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『utage・宴 北の作家 書き下ろしアンソロジー vol.2』

2011/08/23(火) 13:24:44 アンソロジー THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 『vol.1』に続き小路さんが参加されてるというだけでお取り寄せ。そしてその『vol.1』は、まだ小路さんのしか読んでないのです。アンソロって、わたしの場合収録作全部を読むのは多くないですねえ…ぜーんぶガチガチのミステリとかだったら貪り読みますけど。
 小路さんと柄刀さん以外はほぼ初読。東さんはどうだっけか…そんな程度。
 縛りは、「北海道が舞台か、北海道の地名が出てくる」というだけ。ジャンルは自由っぽい。
 そしてやっぱり、わたしにとってはミステリ作家の柄刀さんもいいけど小路さんが一番!という話です(笑)



収録順に、敬称略で、

【満月の街と白い猫の店】 東 直己
【薔薇園のマサコ】 浮穴みみ
【つがい】 桜木紫乃
【My Wife and a Sketchbook】 小路幸也
【流れ星】 柄刀 一
【おやつ】 中村 南
【幻灯】 吉川千鶴

一編一編、どんなお話だったかは割愛させてくださいね。

真っ先に読んだのはもちろん小路さんの。届いたその日に読みましたさ。昨年12月19日に。
なんかねー、人が大勢いる埃っぽさの中で、この夫婦の周りだけがきらきらしてて。
いつまでも新婚さんのような真っ正直さで。
相手の顔色を窺うこともなく、心と心で向き合ってる、理想の夫婦。
現実の、いくらでもある、エゴのぶつかり合いと倦怠と惰性と保身、そんな夫婦がほとんどの世の中で、これはただの理想像にしかすぎないと思う人もいるかもしれない。でも、居て欲しいと思うし、実はわたしだってこんな風にきらきらと新婚さんのような瑞々しさでいたい。
いつものように、主人公の語り口調で展開される小路さんの瑞々しい短編は、そうしてさらりと読めるのにずっと心に残る。すごいことだと思う。さらりと読めるってことは普通、印象に残らないってことですもんね。
小路さんの短編でも長編でも、とにかく読んでいると、忘れがちなことや忘れたフリしてるようなことを思い出させてくれるのでした。

次に。やっぱり柄刀さんですかね。
美希風くんのようなのでも、龍之介くんのようなのでもなく、視点人物が女の子ってことで優しい感じだなあ、と思ってたら。
終盤で結構え?あれ?ってなります(笑)
タイトルの「流れ星」にも、色んな姿が重ね合わされていて、このへんはミステリプロパーさんらしいと納得。
おばあちゃんの“思い出”を“推理”に変える、その腕はさすがです。
夏になると思い出しそうな一編。

意外だったのが、全くの初読でお名前すら初めて知った、浮穴みみさん。
美しい思い出も、悲しいことや憎しみの感情でさえも、とにかく最初から最後までただ淡々と書かれていて、わたしには読みやすかった。いくらでも感情移入して書けそうなのにあえて抑えた筆致は、わたしの好みでした。短編だからかな。
よくある展開ですが、なかなかいいです。
序盤で触れられるBGMのくだりが、終盤になるとがらりと意味を変えるところが特に好き。

わたしの好みではこの三編がよろしかったです。

人それぞれ好みが違うので、わたしが気に入ったものがそんなでもなかったよーと思った人もいるだろうし、わたしには意味不明だったものが一番イイ!という人もいるでしょうから、その、わたしには意味不明だったとかちょっとツッこんでいいですかといいたくなった作品についての感想は書かないでおきますね。

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