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『ベストセラー「殺人」事件』エリザベス・ピーターズ 著

2010/05/26(水) 18:19:38 エリザベス・ピーターズ THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 これはこれは!
 文庫にしてはちょっとだけ分厚いんですよね、でも頑張って読んで正解vvv愉快なコージーでしたーー♪
 もともとコージーってあまり読まないんですけど(嫌いなわけじゃなくてコージーにまで手が回らない…)、こういう骨太なコージーもあったのかーと目からウロコでした。
 なによりタイトルが捻ってあるのがいいですよね、



裏表紙には、「世紀の大ベストセラーを発表したにもかかわらず、その原作者が突然の失踪。7年後に続編を出すという話がもちあがり、審査の結果えらばれたのがジャクリーン。彼女は原作者が住んでいた田舎町に滞在して過去の資料をひも解くうちに、不可解な謎とぶつかり、徐々にジャクリーン自身も身の危険を感じるようになる……」みたいなあらすじが書いてあって、ふ~んじゃあこの原作者のキャスリーンてもしかしたら生きてるのかなーという見当はつきますが。
それでも「殺人事件」は出てきます。

結局、キャスリーンが書いた大ベストセラーに誰も彼もが振り回されて、死ななくてもいい人が死んでしまうという、まるで殺人の凶器はこのベストセラーの存在なのだよ、という読後感でした。

コージーなので、事件の真相にたどり着くのは刑事でも職業探偵でもなく、ロマンス小説家のジャクリーン・カービー。
いやもうこの女性が!めっちゃチャーミングというか肝が据わってるというかとにかく冷静な視線と明晰な頭脳を駆使してピンチを切り抜けていく様子は拍手喝采!
最初はねえ、ああなんかヤなオバサン~★とかこんな人が視点人物かい…とか、ちょっと敬遠気味だったんですけど、審査を受けて続編の執筆者に選ばれるかどうかというあたりで既に大好きになってましたよジャクリーンwww
かなり大きな息子たちの母親でもあるので、年齢的にはもう中年も終盤に差し掛かった女性なんですが、この行動力は若いモンには負けられないという気概がすごい。その時々に選ぶファッションにもちゃんと意味があるのも素敵。
自惚れ屋でお節介なのはお約束なんです。
全体の三人称とジャクリーンの心の声が一緒くたに書かれているので、ジャクリーンの1人ツッコミが自惚れだろうがお節介だろうがそれは好感度アップにつながるという不思議。
たぶん、このジャクリーンの描写に手を抜かなかったからでしょうね。いろいろウザイ部分もあるし上から目線なんやけども、まっすぐで潔癖なこころをもった女性なんだなあ、と感じるんですよ。

ていうか、手を抜かなかったというのは、作品の最初から最後までを貫いているんです。
ちょっとした不安感を煽るのも、とうとう起こる殺人事件も、そして男女の駆け引きやジャクリーンと編集者やライバルたちや村の無骨であたたかくて物見高い人たちとのやりとりも、どのシーンも適度に緊迫してるのに肩の力が抜けてる印象。でもどこも書き落としのないように細心の気配りが感じられる。
とにかくみっしり。ぎっちり。そんな感じ。
そのくせちっとも重く感じない。起こる事柄はけっこうヘヴィーなんですが、それをジャクリーンのユーモアと切り替えの早さがテンポをよくしていますね。
コージーというと中には要らんやろこんなシーン!とかツッコミたくなるときもあるんですけど、この作品はそういうのは全然おもわなかった。むしろずっと読んでいたかった。

キャスリーン失踪に関して、怪しい人物はゴロゴロしてるし、もし命を奪ったのならその人物はかなりのタヌキなんですけど、みんなどこかしらへっぴり腰でジャクリーンのペースに乗せられて、その弱さがかえってジャクリーンの前で起こってしまった殺人事件の容疑者に絞れないなあと。
ガチなミステリによく出てくる、邪悪さを隠しつつ動く、「意外な犯人」には結びつかないんですよね。
だから最後まで犯人が気になって読めてしまうので、コージーとしては重いのにやっぱり楽しいんです。これは上手いわ。
ミステリーとしての謎解きがユルイのはご愛嬌wwwむしろ人間描写がメインのようですから。

アメリカのとある町を舞台にしているのに、バタくさいアメリカ臭は薄く、ニューヨークとかフィラデルフィアとかいう地名が出てこなければイギリスの片田舎で起こったことだといわれても違和感がない気がします。こういうところは、イギリスミステリの典型である、人間観察・人間描写に重点を置いて書かれた作品なんだなあと実感。

この作品、実はシリーズ4作目なんですよね。
ジャクリーンってこの作品から「ロマンス小説家」に転身、3作目の翻訳は未訳でその3作目が作家への転機にあたる作品になるらしいですが、それまでの作品ではなんと図書館の司書として地味~な存在なのだそうです。
この女性的魅力をフル活用して派手派手しくケバケバしくイケメンとくればベッドを共にする空想に耽る夢想家のジャクリーンが、いったいどれくらい地味~なただのオバサンだったのか、これは是非ともシリーズ2作目の『リチャード三世「殺人」事件』も読まねばなりませんよ♪
そして、現在のところ、この『ベストセラー「殺人」事件』がジャクリーンのシリーズとしては最新、つまり続編がストップしてしまってるらしいですね。うわぁ、これはぜひ続きが読みたいです!書いてくれませんかエリザベスさん!出たら必ず邦訳してくださいね扶桑社さん!

(扶桑ミステリー)
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