こんな本読みました。

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『アリアドネの弾丸』 海堂 尊 著

2010/11/16(火) 02:06:40 海堂 尊 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 ふわぁぁぁやっと読めた~~☆
 『螺鈿』読みたい~~!…という個人的感情はさておき、なかなかのページ数でしかも白鳥さんの難解ロジック炸裂シリーズなので、ちと休みたい(笑)
 このシリーズを通じてお知り合い・お友達になったかたがたの中には、忙しくてまだ読んでないとか買ってもいないとかそういう状況らしいので、ネタばらしせずに感想文書けないこのシリーズでさてどうやって書こうと思いましたが。
 やっぱり、読了されるまで、この先にはお進みにならないでね♪とお願いするしかなさそうです…。



んーと、海堂先生のコメントによると、『バチスタ』+『ゲリラ』のような感じ、ということでしたが…。
確かに、派手に銃声が響くし死人は出るし、ミステリのお膳立てとしてはそのとおりなんですけどね、なにせ容疑者が少なすぎるというか、ぶっちゃけコイツしかいないんだよ、だからどうやって追い詰めるのかというまあちょっと変わった倒叙モノのような。
でも、わたしの倒叙アレルギーは発動しなかったので、白鳥さんの立て板に水のロジックをぐいぐい読んでしまいましたよ。

そのロジックがこれまた、一度聞いただけだと反論できそうなのに何故かかっちり組み合わさってるから、犯人に引導を渡す白鳥さんのキレのよさは見事なんですが。

このシリーズは医療エンタメなので、医療現場のあれやこれやを加味して読んでかないと、ん?となるので、読後は脳みそが疲労困憊です(笑)

で、ねー、いくつかの小道具や伏線は分かったんですが、あーやられたッとページを戻したのが、白鳥さんが思わずといった感でもらしたセリフ(24章)
そうかーだからこの人、リアルで登場してから時々こんな状態(もしくは仕草)だったのか…。ケホケホ。ゴホゴホ。
ここが多分、この作品の一番のキモじゃないかと思う。
最初にソレに引っかかっていれば、高階病院長の冤罪は端から自明で、あとはグッチー先生の序章及び15章のクラシック音楽に対する悔いの述懐と組み合わせて、白鳥さんとミラージュ・シオンの凡人にはまったく理解できない画像処理に頼らなくても二件目の事件に関してはからくりが分かる人もいるんじゃないかな。若干無理矢理な感のあるトリックは…これ、本格原理主義者が読んだら「バカミス」と言われかねない気もしますけど…。でも破綻はしてない。アリバイ崩しは○。

要は、全ての伏線を回収して束ね、ロジックを完成させるための一番肝心なキーワードが、叙述トリックになってるのでした。
『凱旋』は完全にエンタメ(そして死人は出ない)、『祝祭』は彦根くんの独壇場(これも死人は出ない)、と続いたので、海堂先生が「本格ミステリ」だとコメントされたのも分かります。
グッチー先生のセリフやモノローグが感傷的というか人間臭くて、でもそれが作品全体にバイアスをかける役目、ミスリードとして機能してる。海堂先生にうまく誘導されてしまいました★

高階さんがハメられた事件の現場は、MRIに金属は絶対NGであることは知ってるし、今回の場合はその磁場が超強力で最先端なことは繰り返し説明されてたので何にも考えずに読んでてもこりゃおかしいよとすぐ分かるから、じゃあ絶対的に不利なこの状況からどうやって起死回生をはかるのか、その一点でしたしね。うん、高階さんが犯人じゃない、と導き出すロジックは綺麗だった♪

もっとも、友野くんの死に関する謎、これは。
犯人が意識せずにうっかり漏らした専門用語がキーワードだったのかー。いや確かに言われてみればこれも不思議なことですわね…。読み飛ばしてた…★


医療ミステリ、医療エンタメとして、事件の謎やタイムサスペンスのトリックとロジックの大筋は普通のミステリと同じ伏線の仕込み方なんだけども、とにかく直接証拠が無いことと相手が普通の市民感覚では太刀打ちできない巨大組織であることを踏まえて、状況証拠を補強するために画像処理やらムズカシイ数式が使われた、ということでいいのかな(自信なし)

むしろ、背後に蠢くブラックな人たちの方が怖いよー!

南雲の爺さんがこれで大人しくなるとは思えないし第一この爺さんは傀儡だし。その後ろにいるヒトがまあ…。
斑鳩さんもねえ、自分自身も含めて全ての人間を駒にしか見てないから、その行動が怖いのよ…。このヒトぜったい、最初っからこの犯人を見切ってたよね★
そうそう、16章の「危険物」「劇薬」が先読みしたのが、結局事件の裏の真相でしたね…予言者か。やっぱり白鳥さんの同類だ。
北は北でまた何かありそうな気もするし。

ともかく、犯人がオチて間一髪のところで東城医大もなんとか救われて、そこまではいいんですけど、ミステリとしてはできればもう一段仕込んでおいてほしかった気もする。
有栖川先生の『マレー』のような二重底みたいな。
これでも十分上げ底なんでしょうけど、斑鳩さんの絶対零度な存在だけではもったいない感じ。犯人よりも事件の真相がサプライズなことは確かですが、あと一ひねりのどんでん返しが欲しかったなあ。


ところで、話の本筋とはまったく関係ないことなんですけど。

ガンガントンネル魔人と天空のお地蔵様が仲良しなのはたいへんいいことです。
ただ、仲が良すぎてうっかり腐の読み方をしてしまうんです…。
島津先生、行灯行灯いいすぎ!(苦笑)
もっとも島津先生はどこまでもご友人なのでいいんですけど、これがアノ人やこのヒトだったらと思うとどうしましょうか(爆)
あーあ、早く速水先生の三年間の出向が終わって同期三人組が勢揃いしてくれんかなー☆
あ、彦根くんも入れて、そういや初めて出てきましたね「やさぐれ四天王」!のネーミング、四人で満天でご飯たべるとかどうですか。

そして、次回作では、ミラージュ・シオンと氷姫が表舞台で大立ち回りしてくれると嬉しい。
それと今度こそ、確研カルテットもずらりと並べてくださいよ海堂先生www

『バチスタ』→黄色。
『沈黙』→青。
『凱旋』→赤。
『祝祭』→緑。
ときて今回の『弾丸』は橙。
過去編の2冊が黒なので。
次回作は、紫、と予想しますが、いかがでしょう?


(2010.9 宝島社)
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