こんな本読みました。

読んで感じて書き出して、そして忘れていく。備忘録ブログ。

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『リライブ』 小路幸也 著

2009/12/21(月) 23:25:16 小路幸也 THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 ~~~~~くあぁぁぁぁ(泣)
 いい!やっぱり、この《バクシリーズ》、めっちゃいい!
 こうして七つのお話が纏まってみて、そういや私、単行本になるまで我慢しようとか柄にもないことして、途中から未読だったんですよ!(実際、読むまで気が付かないというか忘れてたってどーゆーことだ…)
 で、わくわくしながら読んでたらッ!
 あああ~~ヤラレターー!また涙腺大崩壊ですがな★
 ということで、とにかく読みましょう!うん。
 ここから先は、かなりネタばれってます!
 未読のかた、今まさにこれから読むのよッというかたは、一旦ここで回れ右してください。読了されてからお付き合いくださいませ。


ああもう、小路さんって、いったいどんだけ引き出し持ってらっしゃるのでしょうかっ!
これで何回目だ小路さんの作品に泣かされたの。
罪なお人どすなあ小路さん…(いや違うから)

【輝子の恋】
【最後から二番目の恋】
【彼女が来た】
【J】
【生きること】
【あらざるもの】
【すばらしきせかい】
の、以上七編。

私が雑誌掲載時に読んでいたのは、【彼女が来た】まででした。

この前半三編が、どれも恋愛関係が主軸になってるのは、確か掲載されたその時の雑誌の特集がそういうジャンルだったんですよね?

【輝子の恋】の素朴さというか実直な設定が清潔感に溢れていて爽やかなだけに、バクに二度目の生を与えられて迎えた最期で語られた、一度目の生の分岐点より後の出来事にはびっくりした。そりゃそこからやり直したいわ。

【最期から二番目の恋】は確か、電車の中で読んでたんだ。で、1人とくとくと頷いた気がする…(周囲が一切見えてない人)。恭一くんと凌一くんにちょっとどきっとした(笑)もちろん同名異人ですよね。

【彼女が来た】、ああこれは、やり直したいだろうなあと納得。このうちのどれが一番の後悔なんだか、どれもこれも後悔の種だわ。
でも、感情としてはシンプル。環境によっては、ありがちなことかもしれない。

で、【J】からは初読。
どんなんだろうとおもったら…ッ!

涙が止まらないんですけどっ!ティッシュ手放せないんですけどっ!

と、ぐしぐし泣きつつ、あーこれ雑誌の時に読まなくてよかったーと。
申し訳ないんですが、かなり遅筆などこぞの大先生と違って(苦笑)小路さんのなら間もなく単行本になるだろうし、と思って雑誌に掲載されたときは本屋さんで立ち読みしてたんです。
これ、立ち読みしながらぼろぼろ泣いてるとこだった……ははは。

もうこの【J】が!
小路さんお得意の音楽モノを持ってきただけあって、ものすごく切なくて痛くて、でも清清しい。
バクと取引したのは先生のほうだったのか。
そしてこの先生、そんな隠し玉持ってたとは(笑)
「進学校」に一番縛られていたのは、一回目の生を生きた先生だったんですね。
ネタばらしになるから、これ以上は書かないけど、でもこのお話のあたりから、だんだんと《バク》という存在自体にスポットが当たるんですよね。薄いながら実体を持つ、というか。

【生きること】はね、なんとなく真相は分かりました。
いくら常連さんでも、その人の顔色から内面までなんて気が付かないって。
ということで、一番してやったりなのがおそらく、この白衣のひとでしょうね(笑)

で、次からがもう…涙で読めやしない…★

【あらざるもの】のコレは、えっと、高田先生の『QED』の何だったか…『百人一首』か『六歌仙』か、そこらあたりに出てきましたよね、この概念。
でもさらに、はちろうさんが夢で未来視するというファンタジー。その夢の話を語るとき、現代の科学技術が摩訶不思議で仕掛けもなにも分からんという述懐とともに、「おそらくは~」「今の世より~」と、(たぶん平安期の)昔の人から見た現代の様子を教えてくれたこと。これが素晴らしかった!
彼らよりもはるか「未来」を「日常」として生きる私達が、信じられなくなっているもの、忘れがちなもの、そういう目線を、まさか平安朝の人から教えられるなんて。
これ、普通のカスな小説家だったら、作者のおもいをキャラクタにどんどん背負わせてアツク語らせて、鬱陶しくてしょうがない物語になるとおもうんですけど、小路さんはそのキャラクタとはかなりの距離を取っておられるので、混同しないんですよね。だから押し付けがましくない。

そして最後の【すばらしきせかい】!
いや、二度目の生を終える直前の、展開までは悪く言えばご都合主義と言われかねないんですが、まさかそういう捻りがあるとは!予想もしてなかった、けど、言われれば確かに分岐点に戻りたいと願う関係者は、視点人物だけじゃないんですもんね。
そして二度目の生と一度目の生、どちらがより良かったのか、誰にも判断できないということも。
このお話でおそらく初めて、バクは同時進行で2人いっぺんに関わったことになるんですね。
(それまでのお話では、もう一段上からの視線があるんですが、介入まではしなかったでしょ)

なんにせよ、バクのいる幽かな時空は、やっぱり人の世の時間軸とは別で、その周りを取り囲む別の人の人生(生前の関係者?)のおもいが取り囲んでいるみたい。
「ルール違反」でそれがはっきり分かったけど。
でも最終話が初めてじゃなくて、最初のお話からずっと、そういう二段構造になってましたしねw
いやマジで上手い!
この二段構えがなかったら、かなりさらさらした印象で終わってしまうところを、くいくいとツイストを利かせてあって(中には三段構えになってたり!)、まるで、グーグルマップで宇宙から特定の地点にまでズームアップしているような、そんな感じがしました。もしくは、子宇宙と孫宇宙のような感じ。孫宇宙は子宇宙に内包されているというでしょ?あれ。

くはぁ~…どう書いても、感じたことの1/10にもならないんですけど(力不足…ああ文才が欲しい…)。
小路さんらしいいいお話であると同時に、少し不思議なヴェールのような謎掛け(ミステリでいう謎解きじゃなく)を施した感じの今までにない小路作品だとおもいます。
ああでも、受けた衝撃は、めぐりんシリーズ、もとい(笑)『HEART~』シリーズに近いかも。なので、めぐりんにぐっと来たかたには特にオススメ!(なんか間違ってる)
今年最後の小路さんの新刊でした。
もう新刊ラッシュで書き下ろし文庫とかもろもろ合わせて13冊も出た今年!
私たちファンにとっては、まさしく小路さんカーニバルな良い一年でした♪
ありがとうございましたwwwww
小路さん、今年一年、本当にお疲れ様でした。
そしてまた来年も、たくさんの物語を私達に届けてくださいね!

(…さて。なんかやっぱり、有栖川先生の仰る「ことば」が書き切れてないなあと…まだまだ修行が足りんです★)

(2009.12 新潮社)
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