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『蝦蟇倉市事件1』 大山誠一郎 他

2010/02/12(金) 18:45:07 アンソロジー THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 架空の街・蝦蟇倉を舞台に、不可能犯罪が次々と起こるという競作アンソロジー。来月には第二弾も発売されますね。
 いやそれにしても、ミステリ・フロンティアというレーベルで、こういうアンソロが出るというのが嬉しいというか意外というか。
 私の一番のお目当ては大山誠一郎さんですが、伊坂幸太郎さん、道尾秀介さん、福田栄一さん、伯方雪日さんという、「1970年代生まれの作家陣による珠玉の競作アンソロジー」という帯に驚きました…そーかー、そういう括りのアンソロだったのかー!
 で、そういうわけなので、カテゴリは大山さんに設定しています。(伊坂さんでも道尾さんでもいいのでしょうが)



収録順に(敬称略)
【弓投げの崖を見てはいけない】道尾秀介
【浜田青年ホントスカ】伊坂幸太郎
【不可能犯罪係自身の事件】大山誠一郎
【大黒天】福田栄一
【Gカップ・フェイント】伯方雪日

そして巻末に、執筆者コメントがあります。

ていうか、このアンソロの経緯については、第二弾に収録される米澤穂信さんのブログが一番分かりやすいです。
「蝦蟇倉」という地名の発案者が道尾さんで原稿を一番最初に上げたのも道尾さん、街のイメージは米澤さんの発案で鎌倉。
でも、いくら風光明媚でも、年平均15件も不可能犯罪が起きる街なんてヤだ…☆

道尾さんの【弓投げの崖を~】
うーん、道尾さんらしいっちゃらしいですが、なんかちっちゃい気もしますね…。道尾さんの著作を読みなれている人にはたぶん、すぐに分かるはず。明らかに言葉の使い方が違うし、この刑事さんのモノローグもそうですし。
まあ、クライマックスが皮肉な展開になってるので、そのことも含めてラストシーンのこれは誰だろうと何度も何度も読んでしまいます。うーん…ヤバイ彼じゃないですよね…?時刻が合わないし…?とすると、どっちだろう…?

伊坂さんの【浜田青年ホントスカ】
これも伊坂さんらしい、温度の低くて乾いた感じで飄々と。
この相談屋さんの薀蓄に、いちいちへぇボタン押しそうになったよ私。
で、二転三転する真相に、ほぉぉと思う。
道尾さんの作品に絡めてあるところが巧くて感心しました。このことが、道尾さんのお話のちょっとした隙間を埋める役割になってるので、道尾さんのあのくだりを「アレは無理だろう」と早合点してはいけませんね。でも書き上げたのが3年前とは…。

大山さんの【不可能犯罪係自身~】
ブラボーブラボー!!
大山さんにしか書けないミステリですよこれw
10年前の事件の真相は、トリックは全然でしたけど犯人はすぐに分かった。
で、博士自身が巻き込まれた今回の事件のカラクリにはニヤニヤしちゃったよ☆10年前の事件の謎を解いたからこそ解決するという手順の妙もあって、ロジックが炸裂してます♪♪
小説だからこそ書ける話で、リアリティはほとんどないけどその分、本格好きにはたまらんですよwww
で、やっぱり、ラストに明かされる動機!
傑作『アルファベット・パズラーズ』もそうだったし、昨年のアンソロ『不可能犯罪コレクション』に収録された短編の中でもかなりえげつない動機だった。
で、今回のこれがまた、現実には全くもって理解不能。犯人は自分しかいない世界で生きていて、他人は人間じゃないし考慮すべき人生も存在しない。でもそれだけにインパクトは大きいです。こういうのを書ける本格ミステリ作家さんは、そうそういないでしょう。うん。

【大黒天】の福田さん。
失礼ながら同じMFの『エンド・クレジットに最適な夏』よりも『A HARRY LECKY MAN』の方が好きです。いやそれはともかく。
ま、そんな感じの、ミステリ色は薄めかなーと思って読み始めたんですけど、だいたい想像はつくものの楽しく読みました。
で、蝦蟇倉名物不可能犯罪というには事件そのものは摩訶不思議でもなんでもなくて、祖父の隠された過去を孫たちが辿っていくその過程の、お姉ちゃんの頭の良さにほぇぇと感心しましが、そういうことですか!
で、道尾さんのお話が真っ先に上がったらしい、と冒頭で書きましたが、そんなわけで、道尾さんの作品にちょっとだけリンクしてます。
まあ、これがサプライズでしょうね。

最後は伯方さんの【Gカップ・フェイント】
すいません、初読の伯方さん。大丈夫かなとおもいつつ読みましたけど、がっちりミステリでニンマリ♪
格闘技のことには本当に疎くて、試合中の技の描写とかは今ひとつピンと来なかったんですけど、事件のありえない現場とか真相とか、そして何より探偵役の彼にびっくり。エラリー・クイーンか法月親子か(笑)
で、この伯方さんのお話は、大山さんのものにリンクしてます。…真知博士と和戸くん、もしかしたら大変なのかもしれない(爆)
事件はいわゆる、「顔のない死体」もの。の範疇でしょう。それより仏像のあまりの悪趣味さにめまいがしたけど、そのお披露目の経緯が伏線でごちそうさまでしたw
てか、ナギくんの語り口がいい!真相は、これもどう考えてもリアリティゼロですが、思考実験というかミステリなんだからこれでいいんです。うん。
伯方さんのMFでの前作、『誰もわたしを倒せない』を是非読みたいとおもいます☆

全体的にもレベルが高くて、ミステリとしてもハズレがなくて、嬉し楽しのアンソロでした。
これは来月の2巻目も期待できるー♪
楽しみ楽しみwww


(2010.1 ミステリ・フロンティア)
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