こんな本読みました。

読んで感じて書き出して、そして忘れていく。備忘録ブログ。

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『オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 東京バンドワゴン』 小路幸也 著

2011/09/02(金) 09:24:11 小路幸也 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 あああああもう素晴らしいっ!
 昭和のホームドラマの中に平成二十年あたりのホームドラマが渾然一体となって、ステージがひとつ上がったような、インスパイアされたような、そんな気がします。
 わたしのことは嫌いでも、この作品は、このシリーズは読んでください、嘘は言わないから。
 今の日本は、3.11以前と以後で分断されていて、糸の切れた凧のようです。この本は、その覚束なさを埋めてくれる、社会をどうこうじゃなく日本人としての精神をぐっと引き寄せて束ねてより一層つよくするような、そんな1冊。新しく生まれた赤ちゃんのようなやわやわな日本の、育児書みたいです。






実は書店で新作ゲットーーー♪とほくほく顔で、一緒に『青春と読書』を探したんですけど三省堂さんにはなくて。
いつもお世話になってるところには、取り寄せないと無いのは聞いてるから、まあ京都駅にいることだし他の書店もまわってみよう!と別の大型書店に行ったらあっさり発見☆
で、歩きつつ、パラパラ斜め読みしたんです。
そしたら。

ななななんですかこの「登場人物の一人に今生の別れを告げました」ってのはいったいだれのことなんですかまさかかんいちさんとかがなとさんじゃないですよねあああどうしようーーーーー!(涙目)←超動揺

たぶん、顔真っ青になってたんじゃないかなあ(苦笑)それくらい、血の気引いた。
帰り道もただドキドキして不安で不安で、雨がぽつぽつ落ちてきたんですがいやそれより早く帰って読まねばでも読みたくないなあもうどうしよう!…とこんな心境でした。

まあ当然といえば当然ですが、勘一さんでも我南人さんでもなく、でも、大切な人でした。
だからかな、この新作は、最初からどこか、勘一さんの背中が少し小さく感じるんです。
この話だけじゃなく、この新作のなかの一年を通して、勘一さんにはいろいろと思い通りにいかない出来事が次々に降りかかってきて、そのたびごとに、勘一さんの張りと光が弱くなっていく…。

元気な堀田家ですが、考えてみたら勘一さんは八十越えてるし、我南人さんだって(とてもそんな風には思えないけど)還暦すぎてるんです。かずみちゃんだってもう隠居の身。堀田家の平均年齢はかなり高い。
花陽ちゃんが心配する気持ちも分かりますね。
そして、このシリーズはこうして、そう遠くないうちに、もっともっと大事な柱が倒れてしまう、輝き続けた星が墜ちてしまう、その覚悟をしておいてくださいってこと。秋実さんがなくなったとき以上になるのかもしれませんよね。
もし勘一さんが、我南人さんが…でもわたしは、それでこのシリーズが終わるとは思えないんです。きっと、堀田家を見守るサチさんと堀田家の居間でひょいっと再会して「おめぇなんでこんなところにいやがるんでぇ!」「あれぇまだいたのぉ?」とかなんとかリアクションしつつも、なんだかんだでサチさんと一緒に堀田家を見守り続けていくような。
そうなると、姿の見えない家族と、生きている世界の家族の、双方向ドラマになるんでしょうか。

と、まだどうなるかたぶん作者の小路さんですら分からないかもしれない先のことを考えてもしょうがないので(苦笑)

感想を書くのに、キーワードをメモっておこう!と、以前、村山早紀先生の『カフェかもめ亭』の感想文を書いたときのようにやってみました。

そしたらまあ、わたしらしいっちゃわたしらしいというか☆
以下、メモ。


朝食の会話がますますこんがらがってる かんなちゃんと鈴花ちゃんかわいいーーーーw

コウさんの金髪!

研人くんモテモテ♪

へんにゃんw

女子会

くるみちゃんだーーーーwwww

ゲイとかロリとかオタクとか…

木島さんイイヒトだー

初めて。堀田家の人間のいない堀田家の詳細。

え?俺たち?www

中澤めぐみさんて!

藤島くんのフルネーム!

玉/木/宏/と空目いや空耳?

おおめでたい!

シリーズ最高傑作!

小路作品の伊坂化もしくは道尾化?(笑)

サチさんの勘一さんと我南人さんへのツッコミナイス!


…これでどうやって感想書けと。

いや今回は、中澤さんでしたか。前作はあの書店員さんで、今回は。
ものすごい喜ばはったやろうなあ!ずっとずっと、このシリーズ大プッシュしてはったから。小路さんからの最高のプレゼントだと思います。よかったですねw
(4/28追記…このかた、京都から大阪に異動になったらしいです。その手腕が買われてのことでしょうね。新天地でも頑張ってくださいね、そして『東京BW』シリーズを大阪でもプッシュし続けていってください☆)

『Q.O.L』のメンバーがゲスト出演することは、以前ツイッターで明かされていましたけど、うんうん、くるみちゃんが元気そうで嬉しい!そういえば、『オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ』は、この『Q.O.L.』とどこか似てます。龍哉くんとくるみちゃんが出てるからじゃなく。ああ、藤島くんのエピソードの遣り切れなさとトンネルの向こうの現実の明るさが共通してる感じ。

Life gose on…人生は続く。それでも、人生は続く。
勘一さんは自分の懐に入れた人をどこまでも許容することで、人の縁が続いていくことを希求している。
でも、血族としても、連綿と続いていく予感、紺さんが曽祖父の草平さんの遺伝子を色濃く継いでいるように、我南人さんから孫の研人くんにロックンロール魂が隔世遺伝してて、藍子さんと花陽ちゃんの母娘・すずみさんと花陽ちゃんの異母姉妹としての容姿や雰囲気が年々似ていくこと、それが世代や時間を超えた絆となって、バラエティに富んだ家族構成として堀田家をつくり続けていく。

また、サチさんが堀田家の財政事情を「火の車」というのが遠慮でも謙遜でもなく、大家族での一泊旅行も家計を気にしたり、花陽ちゃんが医大を目指すと知ってより収入の大きい仕事をしようとしたり、そんな子どもの夢や希望を叶えてやりたいという大人の責務と、つつましくかつかつの生活を隠さず楽しむ様子が、ムカつくほどの上昇志向だったら本投げてるだろうけどそんな不快感とは無縁で気持ちよく読める。

シリーズの第一作から番外編の『マイ・ブルー・ヘブン』を含む全ての作品が、かつてないほどの密度でリンクしてます。
なので、シリーズ全作を再読したくなったし、その上でこの新作が、シリーズの最高傑作だとわたしは思う。



書き始められたのはもっと前だとしても、おそらくこの作品が製本されるまでに、わたしたちは、3.11あの東日本大震災に見舞われました。
小路さんも、小説家として、ものすごく悩まれたはず。
その葛藤がエールとなって、わたしたち読者の心に響きます。ものすごく響いてきます。
一話ごとのラスト、サチさんのモノローグが、優しくてあたたかく包み込む毛布のようで。
被災地の方々がこの新作を読めるまでには、まだ時間がかかるでしょう。
でも、いつか届くと信じて。そのとき、このサチさんからの、小路さんからのエールは、きっと傷ついた方々の心を包み込んで癒してくれると確信しています。生きて頑張る人々の、それぞれの人生は、続いていきます。
小路さん、ありがとうございました。ファンとして、読者として、日本人として、心からの御礼を。


(2011年 集英社)
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