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『密室キングダム』 柄刀 一 著

2008/09/03(水) 10:20:50 柄刀 一 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
さてさて、このちょー分厚い作品を初めて書店で見たとき、ひびりました。

にせんはっぴゃくえん!?買う人いるの?

私は図書館で借りました。

で、すこーしずつ読み進めていって…進まなーい!(泣)
退屈な展開じゃないのに、ちっとも進んだ気がしない。
おまけに、両手に持って読めません。二の腕がプルプルしてきます…。
まさしく、密室との格闘でございました…。

で、感想ですが。


密室、密室、密室…金太郎飴のように、最初から最後まで密室。
思わず有栖川先生の『46番目の密室』を思い出しました。
アリスさんが密室密室……で唸ってましたよね(笑)。

舞台になったいわくつきのお屋敷、第一の被害者は今夜まさに復活を遂げようとしたマジシャン…。被害者のアシスタントやお弟子さん、妻も元マジシャンで、おまけに探偵役の南美希風は被害者のマジックの生徒。他にも母親とその介護士というか世話係、よくわからない学者、また引退した警察キャリア。
容疑者の中には、当然被害者と同業の人もいるし、お屋敷のからくりを示す見取り図まで出てくるし。

だからでしょうか、密室トリックというより、マジックまたはイリュージョンのタネ明かしを読んでいるように思えて些か戸惑いました。

これだけの大作、柄刀先生渾身のミステリでしょう。
でも、どうしてこれを一冊にする必要があったのか…。二つの別の話にこの密室を使っても良かったのでは?そう思えてなりません。
作家魂を注ぎ込んで書かれたのは、痛いほどよくわかるのです。
おまけに、面白いです。
退屈なお話では決してありません。
でも、極端に言えば分厚さを、その圧倒的な見た目を、読者を押し流すチカラに利用してほしくはなかった。


そして、なにより引っかかったこと。

この犯人の設定、エラリィ・クイーンの『最後の一撃』とそっくりやんか!

まるまるかぶってます、ほんま。

…気がついたのは、読み終えて図書館に返却して、さらにだいぶ経ってからですけれどね。

さすがに動機は違うし、被害者の数や状況も別物ですが、なんか釈然としません。

密室のトリックはさすがにすごいです。
図書室の事件なんて、ほおおっと感心しました。

また、美希風くんの今にも壊れそうな心臓に、「まさか探偵役が途中で死なへんやろな」とハラハラさせられ。実際、何度か倒れるし、意識は混濁するし。
彼の容態をお姉さんの美貴子さんと同じ気持ちで心配しながら、読者も事件を追うのです。

次々に起こる密室殺人。
でも、中のひとつだけ殺人ではなかったことが、美希風くんによって明かされます。ちょっと論拠が弱い気がしないでもないですが、悲しい事件に変わりはありません。そしてその時の老女が直前に話そうとしたこと、結局死ぬまで隠し通したこと、それが事件の裏の裏でした。

犯人の告白も終わり、プロローグの場面に戻ってきて、ではこれにて、で了かと思いきや、えっと驚くシーン。

死者か生者か、夢か幻か、医師とともにこちらもわからなくなる…。

必要だったのかな、これ。
別にすっきり終わるだけがミステリではないけれども、この幕の引き方は、この長大な物語が果たして真相に辿り着いていたのか、全てをひっくり返される。

読んで損はないけれど、好きか嫌いかが分かれる作品ではあるだろうなと思いました。


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