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『放課後探偵団』アンソロジー

2011/06/24(金) 09:21:24 アンソロジー THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
『放課後探偵団』 相沢沙呼、市井豊、鵜林伸也、梓崎優、似鳥鶏 (創元推理文庫)
 ツイッターで東京創元社の有名編集者さんが、このアンソロジーのことを呟いておられてからずーっと、楽しみにしてたのですよ。
 発売日がちょうど有栖川先生のサイン会当日だったもので、一緒に買いました。すぐに読みました。
 …そして感想文を書くのが今になるという不思議。ううズボラなわたしが悪いんですはい分かってますぅぅぅ(涙)
 そんなわけで、ザルなわたしの脳みそはもう細かいところをさらさらと取り零しております。申し訳ない。



さてさて。
わたしのお目当ては、もちろん梓崎さんと似鳥さんと市井さん。
梓崎さんはこの年末の各ミステリベスト10において、デビュー作が全てに上位ランクインという快挙。こんな超弩級の新人は、あの道尾さん以来じゃなかろうか。
そしてその梓崎さんと同じステージでやはりデビューを果たした市井さん。この人の《聴き屋シリーズ》も十分すぎるレベルのロジカルなミステリで飄々としたキャラクタも合わせてわたしは好きです。
で、似鳥さん。もう文庫書き下ろし3冊出しててシリーズキャラにもファンが付いて、安心して読めますね。

とまあ、注目する作家さんが3人もいるので、かえって収録順に読めました。

まず、似鳥さんの《お届け先には不思議を添えて》
パズルみたい。そんな第一印象。
どこでビデオテープがすりかえられたのか、葉山君は伊神さんを引っ張り出してこき使われて(笑)少しずつ不思議を解き明かしていきます。
うーん、すりかえたのが誰か、途中でなんとなく分かるよね。だからどっちかというと、何故その人はそんなことをしたのか。ホワイダニットの方が強い気がした。
真相が分かってみれば、あまりのことに脱力するしかないんですけども。アホすぎる…。
日常的に送り状書いて荷物を配送してる人が読んだら、その真相に辿り付く前にトリックは分かるだろうし、キャラクタたちがあっちこっちにぶつかりまくって悩んでる様子はツッコミどころ満載かも。
伊神さんが相変わらずで嬉しいったらwww
そして、わたしがシリーズで一番苦手(ぶっちゃけ嫌い。でも世間的にはシリーズ一番人気らしい…何故?)な某女子は一切出てこなくて安心安心♪♪

次の鵜林さんの《ボールがない》
この5作品のなかで一番「放課後」してるお話(笑)
毎日厳密に数が数えられているはずのボールが何故かひとつ足りない。鬼のような監督の手前、見つけないことには帰れない。
で、下っ端のボール拾いたち(下級生ともいう)が必死にグラウンドに這いつくばって探し続ける。
どうにかちゃっちゃと探す方法はないものか。
その「地道な努力を惜しむ」イマドキの少年たちの、汗臭くて甘酸っぱい青春ストーリーでした。
どうして見つからないのか、という視点で探し続ける彼らに、そうじゃねえよ何故足りなくなったのか?を考えろよ、という予想外の方向がボールを投げ返すことで、甘酸っぱさを自然に感じさせてくれました。

『午前零時のサンドリヨン』で鮎川賞を受賞した相沢さんの、同じキャラを使った短編、《恋のおまじないのチンク・ア・チンク》
…これねえ、主人公の須川君がイタすぎる…もしくはヘタレすぎる。
探偵役の酉乃初、彼女のスイッチの入り方もぎこちない感じ。
その分、脇キャラであり謎の中心人物にいる男子と女子がイイです。いや、彼らの謎を引き起こした原因と行動は酉乃さんが解いてくれるんですけど。
マジックのシーン、必要なかったんじゃ。確かにマジックのトリックが真相の目くらましになってたんですがそれだけで、むしろそのヘタレ須川君全開のシーンは、『サンドリヨン』と次回作を繋ぐ意味があったんでしょうね。

お次は市井さんの《横槍ワイン》
くっだらねえ……(笑)←褒めてます
ワンアイデアを拡げていったらこうなった感じ。
聴き屋の柏木さんの冷静なツッコミが素晴らしいったらwww
そしてそして、柏木さんにとって、“先輩”はなくてはならない存在だったのですね!!先輩も相変わらずですねえ♪
このシリーズが始まったデビュー作からもう、この大学は妙ちくりんなんですが、映像学科の面々はまた一際おかしい。
その強烈な個性がぶつかると、…聴き屋の仕事が増える(笑)
後輩の津田くんの、天然ぐあいというかボケっぷりが痛いし、ゆずる女史のとんがり具合も痛いイタイwwwいい人なんやけどなかなかのエキセントリックなキャラなものでいろいろ吹っ飛んでしまうですよ(笑)

最後は真打ち、梓崎さんの《スプリング・ハズ・カム》
や……やられたなあーーー!
そして、なんて繊細で切ないんでしょう。
『叫びと祈り』の連作短編集では1話ずつがそれぞれ異郷の地で、その風景を描写する能力はとんでもなく素晴らしいものでした。
それが日本国内の話を、というオーダーが出たそうで梓崎さんはどういう表現をするんだろうと楽しみにしてたんですが。
んー、若干説明調が強い、かな。
しょうがないっちゃしょうがないけど。
サハラの熱砂や密林の息苦しさやスペインの灼熱やロシアの夜の静けさを表現すればそれが異国というステージで見事なハーモニーとなって謎を引き立ててたのに比べると、誰でも知ってる、一度は経験したことのある卒業式の高揚感と寂寥感を今回の「犯人当て」と結びつけるのは大変だったと思う。
見事なミスリードで伏線もばっちり。
ラストの余韻までキラキラとガラス細工のようですよ。

ただ。

わたしにはあまりにもお馴染みのあの作品と、ネタがモロかぶりなんですけどッッッ!!
だから、正当な評価ができない………(泣)わたしには、あの作品こそが宝物なんですから……。


こればっかりは………ご容赦ください………。



最後に良くも悪くも二重の意味で腰が抜けた、愉快なアンソロジーでした。


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