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『百番目の男』 ジャック・カーリイ 著

2009/12/21(月) 23:19:52 ジャック・カーリイ THEME:読んだ本の感想等 (ジャンル : 小説・文学 EDIT
 海外ミステリの新作で何かいいのがないかなーと書評サイトさんなどを徘徊していたときに、このジャック・カーリイの新作があって、へえと興味がわいたんですが、アマゾンのレビューなんかを見るとどうもこれはシリーズ1作目から読んだ方がよさそう、ということで、とりあえず図書館から借りてきたカーソン・ライダーシリーズ第1作目。
 いやはや驚きました。
 それにしても、この邦題は、なんかちょっとイマイチな気がするのは私だけでしょうか…?




ええと、まず特筆すべきは、サイコサスペンスで人体がぐっちゃぐちゃになってるにも関わらず、ものすごく読みやすい。爽快感というのは確かに言えてます。
それはこの主人公カースと相棒ハリーのキャラが立ってて活き活きしてるのと、いかにもアメリカらしい話の運び方(映画化の話もあるそうな)、そしてスレたミステリ読みにも耐えうる伏線の張り方や回収の仕方。ラストの事件の真相とかどんでん返しも見事。

これがこの著者のデビュー作ってんですから、ものすごいことですよ。
この作品の評判がいいのも頷けます。

そう、サイコサンペンスというと超有名なアレとか。確かに似たキャラも出てくるけど、でも全然気にならない。
登場人物が多いような少ないような、まったくのジャストサイズ!とは言えないかもですが、その動かし方がうまい。

カースとハリーを敵視する上司とその腰巾着の、隠された秘密に掛けた立場の引っくり返し方もいいな。

いかにもアメリカ!という、敵キャラはどこまでも敵キャラで最後にはぎゃふんと言わせて主人公が勝つのさ!という展開には、日本人としては苦笑いもしますけどね。日本だと、嫌な奴は嫌な奴のままに、ってことも多いし、その嫌な奴にもそれなりのバックボーンや価値観があって100%クロってのもなあ、というミステリを読んでいると、かえってこういったオチはものすごく単純ですよね(笑)

主人公・視点人物の1人であるカースの、重い過去。
彼は、ハリーという先輩刑事と共に、実はこの人にも支えられているんですよね。やってることは無茶苦茶やけど。差別という表層的なものじゃなく本質として怖いから近寄りたくないけど。

で、カースとハリー、そしてアヴァまでは、疑惑の範囲外なんですよ。それがまあヒーローとヒロインという分かりやすい配置なんですけど、だからその他のキャラは全員、どこか怪しいということになる。そんなに何人も正義の側の人間がいるわけないデショって。

でもその単純さは、実はそんなに瑕疵じゃないです。
レッドへリングと言っていいとおもう、うーん、この人もあの人もなんか怪しい…って読んでいって、そしたらある時点で脱線したり別件だったり。うわーこれもレッドヘリングだったか!って(笑)、二転三転するんです。

真相は。
犯人の壊れっぷりも怖いけど、まずその死体に書かれた文字のこと!
いやーこんな意味があったのか!てか、こういう謎の解き方がまだ残ってたのかー!
…ええと、たぶん成人向けな真相です。初心なかたはご注意★
ま、アメリカですから(なんでもこれで済んでしまう。便利やなー/大笑)。

連続殺人事件、それもバラバラ殺人なので、描写は一部エグイけど、でも犯人の動機とかいろんな謎が解けていくと、また違う印象になります。うまいですよー♪

終盤のカースとハリーの捨て身の活躍譚のあたりは、まあ措いといて、ついでにアヴァの病気がそんなに簡単に抜け出せるものなのかという疑問も脇において(笑)、なんかところどころに色恋もあるけどこれくらいならまあいいや、とにかく、まだ歳若いカースと彼を導くハリーのコンビ、いいバランスです。
これは続きが読みたいわ。
早速、第2作目を図書館に予約しよう。

(2005.4 文春文庫)
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