こんな本読みました。

読んで感じて書き出して、そして忘れていく。備忘録ブログ。

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感想文いろいろ10

2010/06/28(月) 16:58:55 感想文いろいろ THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
また長々と書こうとおもえば書けるけど、いろいろ考えた結果、盛り合わせにした方がいいかなあ…?ということで。
がーっとまとめて4作品、一気にアップ。
『正しい大阪人の作り方』、『虚数の眼』、『玻璃の家』、『なまくら』。
エッセイとサイエンスミステリーと21世紀本格の旗手と時代小説。見事にばらばら…。




『正しい大阪人の作り方』 わかぎゑふ 著 (集英社文庫)
あーー笑ったーwww
先祖代々大阪人、て人の方が少ないのかな、人口から見て。
有栖川先生もそうですが、ゑふさんも大阪で一番歴史の古い土地にお住まいということで、全国的にテレビで認知されてる「誇張された大阪人」ではなく、冷静に引いた視線で「大阪」を見つめてはりますね。
このエッセイの中にも、有栖川先生が【謎解きの国のアリス】の対談で仰ってたことと同じ話がいっぱい出てきます。そういや、ゑふさんの以前のエッセイ集に有栖川先生が解説を寄せられたことがありましたね。
…それにしても、メディアが発達してタイムラグなしでほぼ全国津々浦々に情報が行き渡るこのご時世に、まだこんなに大阪幻想を抱いてる他の地域の人々。
「芸人だけじゃなく一般人でも笑いのレベルが高い」=「1人で勝手にボケツッコミしてくれる」または「目の前で芸人と同レベルのしゃべりをしてくれる」と思い込んでる人(特に首都圏の人?)が多すぎる。笑いにシビアであるとか、会話に必ずボケとツッコミがあるとか、そういうことと、芸人でもないのに絶対に漫才をしてくれるサービス精神、は意味が違うということを、この本でちょっと勉強してください。
もちろん、大阪・京都・神戸、奈良・和歌山・滋賀・三重との比較もあって、これにはいろいろ苦笑い。近畿なんてちっちゃいエリアでも、こないにちゃうもんなんやなあ☆

『虚数の眼』 湯川 薫 著 (トクマノベルス)
えーと、サイエンスライターの竹内薫先生が別名義で出版された、サイエンスミステリー。
シリーズ二作目にあたるみたいですが、一作目よりは評判がいいようですね…。
ただ、小説家ではなく本職が学者さんでライターなので小説技法がそのレベルかというとちょっと…竹内先生ごめんなさい(汗)
でも!でもね!トリックはなかなか読みごたえあった!ミステリプロパーの先生方とは違うおかげで、専門家でしか考えつかないトリックになっててそれが説得力があったので、ミステリとしては成功してるとおもいます♪暗号とか不可能犯罪っぽいのとか死体の謎とかがてんこ盛りなんですけど、なんとダイイングメッセージまで混ぜ込んであってちゃんと伏線も仕込んであって(しかもダブルの意味をもたせてあるので隠し方が上手い!)、そのことに解決シーンでようやく気が付いたわたしの鈍感!二転三転するラストに楽しませていただきました。つい最近改訂された第1作目の『ディオニシソス~』も読んでみようかな♪

『玻璃の家』 松本寛大 著 (講談社)
…うーん…なんやろ。目新しくはない「相貌失認」という障碍を最初から最後まで引っ張ってこられる筆力はすごいし、三つの時代の事件の絡ませ方も上手いのに、なんとなくすっきりしない。双子(きょうだい)トリック×3?という結構なチカラ技と、探偵役(にしてはちょっと弱い)のトーマの知り得た情報との強弱のバランスというか…。それと、このラストはこれでよかったのかなあ。刑事さん達とトーマ、コーディが辿りついた真相のあと、犯人の動機も心情の吐露もほとんどないので、コレで終わり?って感じがした。もしかしたら、これこそが「魔女裁判」なんじゃないかという狙いでもあったの?犯人の隠し方ももう少し引っ張ってくれたら、どんでん返しで鮮やかに決まった気がするです。

『なまくら』 吉橋通夫 著 (講談社文庫)
京都水無月大賞2010の大賞作品。で、いそいそと買って読んでみました。
…ごめん。わたしやっぱり天の邪鬼。
読書メーターやメディアマーカーでも絶賛されてるし、この大賞にノミネートした書店員さんや選んだ書店員さんの手放しの褒めようを見て、私の感性おかしいのかなあとちょっと凹んだ…。
ええとね、短編集で江戸末期から明治初期にかけての京都やその周辺を舞台に、男の子たちを主人公にした感動と希望の物語、なんですけど。
その「感動」「希望」が、私達大人の勝手なイメージにしか思えないんですよね。
読み書きもできず子どもらしい遊びもできず、ただ生活のために、親を助けるためにしか生きられない時代の子ども達。確かにこの時代に限らず、古代王権時代から第二次大戦後の生きるか死ぬかのつい最近まで、日本はこんなだったよ、といわれればそうなんですが、だから子ども達はたくましかったし、したたかにしなやかに生きていたんだね、という清々しさが大人のこころを捉えるのでしょうけど、だからってこの時代の生き方に戻ればいいとは絶対に思えない。生まれた瞬間に人生が決まってしまうような、生き方の選択の余地がほとんどない社会が、100%いいとは言わないでしょう?
現代の子ども達にとって、この時代の生活や社会は、日本昔話なんです。リアリティのない、文字やアニメでしか知らない世界。ふーん大変だったんだねえ自分も頑張らなきゃ、とそれなりのことは言えても共感はできないんじゃないでしょうか。
そう思うと、この本をぜひ子ども達にも読んで欲しいとか児童文学賞を受賞したとかいうのは、私たち大人の、「子どもはこうあってほしい」という勝手な理想を押し付けてるだけにしか感じない。学校の課題図書みたいな、そんな感じ。だから、大人が喜ぶ感想を書きやすい作品ではあるな、と思いました。
辛口ですいませんが、これはたぶん、主人公が全員男の子で、後半2編には女の子も出てくるもののそれは主人公たちとの対等な関係じゃなく年齢関係なしに「女性=母性」でしか描かれていないからかもしれません。主人公たちと対等な女の子がいれば、もっと感情移入ができたかもしれない。

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