自分の親は信じるものです。
それを意識して再読してみると、……確かに「いないはずの子」は、親に対してもお金に対する話題にしても他の子たちより口数が少ないというか(苦笑)でも再読してようやく気付くレベルですよ、そんなに不自然とは思わなかったもん。絶妙なバランスです。
正体を現した座敷童子が、追い縋る子ども達の前からすぅっと消えていくその描写が、日本昔話っぽくてアニメっぽくて、たぶん子どもは読んでてぞわぞわするんじゃないかな。

ミステリクラスタとして、子ども達がここまでアリバイ崩しに取り組む様子は、さじ加減が難しかっただろうなあと想像するんですが。
一番年上ということと、仕切りたいタイプの姉御肌というポジションの梨花ちゃん。
学校の成績も良くて塾にも通ってて理性的論理的にものを考える禅くん。
一応の主人公であり一番普通っぽくてノートに時系列を書き続ける役割を振られた耕介くん。
……あれ、もしかして、耕介くん(語り手)も、=座敷童子って可能性があるのかー…とか、ひねくれたミステリも結構読んでるもんだからスレた深読みしちゃったよおばちゃん(苦笑)
ミステリーランドでそんなブラックな作品って無…いやあるわアレとかアレとか(苦笑)
ま、そんなわけで、ネタばらし気味ですがここはジュヴナイルミステリということでひとつ。
えーと話が逸れた。
つまり、無理矢理とってつけたように出来すぎの推理を子ども達がするという感じではないです。
ただギリギリだろうとは思う。
どんだけ頭脳優秀なんだよコイツら!って、子どものわたしならツッこんだかも…。
でも丁寧に読んでいけば、無理なくついてはこられると思います。はい。
アリバイトリックというほど大袈裟じゃないけどまあアリバイ崩しに頑張ってるし、毒草入りの料理を食べた人食べなかった人お腹壊した人と免れた人…その条件付けと、危険な場所に誘導するやり方と動機も合わせると、ロジックが綺麗に決まってて、犯人を特定するのに見事な消去法を見せてくれます。
ミステリクラスタさんたちの、絶賛の評はコレでしょうね。

田舎の広い屋敷、それも曰く因縁のある薄暗いお屋敷の中で、親戚の大人達やいとこたちと過ごす、わくわくどきどきする感じと、犯人探し・座敷童子探しで推理し駆け回る子どもらしい軽やかさと。

子ども達はどんな気持ちで、このホラー風味の本格ミステリを読んでくれるだろう。
有栖川先生の『虹果て村』も同じくですが、こういう良質のジュヴナイルミステリで、本格ミステリの楽しさを知ってくれると嬉しいな。
大人の読者にも、大切なことを心に突きつけられる、それでいてノスタルジックな物語とロジカルな謎解きを存分に堪能できる、レベルの高い本格ミステリでございました。
いいもの読んだーwww



(講談社ミステリーランド)
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