こんな本読みました。

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『みんなのふこう』 若竹七海 著

2011/09/02(金) 09:22:54 若竹七海 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 何気に若竹先生づいてますね(笑)いやこれも面白かった!
 これは構成が素晴らしい!読書メーターでは賛否両論だったんですけど、わたしはよかったと思う。最初は戸惑ったけど。
 物事にはいろんな見方があって、どっちも正しい。改めてそう思わされた1冊です。






目次を見たら1年間を通しての話なのかなーとそれくらい事前情報もなく読み始めたんですけど。
いやこれはすごいわ。
よくこんだけココロちゃんを追い詰めましたよね若竹先生(笑)いやー容赦ないわーwww

中盤までは、「ココロちゃん」の友達という女子高生からの投書で、それをDJ瞳子さんが読み上げていくスタイル。
はじめは笑ってるだけだった瞳子さんやスタッフと、ラジオネーム「ココロちゃんのぺんぺん草」として投書した女子高生との、ココロちゃんのとんでもない不幸っぷりに対するスタンスってほぼ同じテンションなんですが。

こんな子が身近にいたら確かにそう考えるだろうレベルの災難を間近で見続けたぺんぺん草嬢の疑念も当然で、だんだんラジオスタッフとの心理にギャップが生まれて。

そんなとき、ふっつりとぺんぺん草嬢からの投書が途切れる。
するといきなり、ラジオスタッフの一人の日記というか覚書のようなものになって。
その流れは突然、とある病院内の、友の会機関誌の一部のやりとりが始まる。

この唐突さが、読者の賛否両論を巻き起こすんですが。

わたしはこれくらい唐突なシーンの変換なんて慣れっこですから(笑)
本格ミステリ読んでりゃそんなのいくらでも出てくるもんねえwww

厳密なミステリじゃなく、なんとなーく嫌ぁな感じが漂ってきてそれはココロちゃんのまわりに次から次へと出現して、そしてことごとく返り討ち★けど、当のココロちゃんはそんなウラの事情は一切ご存知ない(苦笑)

これって、ココロちゃんが超天然で超ポジティブなのとバランスが取れてていい、という表面的なものかなあ。
わたしには、どーしても、ココロちゃんは全てを知ってるというか気付いてるとしか思えないんだけどなあ。

ココロちゃん自身については、これは不幸というか不運というべきか、で、実は超強運の持ち主で!
間一髪で大事に至らずかすり傷程度だったりお腹下す程度だったりしてるけど、ココロちゃんのまわりに蠢く悪意は普通なら10回死んでてもおかしくないです。いつも命拾いしてる。
で、その因果関係に気付いたぺんぺん草嬢や、瞳子さん。
ココロちゃんは17歳ということですが、17年生きてりゃ自分の不運と超強運、まわりの不穏な気配や及ぼす影響まで、ちらりとでも考えなかったはずないと思うんです。
尤も、能天気すぎるというかともかく超ポジティブで人をまったく疑わない性格だからねえ、一瞬脳裏をよぎったとしても、そんなわけないですぅとか言ってすぐに忘れるとは思うけど(苦笑)

ぺんぺん草嬢に、始めと終わりで2度、「ごめんね」って謝ってる、そのことがなんとなく、全てを分かってる気がする。

いやそれにしても、中盤まで瞳子さんの絶叫に笑いつつも次第にリスナーになってる読者、ふっつりと投書が途絶えたとなると気になってしょうがないからどんどんページを捲る。もう一気読みでしたともさ。

事故や事件のシーンはもう想像したくもないひどい有様から、笑うしかないギャグ的状況まで、ひたすらココロちゃんの危機一髪が続き、実は〈了〉となってもまだ続いてるらしいし(笑)

「みんなのふこう」は、ココロちゃんと彼女を利用しない本当の友達は含まれません。はい。

ところで、病院内の機関誌のやり取りの中に、「良書をなぜ患者さんにおすすめしてくれないの、なぜくだらない小説ばっかり読ませるの、こんな本があるから…!」というアンタ何様?なオバサンとそれに反論する高校生その他の意見、というくだりがありまして。
これって、東京と、大震災のどさくさに紛れて可決した大阪の、非実在少年なんちゃら条例とかいうアレの、性描写のあるマンガやアニメは全部有害図書じゃ文句あっか!というので表現の自由の弾圧だーという出版社やクリエイターさんたちの攻防と似てる気がして。
このお話の中では胸がスッとしましたけど、現実はこの反対で…。
若竹先生なりの、条例可決に対する抗議のような感じを受けましたねわたしは。

ふこう話というには楽しすぎる、ミステリーにしては全体を通して恐怖するんじゃなくてじわじわと黒い真綿に締められる息苦しさを感じる、オススメの《葉崎シリーズ》でしたー。


(2011年 ポプラ社)
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