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『線の波紋』 長岡弘樹 著

2010/12/15(水) 10:41:36 長岡弘樹 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 推協賞の短編部門を受賞してからもう2年ですか、このかた。やっと新作が出た!という感じですねそういえば。
 ということでわたしは、『傍聞き』以来、の長岡弘樹さんでした。
 トリックやロジックを偏愛する(新)本格タイプのミステリじゃなく、広い間口のミステリーでしたよ。うん。




と記事を畳んでも、実はそんなに長々と書くほどの衝動でもない…というのが正直なところ。
なので短くいってみよう!

『傍聞き』の時もそうでしたが、キャラクタに思考の飛躍をさせるのがお得意ですね。ひねくれてるというのとも違うかな、とにかく普通の考え方よりちょっと斜め上。
だから、事態がややこしくなる、またはややこしくさせる効果がある、とでもいうのか。

四つに分かれた章ごとに視点人物は違うんですが、連作短編なので前の章からリンクしてます。
で、その絡ませ方が上手い。
いや、絡ませ方というより、凝り方か。
とにかく、よくこれだけ凝ったなあ、と思いましたよ。

叙述トリックなら全てが分かった瞬間に「やられたなあ!」と膝を打つんですけど、この人の場合は「なるほどねえ」って感じ。

センがいくつも交差して波紋になる、という、タイトルどおりの、凝った展開でした。
アンフェアな部分はなく、子どもならではの錯誤とペットの猫を上手く描写することで、それが伏線になってて上手い。
特に【再現】の章は、ぞくぞくしましたよ。

その分、ラストがちと物足りないんですよね…別にサプライズにまで大風呂敷広げなくていいから、凝った分だけパッと開かれた感覚がもうちょっとほしいかな。エピローグでのひとつひとつは本当に「なるほどねえ!」なんですけど、それで終わってしまうのはもったいない。ネタばらしになるので書きませんが、この気持ちの原因らしきものに心当たりはあります、よ。うん。

結局一番真相に近付いたのが誰か、という書き分けが一番の妙で、亜矢子さんも笹部氏も、それからもう1人も、違うルートから真相に近付いていって、それでいて皆が一堂に会した場所で解決シーンという本格ものならお定まりのラストじゃないところに、不思議な余韻がありました。

心理的にキャラクタを動かし、視点人物と一緒に読者をミスリードしています。

もちろん、気になる箇所もいくつかありますが…。

まず、わたしならいくら配偶者でも、血のつながった親きょうだいであっても、歯ブラシを共有したりなんか絶対にしません。
考えただけで気持ち悪い…。

また、息子を「まーくん」と呼び腫れ物に触るような接し方をする母親の姿と、介護施設での造形がそぐわないとか。

亜矢子さんと「まーくん」の会話がちょっとおかしいとか。

でもまあ、真相につながる過程の穴になってるわけじゃないので、(むしろ伏線になってる気がするところもあったり)、センが波紋になっていく様相を読者としてじっくり堪能できます。

傑作とまではいわないけど、十分面白いミステリーですので、読んで損は無いですよ。

あら。結構書けたなあ(苦笑)誰よ短くいこう!なんて書いたの。わたしか。たはは★

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