こんな本読みました。

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『ピースメーカー』 小路幸也 著 

2011/08/31(水) 18:17:44 小路幸也 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 本当、人間いちばん大事なのは、「知恵」と「愛嬌」ですよね!読み終えてまず思わずそう呟いてしまいそうな、ポップな表紙カバーと帯。
 《小路幸也印》とはよく言った!うん、小路さんらしい陽だまりのような暖かさと懐かしさ。
 携帯やパソコンがあって当たり前の現在はもちろん便利で楽しいですけど、昔、自分たちが走り回ることが当然だった時代はそれはそれで人間らしい社会だったなあ。
 小路さんには他にもノスタルジー満載の作品はありますが、この『ピースメーカー』は、でもその古さを感じさせない、キラキラとした煌めきと躍動感と瑞々しさに溢れています。



ウェブ連載時も楽しく読んでましたけど、こうして1冊の連作短編集に纏まってみると、印象がガラリと変わりますね。つながりが濃いです。
あー懐かしい…わたしも高校生のとき放送部だったんですよね。ミキサーで入部したはずが何故かマイクの前に座ってるし、なんちゃって標準語で他の部活の顧問にインタビューとかしてるし★昔は標準語って言うたんです何よ共通語って。お昼の放送とかはいいんですけどイベントになるとグラウンドや体育館に重い機材一式を持ち出すのに何度も行ったり来たりでヒーヒーしながら大騒ぎしたり。そういえば、演劇部に音響として駆り出されたこともあったわ…。
そういうわけで、わたしたぶん今でも東の言葉を話そうと思えば話せると思いますが、わたしは生まれも育ちも西の人間。関西弁が自然体。
そういや新婚旅行で参加した団体ツアーの中で関西人はわたしら新婚夫婦だけであとは全員東の人たちで、そんな状態だったから2日目にしてこんがらがった相方のイントネーションは滅茶苦茶でしたがわたしはまったく影響受けずに関西弁マシンガントークを貫きましたよ。いぇいv

何の話だ。

表紙のイラストが青春真っ盛りの男子なのに、冒頭の一ページ目が銃の話で面食らったかたもいるのかな。いやいや銃なんて全く出てきませんが…でも、考えてみたら、良平くんとケンちゃんコンビの肩に担いでるものといいやってることといい、飛び道具っぽいですよね。

クールな頭脳担当の良平くんとアツイ心のケンちゃん。いい相棒です。
コウモリ先生もスーパー部長沢木女史もいいなあ。
各話のゲストキャラもそれぞれ個性豊かです。
そしてやっぱり、みーちゃん。みさきさん。当時から既に中学生とか高校生じゃないよね、完成されてしまってる。そこらの大人ですら及ばないわ。
で、みーちゃんはすごいと信奉してる良平くんですが、いやいやキミもすごいよ?病気で激しいスポーツが出来なくなっても悲観することなく受け入れる柔軟性もそうだし、視覚も聴覚も人並み以上。で、笑顔も声もいいんでしょう、本人の自覚はないけどたぶんかなりモテてるよね老若男女問わず(笑)

最初はそういう感じで主要キャラのパーソナリティとか、〈ピースメーカー〉の活躍とかで楽しませてくれて、そして連作短編集としての配置(つながり)が素晴らしくてテレビの連ドラのような盛り上がり方なので前のエピソードを受けて少しずつ緊張感が増していき、5話目でそれが最高潮に達する。ピースメーカーとして放送部の面々も使えるコネは使いまくってなおかつ本筋は最後まで隠して大団円♪みんなニッコリ☆愉快爽快ですwww
本当に、テレビドラマ観てるみたいでしたよ。

で、それまでは良平くんのモノローグや数々の伝説や伝聞でしか姿を見せないみーちゃんことみさきさん。読者は又聞きのようでしか知らないスーパーレディ・林田みさき。
そうしてずーっと引っ張られてきたから、ナマのみさきさん登場がこれ以上ないくらいに目映いスポットライトが当たってるように感じたほど劇的です。また、そういう登場の仕方だったから、大騒動の後に彼女自身が説明して学校側と駆け引きするシーンが効いてくる。
この作品の真の(影の)主役はみさきさんかもしれない。
でも、それにひけを取らないくらい良平くんたちも輝いてる。
みさきさんが出てきて全部持っていかれないくらいまで良平くんたちの活躍を描いているから、みさきさん登場に揺れることもない。
小路さんの計算バッチリですwww

