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『林の中の家 仁木兄妹の事件簿』 仁木悦子 著

2011/08/23(火) 13:23:51 仁木悦子 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 わたし、仁木悦子さんのミステリ(全集とか)をまだ読んでない半端なミステリ読みなもので、こうして長編が1冊ずつ文庫になってくれるのはたいへんありがたいです。そういう中での、仁木ミステリ2作目読了。
 すっごいなー……本格ミステリ好きが泣いて喜ぶ展開100%で出来てます。面白かった!
 で、さっきも書いたように、もう昔から読み継がれてきた仁木作品でしょうから、ぐだぐだ書かなくてもいいですよね。さらりと。



何と言っても注目は、あとがきでしょう!
〈悠久のむかしのはなし---「林の中の家」---〉と題されたこの仁木さんご本人によるあとがきには、ミステリ、それも本格ミステリを書きたい!という人にはかなり参考になると思いますし、読む専門のわたしのような読者にも感心しきりです。

わたしが読んだ仁木ミステリは『猫は知っていた』とこの『林の中の家』ですが、どちらも、がっちがちのパズラーだと断言します。その証拠が、このあとがきです。
パズラー、という意味のとおり、本当に、パズルのようにトリックを決めプロットを配置し、その配置の方法が、まるでカードゲームそのもの!そりゃ組み上げられたミステリは純度100%のパズラーになるはずです☆

登場人物(特に容疑者たち)の心理面がほとんど考慮されず、ただ物語を進めるためにのみ動かされる駒。
語り手の、妹・悦子さんの内面と、妹から見た兄・雄太郎の仕草くらいが人間らしいところで、容疑者はみーんな観察対象です。
仁木兄妹は基本的に住所不定、というか不安定ですが、いつも都合よく住まいの提供があり勉強にも困らず買い物だって自由にできる、いいご身分ではあります。生活が苦しくて探偵どころじゃないよーとか自分達の不安定さが推理に影響することもない、高等遊民に近い。思う存分、名探偵として動けます。
それがいいか悪いか、じゃなくて、パズラーとはこういうものなのでただ好きか嫌いか。わたしは大好きwww

さてさて。
こういうパズラーの定石として、あちこちに伏線が散りばめられていますが、この作品ものっけから大サービスです♪
もう使えるものはどんなささいなものでも全部使って、ロジックを構築してます。
途中、誘拐騒動までもちあがるので、どれがレッドヘリングなのかなーと思ってたら…!
過去の出来事から現在にいたる因果と、あの事件とこの事件が周辺部で有機的に結びついた結果、中心で殺人事件を支えるんですからムダがない。
特に、時間(時計)のトリックというか、この部分のロジックが良かったなあ。ていうか、「時計」にまつわるトリックの謎解きは、自然エレガントになりやすいのかも(『スイス時計の謎』しかり)。

帯で法月先生のコメントにあるように、犯人当ての見本、教科書のようですよ!

人情味溢れるミステリというわけじゃなく、推理に必要のないものは全て削ぎ落とされた、二昔ほど前の日本のどこかの街で起こった殺人事件の、究極の犯人当て。
こういう遊戯にどっぷり浸れるミステリファンなら、楽しい読み物です。


(ポプラ文庫ピュアフル)
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