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『深泥丘奇談・続』 綾辻行人 著

2011/09/02(金) 09:20:49 綾辻行人 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 ふだんはあんまりホラーは読まないんですが(三津田さんの作品もミステリメインなら読むけどホラーバリバリのは挫折した…)、このシリーズは「もうひとつの京都?」という側面もあって愉快に読めます。ホラーというより、ちょっとじみじみ怖い幻想小説?




前作『深泥丘奇談』がかなり怖いぞわりぞわり感満載だったのに比べて、今回は、じわじわくる不気味さと底の深さがむしろ前提になってて、まるで使われなくなった井戸の底を覗きこんで「どれくらい深いんだろう?水はもう枯れたのかな?」とちょっとどきどきするような、そんな感じでした。わたしは。

主人公の「私」(あくまでもフィクションなんですが、どーしても先生ご本人をイメージして読んでしまうのでごめんなさい…)の、前作ではあれほど恐怖した記憶の欠落が、今回はもう諦めというか折り合いつけているというか、そういう心理的な差が読者の側にも影響したんでしょうか。

論理的に説明できなくてもオチがなくても、こういう世界もアリかも、というような。

でも京都って、マジでこうなのかもしれません。
一条戻り橋とか鬼とか呪いとか祟りとかが普通に存在した歴史の中で、その時代その時代を生きて紡いできた人々の意識は、むしろこんな不可思議で非論理的で暗い渦のような土地の方がフィットしたのかもしれない。現代のわたし達は、あまりに単純で明るすぎて薄っぺらい世界を見ているのかもしれない。暗い影や入り組んだ路地の辻々の歪みを視る能力をなくしたのかもしれない。そんな気がします。

いきなり最終話の話でアレなんですが、この最終話なんて、わたしは真っ先にポオの『メエルシュトレエムに呑まれて』を連想したわ。ダイナミックでドラスティックで。

十編の短編が収録されてます。
わたしは【狂い桜】と【切断】と【ラジオ塔】が好き。特に【狂い桜】はツボだった。『Another』テイスト、というのも納得。…ただし、わたしはしたことないですこんな悪趣味なこと(苦笑)聞いたこともないけど、もしかしたらそういう噂もあってもおかしくないなあ。これ、実際にやろうとしたら、行き過ぎれば陰湿になるけど、頭がよくなかったら話が続かないし(笑)難しいよねえやっぱり★

逆にちょっとどうしよう飛ばしていいですか鳥肌が!というのが【コネコメガニ】と【夜蠢く】……だからッ!脚八本以上はダメなんですってッ!(涙)
【心の闇】はねー、なんというか…分かる気がするだけにわたしも病んでる?(苦笑)

で、サイン会限定でいただいたリーフレットを後で読んで膝を打った(遅っ!)【ホはホラー映画のホ】と【ソウ】の二編、これ、そういうことだったのかあ!なんで視点人物が変わってるんだろうと思ったのよ…。だから【切断】の前フリかとか思ったんだよ…頭悪すぎ★★

いくらでもグロくてサスペンスフルで血なまぐさいホラー小説を書ける人が、こういう生理的嫌悪と本能的興奮の紙一重のところにある感覚や、あってもおかしくないけどやっぱり一応は非日常、心拍数は平常なのにどきどきしながらページを捲る小説を書くというのは、按配が難しいと思います。どれくらいのさじ加減で見えない恐怖を織り交ぜればいいか、読者の論理的思考をどれくらいの強さで叩けばいいか、それを知っていないと無理だと思う。「名手」という帯の惹句は伊達じゃないですね。

楽しかったなあ♪「京都」人だから余計にそうなのかもしれませんが。
まだ続くこのシリーズ、次も楽しみにしてます!

(2011年 メディアファクトリー)
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