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感想文いろいろ11

2010/06/28(月) 17:03:44 感想文いろいろ THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
さくさく読んでますよー、ということで、また3冊ご紹介。
『神様のカルテ』、『生還 山岳捜査官・釜谷亮二』、『ブレイクスルーの科学者たち』。前2冊が長くなったので、すいませんがそのつもりでお付き合いくださいませ。






『神様のカルテ』 夏川草介 著 (小学館)
これほど読まれている作品だということすら知りませんでしたごめんなさい…!
実は、映画化に合わせて帯がまた新しくなって、その推薦文になんと、わたしの大好きで大切なお友達のコメントが載る!というたいへん素敵なニュースを知って、もう嬉しくて嬉しくてわざわざこの帯のを探して購入したのですよwww
くっはーー…!自分のことのように嬉しいwww記念にラミネートか何かで保護したいくらい♪
…んで、帯をたっぷりじっくり眺めてようやく、本を読んだというわたし。
(夜間外来の)救命救急が主な舞台という設定のせいでしょうね、ドラマのと進藤先生とか、ジェネラル・速水センセがぽわぽわ浮かんでしょうがなかったですよ。
でも文体や雰囲気はモリミー(爆)
海堂先生が現場のシステムについて吼えておられる一方で、この作品の作者である夏川先生もまた内側から現場のことを訴えようとされてるのでしょうか。
栗原先生と榛名姫のいい夫婦っぷり、一止さん次郎さんの漫才コンビ、怖い看護師さんたち、そして、癒しの安曇さんの存在。
キャラクタの書き分けがめっちゃ上手いので、そりゃもうさくさく読めてしまいます。
でも、最初はわりと説明的でもあったしそれなりに明るい感じもするんですが、中盤から終盤にくると笑顔がほとんどなくなります。
安曇さんの容態の変化が底流に流れていて、少しずつ悪くなっていく様子が、悲壮感を薄くただ静かに安らかに描かれているのは、さすがに上手くて涙が出ました。
栗原先生は、主治医というより安曇さんの家族に近い立ち位置になってますよね。だからこうして涙を流せる先生なんでしょうが(実際は、たぶんいちいち泣いていられないほどお医者さんというのは感情がどこかで麻痺してるというか堰き止められてるとおもうし、またそうでなければ日々患者さんに向き合えないはず)、とにかく優しい物語。
海堂先生のバチスタシリーズがドラスティックなテーマの映画向きで、この『神カル』はどちらかというと連ドラ向きじゃないかな、沖縄の離島で銀の竜の背に乗ったどこぞの先生のような。うん、そんな印象を受けました。


『生還 山岳捜査官・釜谷亮二』 大倉祟裕 著 (山と渓谷社)
大倉先生渾身の『聖域』を以前に読んで以来、スピンオフというかアナザーストーリーというか、とにかくこの『生還』を読みたいとずっとおもってたんですけど、ようやく手に取ることができましたv
わたしのイチオシキャラである松山警部補は脇キャラで、主役は釜谷さんと、コンビを組む(組まされる?)原田くん。
えーと、山岳捜査官って、フィクションなんですよね?山専門の刑事さん。救助隊員とは違うらしい。
釜谷さんてマイペースというか口数少なすぎるというか、コンビの原田くんも最初は大変だったようですが、だんだん釜谷さんという人を理解できるようにまで成長していて可愛いw(え)
短編集でして、4編収録されてるんですが、最後の【英雄】のみ書き下ろし。
で、他の3編がミステリ専門誌ではなく『山と渓谷』という山岳専門誌に掲載されたせいか、ミステリー色はちょっと薄め。その分書き下ろしの作品がかなりフーダニットっぽくなってます。
おそらく、山岳専門誌を読む山愛好家と、1冊に纏まって「ミステリ作家・大倉祟裕」という名前を目当てに読むミステリマニアが求めるものが違うことを十分に意識して書かれたものなんだろうなあというのがよく分かる1冊。
山岳捜査官というのかフィクションらしいと書きましたが、出てくる山々の名前も架空のものです。でも山に詳しくない素人には、実在してるんだよと言われたら素直に信じるよなーと。それくらい、日本には山が多いんだ。そして山に登る人も。
正直、最後の【英雄】は、もうちょっと絞ってほしかった気もしますが、全体のバランスを考えたら一編だけ突出してガチガチのミステリにするのもかえって浮くかな。
わたし、短編集とか長編にプラス書き下ろしとかそういう作品で、たとえ名だたる書評家さんたちが「最後のはいただけん。無いほうがまだよかった」というキツイ評価のものでも「えー、これはこれでいいんじゃないのー?無かったらそっちのが中途半端やん」とおもうタイプで割りとなんでもウェルカムなんですが、この【英雄】は逆に、ミステリ色を前面に出すのならもっとスパッとエッジの利いた真相でも良かった気がする。フーダニットなのかホワイダニットなのか、それともハウダニットか。どれに重点おいて読むべきなのかなって。

『ブレイクスルーの科学者たち』 竹内 薫 著 (PHP新書)
 久しぶりに竹内先生の御本が読みたくなったので購入。
iPS細胞でノーベル賞候補だという山中伸弥教授をはじめ日本の11人のトップスペシャリストを紹介しています。
中には素粒子とか量子コンピュータとか、聴き手で書き手の竹内先生の専門分野の章もあって、そこはいくら平易を心がけておられたとしてもどうしても他の章よりぐっと難しくなる(言い換えれば、筆が乗るような感じ。滑らかになる、というか)けど、でもなんとか脳内でイメージできないことはない。ていうか、自分で想像することすらしないとしたらそれは読者の怠慢。
わたし個人として興味深かったのは、資生堂リサーチセンター主幹研究員の先生の話と、視力回復やレーシック手術の第一人者の先生のところ。やっぱり自分の身にフィードバックされやすい分野なので(笑)。
そして、白血病再発を予防できるはずの薬が日の目を見られなくなってしまった、というくだりにやりきれないものを感じました。そんなんアリか…。


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