こんな本読みました。

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『ブランケット・キャッツ』重松 清 著

2008/09/03(水) 17:39:50 重松 清 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 ミステリじゃありません。かと言って、ねこが主役のアニマルストーリーでもないです。
 asahi.comで連載されていた7編が、一冊になったものです。
 トリックなんてないのでネタバレというものではありませんが、今、手元にあって「これから読むところなんだよ!」というかたは、これより先にはお進みになりませんよう。
 逆に、ねこがお好きなかたには是非読んでいただきたい作品です。感想文というよりは、ご紹介ですね。



この7編がasahi.comで連載されていたのが2003年の3月から9月だったそうで、勿論私はこのシリーズの存在に気付くこともなく。もし読んでいれば、単行本として出版されるのを、どれほど願ったことだろうと思います。

普通のペットショップではなく、二泊三日でレンタルという形で人間と関わるねこたち。
希望の品種を伝えて、またはカタログで写真を見て、店長がなるべく見合ったねこを紹介して賃貸契約書を交わす。
ショップから渡された餌以外は絶対に食べさせないこと。
ねこと一緒に寝ないこと。
二泊三日を厳守すること。同じねこを貸し出すとしても、原則的に一箇月以上の間を空けないと受け付けない。
買取は不可。
そして。
ねこと一緒に貸し出されるバスケットと、その中のブランケット‐毛布‐をそのままで維持すること。毛布を洗ったり、失くしたりは厳禁。

二泊三日の間だけの、ねこの名前を自由につけてやってください。

ショップには7匹のねこがいる。
ねこの数だけエピソードがある。

花粉症のブランケット・キャット
助手席に座るブランケット・キャット
尻尾のないブランケット・キャット
身代わりのブランケット・キャット
嫌われ者のブランケット・キャット
旅に出たブランケット・キャット
我が家の夢のブランケット・キャット

どれも賢くて聞き分けの良い、一見おとなしいねこ達ばかり。(ただし、例外も)
自分達の仕事をよく理解していて、束の間の飼い主の希望を叶えてくれます。

そして、ねこを預かって暮らしてみたいという人間達には、それなりの理由や事情があるのです。

いぬほど世話がかからなくて、レンタルとは言え気ままに自由に生きるねこ達に、人間はペットとしてのねこを求めてはいない。

ただ、自分の内面を鏡のように映し出したり、問題を整理したい時に傍にねこが居てくれることを潜在意識として望んでいます。
だから、主役は人間なんです。ねこ達は、鏡の役割でしかないのです。
それでも、ねこ好きには堪らない、優しくて愛情のある物語でした。

どのお話も、するするさくさくと読めるのですが、決して軽いものではありません。むしろ、訳ありの人間達ばかりで、内容は重いものがほとんどです。

それでも、全てに希望があります。
現実から目を背けていても、ねこを撫でながら自分の心と向きあった人達が「大丈夫」とか「頑張ろう」とか「ごめんなさい」と、一筋の涙とともに生きていける静かな明るさとでもいうか。
暗いトンネルを抜けたらそこは今日の終わりと明日の朝。

人生をもう一度、頑張ってみよう。

そんな気持ちにさせてくれる、温かい本でした。

ねこ好きには大満足。

何かに悩む友達が目の前にいたら、この本を貸して、そして言ってあげようと思います。
「いっぱい話をしよう。もっと喧嘩しよう。もっともっと話し合おう」
と。


(2008.02.23)
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