こんな本読みました。

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感想文いろいろ12

2010/08/17(火) 15:07:26 感想文いろいろ THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
暑い暑いとぼやきつつ、読書スイッチが絶好調ONな状態でして、さくさく読んでます。
その中から今回は、『魔法使いの弟子たち』、『クライム・マシン』、『ベヴァリー・クラブ』の3冊。





『魔法使いの弟子たち』 井上夢人 著 (講談社)
 面白い!かなりシビアな展開だし、クライシスに向かう様子が怖いくらいなのに、ぐいぐい読ませます!500ページ以上もある厚い本なんですけど。
 あまり予備知識を持たずに読む方がいいです。なので詳しくは書きませんが、こんなにキツイ設定で登場人物の心理描写はかなりあっさりです。だからリーダビリティに優れてるんでしょう。深刻すぎる心の動きをいちいち掘り下げてたら、つっかえてばかりで進まないよ。キャラ描写が浅いというのは違うとわたしは思う。
 ラストのオチがアレで読書メーターでは賛否両論ですが、わたしはアリです。むしろこうでなかったら、(キャラ描写の薄さに比べて、またそれまでの流れを考えれば)バランスがとれない。このオチで、さて未来はどうなるのか。人間の未来は人間にしか動かせない。絶望ではなく希望を。
 わたしの印象に残ったところは、「自分の将来の不安を感じるのは、若いからこそ(中略)不安は、若いからこそ抱くことのできる贅沢だったのだ」。わたしもまだ若いかなあw←おい


『クライム・マシン』ジャック・リッチー著 (河出文庫)
 短編ミステリの名手で、くどくどした文章なんてどこにも見当たらないほど、質実剛健なミステリ。かっちりという言葉とも違う…うーん、これ以上単語のひとつさえ入らないくらいに研ぎ澄まされた文章。
 読んでるあいだは、あまり好きな展開でもないなあと思ってたんですが、読み終わってみるとどれもこれもが印象深い。また読み返したくなります。さすがですね。
 わたしが特にいいなと思ったのは、『殺人哲学者』『エミリーがいない』と、ターンバックルものの2篇『こんな日もあるさ』『縛り首の木』かな。特にターンバックルものはこの飄々としたずらし方がサイコーに面白かった!これは読んでるときからわくわくしました。


『ベヴァリー・クラブ』ピーター・アントニイ著 (原書房)
 ……………うーん…。いいんだけどね……。好きじゃないなあ。捻くれ具合はともかく、名探偵ヴァリティー氏が容疑者全員をベヴァリー・クラブに集めて「さてと言い」のシーンに至るまでがもう、あくびが出るほど退屈。
 でも実はこれ、映像化されて見るならさぞ面白いだろうと思う。活字になるから冗長というかインパクトが足りないの。
 まあ、死体消失トリックとかアリバイ崩しとか動機の問題とか捜査方法は真っ当で、容疑者全員がどうしようもないという設定にうまく誘導してあるので、解決シーンでのサプライズ効果は確かにあります。ネタばらしに近いことをあえて書くなら、この作品は「メビウスの輪」。事件の真相も、ベヴァリー・クラブの面々とヴァリティー氏の関係も。
 ところで、この作品には、本格ミステリでありながら推理小説に対するアイロニーがたっぷり書き込まれてます。特に解決シーンでのヴァリティー氏の長広舌の中にね。
 私がほう、と思った部分は、「犠牲者の人となりを解明して初めて、殺人犯の正体を暴くことができる」という、ごくごく当たり前で、でも夥しい数のミステリ小説に接するうちにインパクトの強いものに惹かれがちな推理小説ファンへのアドバイス。
 著者はアガサ・クリスティを師と仰いだふたりだそうで、【ナイル殺人事件】などの脚本にも参加した経歴があるらしく、つまりクリスティがお好きなかたなら愉しめるかもしれません。

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