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『メモリーブック 病室探偵クーパーマンの受難』ハワード・エンゲル著

2011/06/14(火) 08:13:24 海外ミステリ THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
このタイトル、一昨年からずっとアナウンスはされてたんですけど、延び延びで一体いつ出るのやら…と半ば諦めかけていた(というか忘れかけてた★)ところ、ようやく昨年の夏に確実に出ます!というリリースがあって、やっと読める~♪とわくわくしてたんですよ。なにせ帯には、《読めない!記憶できない!失読症を自ら体験した著者が描く、前代未聞の探偵小説》というコピーwこんなにそそるミステリもそうないでしょう♪
 読んでみて……。
 ミステリ以前に、「失読症」というものに陥った人が見るこの世界はどんなものなのか、かなりリアルに描かれていることと、そんな難儀な症状を患った人がここまでの小説を書けたのか!という驚嘆を、ぜひご一緒に味わっていただきたいなと思うのです。



とにかくすごい!
ミステリーとしての完成度もさることながら、やっぱり著者のハワード・エンゲル氏が自ら体験した世界を知れば知るほど、よくまあここまで回復したねえ、というのと、マジで書いたのまさかゴーストライターがいたんじゃ?と勘ぐりたくなるほどのブラボーな小説♪♪

こんな奇病に罹患するのはそうそうないことでしょうけど、可能性がまったくゼロではない、いつ事故や事件に巻き込まれて(クーパーマンのように)気が付いたら文章どころか文字すら読めなくなっているかもしれない、曖昧な世界ですから。
まずこの病気がどんなものか、患者にはどういう世界なのかどういう気持ちになるのか、知っておいて損はないです。

そしてこの失読症という症状が、ミステリーとしての展開とうまくマッチしていて、《病室探偵》というのも違和感なく、一気読みできました。
とにかく人の名前が覚えられない、記憶がすぐにリセットされてしまうから、同じやりとりを毎日毎日繰り返していて、でも本人はそれが確かにあったことなのかそれとも夢の中で起こったことなのかの判別が難しい。
同じことを何度も何度も繰り返しているらしい自分、新たに分かってきたこととの整合性、その進み具合が三歩進んで二歩下がるどころか同じ場所で足踏みしてるような感じなのに、それでも事態は進展するんです。自然に。
何故自分がこんな目に遭ったのか、犯人は誰か?私立探偵としての自分に依頼をしてきたのは誰か?という謎に対して、周囲の友人や病院関係者の人たちの協力を得て少しずつ真相に迫っていく様子が、楽しいです。

事件に関係ありそうな人々の描写に若干こんがらがったんですけど、
ミステリとしての伏線があまりにも微弱なくせに、冒頭のシーンの実は大胆なこと!(アンフェアではないので念の為)
そしてやっぱり、アメリカのママは大らかですねえ(笑)

わたし達の記憶なんていくらでも美化されたり風化したりするくせに、それでも記憶障害というのは、なかなかに大変な世界です。
メモリーブック、最初はこれを看護師さんに支給されたことすら、記憶に留めるのが難儀だったに違いない。
それでもこのメモリーブックに片っ端から書き付けることで、それがリハビリになっていて、少しずつ回復していくのでしょう。
いろんな人に聞き取り調査してそれを書き込んでいく中で、キーポイントはどれか、本当に大事な情報はどれなのか、選別できないと真相には辿りつけないんだからね。
矛盾点、違和感、自分を騙しに来た人探りに来た人、そういうのを洗い出すのは、なんの障碍がなくても難しいよ。
その一つ一つが全部回収されていて、宙ぶらりんになってる謎はなくなって、最後はハッピーエンド。
考えさせられる上に楽しめるので、出版社さんがちょい聞き慣れない会社でそこらの書店にはないかもですが、ちょっと何か引っかかるものがあれば読んでみてくださいww


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