こんな本読みました。

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『Anniversary50』アンソロジー

2010/01/08(金) 02:36:45 アンソロジー THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 …ようやく、全作品を読了。アンソロジーって、お目当ての作家さんの以外の作品を読むまでに時間がかかるのです私。もろちんアンソロだと初めて読む作家さんの作品を楽しみに購入されるかたの方が多いのでしょうが。
 全て書き下ろしの短編、ということで、そして「50」というだけの緩い縛りがあることで、逆にバラエティに富んだアンソロになりましたね♪



収録順に、(敬称略)

『深泥丘奇談---切断』 綾辻行人
『雪と金婚式』 有栖川有栖
『五十階で待つ』 大沢在昌
『進々堂世界一周 シェフィールド、イギリス』 島田荘司
『古井戸』 田中芳樹
『夏の光』 道尾秀介
『博打眼』 宮部みゆき
『天の配猫』 森村誠一
『未来の花』 横山秀夫

もちろん私のお目当ては、有栖川先生の、それも作家シリーズ書き下ろし短編ですから!
それと田中御大の、こちらは数あるシリーズキャラの出てこない全くの書き下ろし。
あと、綾辻先生の『深泥丘奇談』の続編となる短編も。

この3作品だけは、届いた日にすっかり読んで堪能しましたが。
他のはこれがなかなか…それぞれの先生のファンのかた、ごめんなさい。

で、やっと、全部を読み終えました。

さすがに「カッパ・ノベルス創刊50周年記念作品」と銘打ってあるだけに、ほぼ読後感の良いものが並びましたね。
(お1人、例外のかたがおられますが(苦笑)。誰とは言いませんよそんなバラバラでホラーばりの……むにゃむにゃ★)

中には私にとっては初めての先生もおられるのですが、それでも読んだ限りでは、それぞれの持ち味というか特徴がよく現れた短編集ですね。

綾辻先生は、あの摩訶不思議な言いようの無い気持ちの悪さと、本格ミステリとしての視点を合わせた独特の。

有栖川先生はやっぱり、火村准教授と作家アリスさんとの良きコンビっぷり健在なベースに、水晶のような事件の謎解き♪♪ファンにはもうウットリですよ…www
そしておそらく大阪府警の船曳班は別名「火村先生ファンクラブ」に違いない(笑)

大沢先生、上手いなあコレ。「噂」をこういう風に使うとは。視点人物が私立探偵じゃないし正義感に溢れる人物でもない、むしろ真逆なポジションを望む若者で、そのある意味純粋な心を、実際にありえる大都会の裏側の中で動かす。ハッとしました。

ミステリ界の大御所、島田先生の、御手洗サン。鋭い観察眼が十分に生かされた京大そばの食堂での行動と、それをきっかけに語られたイギリスでのふれあい。ミステリーとは言わないといっていいとおもいますが、でも島田先生らしいメッセージの込められた、いいお話でした。

そして田中御大。怪奇小説、でしょうかこれは。オチというか解決のないお話なんですけど、それがかえって、人間の悪意が際立っていて怖い。十九世紀のファンタジーめいた事件も許された時代の、「金持ちの優雅な犯罪者」との対峙。田中芳樹ワールドを知ってるファンなら、いかにも御大らしい筆さばきと、この練り込まれた作品は忘れられないとおもう。

道尾さん。この中で唯一の若手作家さんですが、全くひけを取らない作品ですね。『シャドウ』を思い出した。…ただ、道尾さんのことだから、子どもたちの世界の話やのに視点人物の一人称が「私」というのはゼッタイなんかどんでん返しがあるはず!と最後まで疑ってかかった自分が哀しひ。ネタは、×××に興味があるか実際使ったことのある人ならすぐに分かるんじゃないかな。

宮部さんのはね、私はもうどうしても、小路さんのアレとかコレとかソレを思い出してしょうがなかった!(笑)アレとコレとソレを混ぜて宮部さんが書くとこんな感じ、みたいな。

森村先生のは、がっちり推理小説!てか、チープではない上質の二時間刑事ドラマっぽい。棟居さんとかでその多くの著作がドラマ化されているだけあって、これもすぐに脚本に起こされてもおかしくないなあ。

トリを飾る横山先生、これぞ50周年記念にふさわしいラスト。なんてすがすがしいんだ☆☆…捜査本部の刑事よりも一線を退いた大ベテランの捜査官の方が「安楽椅子探偵」として事件の真相を見抜くのもそうですが、それすら建前というか表層の部分にして、実はもっと深いものがある。その埋め込み方の自然さが好き。始めと終わりの綺麗な繋がりが腑に落ちて、タイトルの「未来の花」が、容疑者とかお隣さんだけじゃなく、登場人物の全てに向けられた言葉なんだよ、という。

とまあこんな感じでしょうか。

有栖川先生のは、今年の秋(だとおもわれる)の火村シリーズの新刊に纏められることになるだろうし、綾辻先生のももちろん『深泥丘奇談』の続編が出ると公言されてますからそこで収録されるでしょう。
でも、やっぱりこのノベルスは超豪華すぎて、損した気分にはなりません。
帯にある「9人の作家によるサイン色紙」の応募、出そうかなw
締め切りにまではまだもう少し日にちがあるので。

もうこんなデラックスなアンソロジーは出ないかもしれない。
それだけでも、買って読む価値はありますよ!是非w


(2009.12 カッパ・ノベルス)
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