良平くんに対して、お前は姉さんとは違う、お前にしかない素晴らしい素質がある、とコウモリ先生はじめ多くの大人に言わせる(思わせる)ことが、小路さんらしいなあと思った。
みんなちがってみんないい、んですけど、伝説にまでなった女性を姉にもつ良平くんにはそんな言葉ではダメで、姉さんですら敵わないものを持ってる、と何度も言う事が良平くんを奮い立たせる。1人で〈ピースメーカー〉として立ち回った姉とは違い、3人(4人?)で〈ピースメーカー〉というユニットになれる、というのは、青春の思い出としてこれ以上ないほど強い仲間の絆が持てる。それはみさきさんにはない良平くんだけの一生の宝物。


6話目とボーナストラックは書き下ろし。わくわくしました。
で、ボーナストラックを読んでて改めて気がついた。
これ、七十年代のお話なんでしたよ!(遅っ)
今じゃ考えられないことやけど、昔はこうしてどこかのほほんとしてた。ていうか、わたし、いつ頃このイベントの存在を知ったかなあ……。
そのぽややんな男子(彼)に先手打った沢木女史が可愛いwww
競争率めっちゃ高いの知ってるからこそ、ですよね♪だからやっぱり、ファンが多いのよ彼。


いつも学生アリスを読むとき、これは九十年代のお話、とまず念頭に置いてから読み始めるのですが(意識的にも無意識でも、学生アリスのファンや読者はみんなそうして頭を切り替えてると思う)、この『ピースメーカー』はさらに時代を遡ります。
携帯はおろかポケベルでさえ無い時代だったからこそ成立するトリックが!とか膝を打ってる場合じゃないです、ただもうティーンエイジャーの頃を思い出して懐かしいやら恥ずかしいやら。

みんな、中学生の時って、現実より理想や夢の方をよりたくさん見てませんでしたか?
大学生だと「もう大学生なんだから」、高校生だったら「もう中学生じゃないんだから」、でも中学生って、長かった小学校6年間に比べてあっという間に過ぎ去ってしまう瞬く間の青春3年間。一番楽しくて可愛らしい時期だと思うんです。
今の学校はほぼ全てに裏サイトがあったりイジメがあったり、とあまりユルくはないのかもしれない。けれど、わたしの中学時代は校内暴力という嵐が吹き荒れていたわりにはみんなそれぞれ青春を謳歌していたし、今から思えば恥ずかしくて記憶を抹消したいことを何の衒いもなくやってたんです。もちろん、親や先生や他の大人達に守られてることも知ってた。
現実はもっとシビアなことがいっぱいあるし、当たり前ですが中学生の全てがわたしのように能天気だったわけでもなく辛い時期だった人もいることでしょう。でもね、ほとんどの人は、「良くも悪くも恥ずかしい時代」って言えるんじゃないかと思います。苦いか甘酸っぱいかは人それぞれ。大学生の数年をモラトリアムだといいますけど、中学時代は別人格・パラレル世界だったんじゃないかなあ。


学園モノというと生徒会が中心だったり敵役だったりしますけど、このお話は、生徒会よりも頼れて実行力がある放送部。イコール、ピースメーカー。
良平くんの閃きと、ケンちゃんの愛嬌と、沢木女史のコネと、ミウちゃんの声。
もっともっと彼らの活躍を読みたいです。
ほら、沢木女史が高校生になったら、中高巻き込んでいろいろ騒動があってもいいじゃないですかwww
それと、良平くんたちが卒業してしまったらまた、学校は二分されてギスギスするかもしれない、そうならないようにと方策を編み出すのが良平くんの役目だと思えてきました。
小路さん、続編プリーズっ☆☆☆

(2011.1 ポプラ社)
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