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『天霧家事件』 太田忠司 著

2010/05/01(土) 11:38:34 太田忠司 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 今までこのシリーズの感想文、エントリひとつ使って書きましたっけ…?
 ってくらい、手堅すぎて長々と書くほどでもない安定感だったこのシリーズですが、今回のコレは、確かに異色作だとおもいました。俊介くん不在だと、奇想天外なトリックの解明よりも、大人の世界の探偵物語になるんですね☆
 なんていうか、あっという間にネタばれってしまいそうな気がするので、ちょっと違う話を書こうとおもいます。そして、実は猛毒撒き散らしてます。ぜったいに太田先生ファンには読まれたくないんですけど。びくびく。




うーんとね、私はとにかく、推理小説・探偵小説において、主役の探偵にまとわりつく異性の下心ってやつが、我慢できないほど大嫌いなんです。ジャマ。うざい。とっとと身を引きなさい。そうおもってしまう。

ということで、私は実は、シリーズの最初から、アキちゃんもイマイチ好きじゃない。

それなのに今回は極めつき。
俊介くんがいないとなると、途端に秋波を送る女性のなんと多いこと!
モテモテやな野上さん(苦笑)
いや、分からないではないんですよね、偉大すぎる名探偵の跡を引き継いだといっても、名探偵にはとうていなりえないと自覚している野上さんは、それだけ誠実な人柄で、妻を亡くしたやもめという割には清潔感に溢れたダンディーな紳士。
…わかるんですけど。
ただね、特にアキちゃん、アンタ何様?って思うのどーしても。
婚姻関係が許されるほどの遠い親戚ってわけじゃないし、将来を約束されたわけでもない、年の差飛び越えてただ片想いしてるだけでしょう。
そのあんたが、ちょっと駅前で自分の知らない妙齢の女性と野上さんが歩いてたからってだけで、なんでそんな八つ当たりするの。アキちゃんのことをそんな風には見ていない野上さんに対して、そんな勘違いも甚だしい行動するのは若いゆえの特権という問題じゃないよね。そんな権利が、アンタのどこにあるの。
だいたい、非公式というか非常勤という形で探偵事務所に関わることを許されたアキちゃんが、依頼人が来たときに、当然のように一緒に話を聞いてるだけでもすでに身の程知らず。わきまえろ。…実際、声に出して呟いたよ私ゃ。
こいつ、野上さんが未だに奥さんだけを愛しているのは理解してても納得してないよね。生きてる人間のほうが強いってんで自然に取り込まれようという下心を持ってるようにしか見えない。

(「小説」として、こういう描写がないと物語がまわらないのは十分わかります。私の嗜好としての選り好みの問題で、私はこういう描写はよくて読み飛ばす読者。謎や事件に集中したいの伏線が仕込んであるとしても)

と、アキちゃんへの評価が地の底まで落ちましたよこの作品で。太田先生ごめんなさい、そんなつもりはないんでしょうねきっと。私が偏屈なだけですよ。

アキちゃんはもう露骨に自分の感情を野上さんに押し付けて支離滅裂でしたが、他にも大人な女性が入れ替わり立ち代り、野上さんに寄り添っては流し目くれてしなだれかかる(←いやそこまでは…。でも下心はムキだし)
ただ、アキちゃんと違って、野上さんにその気がないとわかると、さっと引くだけの器量がある人、静かに諦める人、ヤマアラシのようにトゲトゲしながら捨てゼリフ吐いて退場する人、さまざまでした。
まあこんなにモテるのに、片っ端からばっさばっさと切り捨てていく野上さんも相当ですが(苦笑)

とにかく私は、自分の感情を押し付けるような、気付け気付けと呪文をかけてるみたいに誘導しようとする異性キャラの存在は、心底好きになれません。
もちろん現実ではこういうのが人間らしいし自分もそうなんだと理解してますが、フィクションなんやもん、聖人君子ばっかりの小説は確かにまったく面白くないけど、下心スケスケ具合やそれに惑わされる探偵の様子を、読者としてニヤニヤと楽しむ嗜好は持ち合わせてないんです。むしろ、サバンナで捕食されようとしている草食動物に「近くにライオンが居るよー!逃げてーー!!」と大声出したいタイプ。

刀城言耶シリーズの偲ちゃんも、S&MシリーズのM絵ちゃんも、似鳥さんのシリーズの演劇部部長も、とにかくそういう系の女性キャラが嫌で、三津田さんのはともかく森せんせいのこのS&Mシリーズはそれが吐きそうなくらい気持ち悪くて読むのやめた私。ごめんなさい(汗)

同じ太田先生のシリーズでも、『ミステリなふたり』のあのシリーズの夫婦、あの涼子さんは大好きなんです。←今さらなフォロー。てかフォローにもなってない気も…。

自分の殻に、自分の世界に閉じこもりたいという人の中にズカズカ入り込むとか、外に引っ張り出してあげなきゃ!なんていう人に言いたい、その余計なお節介はやめてあげて。自分のペースで生きている人に対して失礼。自分の価値観を押し付けてるだけです。

…私が作家アリスシリーズがなにより好きなのは、長年の付き合いであってもアリスさんの繭に触れない火村先生と、火村先生の深夜の悲鳴を知っていてあえて過去を聞かないアリスさんの距離感が心地いいからです。どちらかが最初にズカズカ踏み込んでたらたぶんここまで好きにはなれなかったし、…まあそんな設定だったら、そもそもこのシリーズ自体が存在していないでしょうが(笑)

(創元推理文庫)
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