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花園大学ミステリトーク2010実況2

2010/10/03(日) 16:34:56 イベントレポ THEME:その他 (ジャンル : その他 EDIT
( …この実況2のエントリ、3,000字以上あります…!切りどころがなくてどうしよう…★
 携帯からご覧のかたには本当にごめんなさい。できればPCの画面で読む方がまだイライラしないと思います…。 )


なんか脱線したところで、おもむろに。

佳多山(以下、佳):メイントークテーマなんですが。皆さん、さっき、よく分からない資料を渡されたと思うんですが、国内海外の推理小説全集を、今、作りなおすならどの作家でどの作品を入れるか?というのを海外3人、国内3人として(エア)全集を作っていこうと。
東京創元社から出ている、『日本探偵小説全集』全巻(12巻)を持っておられるかた?(と会場をみまわして)ぽつぽつといらっしゃいますね…。北村先生は以前、本名でこの全集の選定に携わっておられたんです。この全集は戦前までのもので。戦後なら?

北:この『日本探偵小説全集』には、続きの『続・日本探偵小説全集』の話もあって、最終段階までいったんです。

有・佳:あ、そうなんですか!

北:時代が経つと話せることもある。だいたい、本てのはある程度ペイしないと続編が出せない。で、そこそこ売れたんです。だから続編をと。(松本)清張一巻、(高木)彬光一巻…鮎川哲也…。(東京創元社の)戸川さんたちと。小林秀雄、小林二郎、大岡昇平…、
有:私が学生の頃の(人たち)ですよ。
北:大岡先生は気難しいという話で賞なんて受け取ってくださるだろうか?と心配したんですが、推協賞ならと快諾していただいたんです。
有:難しいですね、そこは。

北:一番最後の巻に松本清張先生をもってきたんですが、作品選択で…。
有:何勝手に決めとんねん!とか言われたりね…。
北:うん、激怒なさったと聞いて、社長と戸川さんが謝罪に行った。穏やかなかただったんですけどね…。それでまあ、清張の巻が難しくなった。
また、都筑先生は、「探偵小説」というのに違和感。「推理小説」の方がお好きらしい。大岡先生のは、新潮社がいい顔をしなかった。
ということで、(続編は)幻の全集になってしまった。


ここで、佳多山さんが、黒板に第二集(続編)のラインナップを書き出したものを見て。

①橘外男、香山滋、大坪砂男、日影丈吉←有:橘外男は嬉しいねえw
②島田一男、山田風太郎←有:山田先生が1冊じゃないなんてありえへん! 北:今ではそうなんですけどね。
③土屋隆夫
④鮎川哲也
⑤高木彬光
⑥都筑道夫
⑦名作集

有:デビューの時期が近い人でくくってあるんですね。(このラインナップは)初めてききました。(ここに松本清張と大岡昇平を入れて)全部で9巻?
北:そう。

ここで、松本清張の話が中心に。

北:『点と線』は入れたくないけど…。駄作だもんあれ。
有:ものすごく急いで書いたんですよね。だから短いし粗いし。
北:あんなの書かなきゃいいのに。
有:ほんとはもっとかっちり書きたかっただろうと思うんですよ。小説は見方を変えると変わるから、そう悪いもんじゃないわなあと。…上げたり下げたり(大笑)巨匠の名を上げたのが『点と線』で。
北:《本格》のセンスが…。
有:余計なことして失敗したんですね。
北:(社会派の代名詞である)清張は実は本格ミステリがお好きでよく読まれていた、それはありがたい。でも本格の人じゃない。
有:スケールの大きな作家なんですよね。(『点と線』は)粗いけど。後々巨匠になる人は、雑なものが出世作になったりする。
北・有:(『点と線』を指して)なんてしょうもない小説だと思いましたけどね!
北:鮎川先生が(清張作品を)愛読されていたんですよね。鮎川先生ならこんなひどいアリバイトリックなんて…。
有:ジェットスキーがボートに付き合ってるようなもんですからね(笑)ただ、短編はどれをとっても素晴らしい。『上申書』が印象深いですね。
北:本格のセンスは全くないけど(笑)。『家紋』は傑作。あんなしょーもないトリックが…。なんとも恐ろしい傑作。よく推理小説で「意外な犯人」といいますけど、意外性がどうとか言っても(読者にとっては)、(キャラクターが)「あの事件の犯人、(例えば)お母さんだったって」と言っても、ふーん、て感じでしょ。それを自分の家のことと思わせるだけの力量がすごい。

有:(佳多山さんの方を見て)進行はこんな感じで延々と?
佳:いいんじゃないですか。

北:『砂の器』のことをよく言いますけど、あれは映画の話をしてるんであって、小説にはやらなくていいトリックがある。
でもやっぱり、すごい作家なんですね。

有:まあそれくらいにしときましょ。
じゃあ、山田(風太郎)作品の意中はどれだった?
北:『太陽黒点』とか『妖異金瓶梅』…全部入れるわけにはいかないじゃないですか。
有:土屋作品、私は『針の誘い』が一番好きですけどね。あと『天狗の面』とか『危険な童話』…似たような話になりますね。

有:鮎川作品、私だったら、『黒いトランク』、『りら荘』…
佳:『りら荘』と『黒い白鳥』くらいにして、あとは短編を入れられるだけ入れる、という手も。
北:『憎悪の化石』はトリックが二つあるんだよね、メインとサブと。
有:『黒いトランク』と『りら荘』は、推理小説の頂点だと思ってるんです。
佳:有栖川さんの名言で、『黒いトランク』を世界遺産にするべき、という。

北:都筑先生の(全集)には、『猫の舌に釘を打て』でもこれ全集に入れにくいんですよね、本に仕掛けがあるから。あとは、『七十五羽の烏』『三十露出』、
有:『退職刑事』シリーズは?
北:『退職刑事』からは2本くらい。
佳:都筑作品というと、怪奇小説は?
北:都筑先生が自薦されましたけどね、うーん…。怪奇小説は入れなくても…。

有:(第二集の一覧を見て)①は4人の合本、⑤の彬光は…難しいねえ、本格なら『人形はなぜ殺される』でしょうか。私はこの『人形は~』を、日本の本格ミステリの原型だと思ってるんです。トリックがはっきりしてて、早く出てくる。幼稚なところもある。名探偵は芝居がかってるし。

有:本格ミステリが読みたいからって、食えればなんでもいいってもんじゃない(笑)

北:密度というか…高木さんのは、粗いこと粗いこと!でもよく考えてるなあと思う。捌き方の妙というか。本格でこんなことができるのか、と。
有:《高木彬光》になるのは大変なこと。
北・佳:『誘拐』に『成吉思汗~』、『白昼の死角』これなんてセコい詐欺なんですけどね大きな小説です。
有:発表当時に読むのと、今読むのは違うしね。
北:本格は古びないんです。古くなりようがない。だから今読んでも古びてない。

佳:都筑作品は読めなくなってきていますね…。高木彬光は光文社から新装版が出てますけど。
北:「都筑」って珍しいんですよね。先生は下に「木」のつく「都築」と間違われるのをひどく不愉快に思っていらした。…有栖川さんも間違われたことあります?お酢の「有酢川」とか。
有:ありますよ。京都の人ならすぐに「あああそこに《有栖川》ってあるから」と分かりますけど。あとね、新潮社が「木へん」に「酉」にしたことがある。こんな字ないのに、わざわざ作ったんですよ!びっくりしましたね。


壇上の3人、みんなブラックです~(笑)
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