こんな本読みました。

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『ブラッド・ブラザー』ジャック・カーリイ 著

2012/01/11(水) 15:57:58 ジャック・カーリイ THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 くはーーーっ!堪能したーーーwww
 (昨年)9月に買ってましたよええ有栖川先生の『まよたん』と一緒に買ったんですよちゃんと覚えてます。
 傑作だ傑作だとあまりに評判がいいので、もったいなくて寝かせてたんですよ。今年のリスト〆になる昨日11/30、とうとう読んでしまいましたよ。
 あああ面白いったら!
 ただし。サイコな描写の苦手なかたにはおすすめしません。いやわたしは別にサイコが好きなわけではなくて、そういう描写の必要性がわかるこのシリーズだから読めるんです。そのはずです。   たぶん。






んーとね……ネタばらししたくない、となると、書けることがほとんどないという(笑)

前作『毒蛇の園』で、ジェレミー氏は、カーソンのモノローグの中の、ほんの一行、名前しか出てこなかったあの淋しさ。
その反動か、この新作では、ジェレミーさんもう大暴れです(爆)

でね、解説にもあるんですけど、一読だけではもったいない。二度三度と読んで、伏線の仕込み方やら書き分けの巧さに舌を巻きたいのですよ。マゾかも(笑)
いやーもうジェレミーお兄様ったら!
カーソンくんだけじゃなく、読者みんながきっと、お兄様にしてやられましたわよwww
最後の数行で、その仕掛けが読者にも呈示されるんですけどね、あの衝撃はもう!
いったいどこから!?
ていうかもう最初からですよね。

このカタルシスというかサプライズというか、そういう気持ちを味わえるのは本格ミステリだけの特権だと思いますよ。なんという解放感、爽快感。

海外ではミステリというとサスペンスやらハードボイルドやら警察小説にノワール小説がほとんどの今、こうして日本のファンが泣いて喜ぶ本格モノを書いてくれる海外作家さんはマジで貴重。

解説でも、読書メーターやTwitterでも、ジェフリー・ディーヴァーと比較されてますね。
わたし実は、ディーヴァー作品は未読。だからどう比較されるのかよく分からないんですが。
別に誰と比較しなくても、ジャック・カーリイのリーダビリティとか衝撃の真相とか伏線の仕込み方の上手さとか登場人物の壊れ方とか、そういう本格ミステリに必要なものすべてを備えてると思いますよ。

ただし。
カーリイの独特のクセというか、スプラッタな描写も含めて、例えばクリスティ至上主義のミステリ読みさんとか、カーのトリックが一番だと思うかたには、評価はそれほどでもないかもしれない。
もちろん、どれから読んでもいいんですけど、カーリイのこのシリーズは、第一作目の『百番目の男』から次の『デス・コレクターズ』、『毒蛇の園』そして本作と、順番に読んでいったほうがより愉しめると思うんですよね。カーソンとハリーのコンビネーション、カーソンの女性関係、そしてジェレミーお兄様とカーソンの絆。そういうものは、順を追って醸成されていっているから。
そこが、どれから読んでも一様に高水準のクリスティやカーの作品とは違うと思います。

また、アメリカ人のカーリイですが、アメリカのミステリといえばエラリー・クイーンとかすっ飛ばしたけどヴァン・ダインとかいう英米ミステリ黄金期の大巨匠がゴロゴロいるけど、彼らとも手触りが違う。
やっぱりアメリカ人だけあって、本格モノが衰退して後の主流になったハードボイルドの影響がそこかしこにあるんです。
パズラーとかいうと100%そうともいえず、トリックを駆使して読者をくらくらさせるものでもなく、人間描写で読ませる作風でもなく。
どんな真相で読者を驚かせてくれるんだろう!わくわくwww
わたしはいつも、カーリイの作品はそんな気持ちで読み始めます。
カーリイのミステリ、というのがいいんじゃないかな。

相変わらず、刑事も関係者(容疑者)も壊れまくってるし、遠く離れててもハリーとカーソンはいい相棒だし、カーソンはなんでこんなに女性関係がハデなのか一度懇懇と説教したいくらいよくおモテになるし(笑)

ネタばらしスレスレですが、ジェレミーお兄様だと思わせておいて実は…という、二重になってる書き分けもね。
あああもう悔しいったらwww←喜んでる


ロジックを積み重ねるのに必要な物証とかアリバイとか、そういうものがなくても、レギュラーキャラの多くが突き抜けた奇人変人ばっかりでサイコてんこ盛りで、それでこれだけ愉しめる本格ミステリがあるなんて、といつも思います。
特に今回は解説にある「逆ピラミッド」、まず結末を設定してから遡ってプロットを練ったような、本当にそれがよくわかる、上質の本格モノでした。

こうなると早く次回作が読みたくて読みたくて!

ハヤカワのように、海外ミステリを単行本で出すと、固定ファンしか買わない気もするけど、こうして最初から文庫で出してくれれば、手に取りやすいし。
カーリイ作品未読のかた、もったいないですよー!ぜひ、第一作目の『百番目の男』で腰抜かして(笑)隅々にまで張り巡らされた伏線に驚嘆してそしてハマってくださいましwww



(2011.9 文春文庫)
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